撮影:Akira Kitamura/取材:ジャガー

これまで彼らのライヴを何度か観てきたが、今回は一番変化を感じることができた。過去に、または現在も各々が有名なバンドの一員として活動をしているだけに、今まではどうしても個人のテクニックばかりに目を惹かれてしまい、私自身もそのイメージをどこか消せないままでいた。しかし、1stアルバムを完成させ、それを引っさげて行なわれてきた本ツアーによって、4人それぞれが持つ“mark muffin”像が彼らの中で合致したように思えた。さらにツアー最終日、そして初ワンマンという節目が、より彼らの意識を高ぶらせ、新たな一面へとつなげたのだろう。最初に会場中に響いた “ウォーッ”という西野顕人(Vo&Gu)の凄まじい唸り声からも、その気合いがうかがえた。透き通った歌声と重なって、心地良く体に入ってくる耳触りのいいメロディー。そして、力強く、かつ繊細なリズムを刻むRONZIのドラムと存在感ある黒柳能生のベースがリードを取り、そこに大音量でかき鳴らされるホーチミンのギターがスパイスを効かせ作り出される熱を帯びた生々しいサウンドに、場内は歓声をあげずにはいられなかった。同じステージに立ちながらも互いが歩み寄るのではなく、ミュージシャンとして競い合うさまは、彼らにとってのひとつの答えなのだ。それはカッコ良いものを追い求めるからこそ、辿り着いた形といえる。この4人でしか出せないサウンドと空気感にいつまでも浸っていたい、そう強く思ったのは私だけではなかっただろう。

OKMusic編集部

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