【紅ノ壱パンダ】紅ノ壱パンダ 渋谷
O-Crest 2007年9月19日

text:高木智史

固定観念は振り払うべきものだが、それは時に思わぬ幸運を招くものなのかもしれない。紅ノ壱パンダはその音楽性から“レトロロック”という表現をされていることから、ライヴを観る前からある程度の楽曲のイメージを決めつけてしまっていた。ライヴが始まってすぐその持っていたイメージとの違和感に気付き、彼女たちの奏でる音に注意する僕。さやか(Vo&Gu)のダイナミックなストロークから繰り出される重く歪んだギターと美穂(Vo&Ba)のオーディエンスを前へ前へと引き込む音、ステージング共に躍動感のあるベース、そして、かな(Dr)はそれらの音をひとつにすべく安定したドラミングを見せる。中でもさやかのギターソロには驚いた。一体彼女のバックボーンには何が潜んでいるのかと思う程のテクニックを魅せていたのである。要するに紅ノ壱パンダの楽曲の根底には純然たるロックが存在していたのだ。そこに彼女たちの言う“レトロ”、つまりは和のアレンジとさやかのヴォーカルによって生まれる懐かしさや親近感がプラスαされ、楽曲は確立されていた。また、仙台からの遠征という環境下ながら、観客は各々体を揺らしたり、歓声を上げたりし、彼女たちに惹きつけられていたのである。紅ノ壱パンダとは楽曲の懐かしさが生む浸透力、音の攻撃性が生む即効力を併せ持ったバンドで、聴くと最後、それは中毒となり依存していくだろう。 「ARTIST CLUB」もチェック!

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着