【androp】『one-man live tour「on
e and zero」』2013年3月30日 at 東
京国際フォーラム ホールA

撮影:橋本塁,太田好治  取材:片貝久美子

 2ndフルアルバム『one and zero』の発売から約3カ月を経て迎えた、androp初のホールツアーのファイナル。
 開演前、ステージ手前に張られた紗幕(ベール状のスクリーン)で0と1が激しく切り替わっていた6桁の数字が000000でピタリと揃う。オープニングSEと完全にシンクロした幾何学的なVJが映し出され、その紗幕の奥、まばゆい光の中にメンバー4人の姿が浮かび上がった。ステージ手前と奥、2重のスクリーンで立体的に映し出される映像の狭間に、まるで夢の中にいるかのようなムードでライヴの幕は開けた。そして、「Boohoo」で紗幕が取り払われると、観客の歓声とともに場内の温度は一気に上昇。内澤崇仁(Vo&Gu)が“今日は新しい曲から古い曲まで全部やります”と宣言した通り、新作『one and zero』からの楽曲のほか「Traveler」「Nam(a)e」といった過去の楽曲も織り交ぜながらステージは進んでいく。佐藤拓也(Gu& Key)曰く、内澤はかつて“ホールでツアーができるバンドになりたい”と語っていたそうだ。その夢が実現した歓びは、「Tonbi」(1stアルバム『anew』収録)や「Clover」(3rdアルバム『door』収録)を演奏する際、“ホールで演奏したら気持ちいいだろうなと思った曲”と紹介する内澤の言葉からもあふれていた。時に幻想的に、時にアグレッシブにと、さまざまな表情を見せてくれた本編ラストを飾ったのはandropの新境地とも言える楽曲「End roll」。演奏前、“この瞬間が僕にとっての生きる意味”と語った内澤の想いが言葉以上に伝わるパフォーマンスに、客席からすすり泣きが漏れる。どんなに会場が大きくなろうともandropが放つ光はリスナーひとりひとりを照らしてくれるはず――そんなことを確信したライヴだった。

セットリスト

  1. 0
  2. Rising Star
  3. Boohoo
  4. AM0:40
  5. Bell
  6. Traveler
  7. Bright Siren
  8. Nam(a)e
  9. Clover
  10. Radio
  11. HoshiDenwa
  12. Rainbows
  13. Tonbi
  14. Plug in Head
  15. Human Factor
  16. Colorful
  17. Party
  18. Message
  19. World.Words.Lights.
  20. End roll
  21. <ENCORE>
  22. Image Word
  23. MirrorDance
androp プロフィール

アンドロップ:2009年12月に1st アルバム『anew』でデビュー。ジャンルレスかつ緻密なサウンドアプローチとその傑出した音楽性でシーンに頭角を現す。数々の映画やドラマ主題歌、CMソングを手がけ、MVもカンヌ国際広告祭(フランス)、One Show(アメリカ)、Webby Awards(アメリカ)ほか国内外11のアワードで受賞するなど、その映像世界やアートワークでも世界的な評価を得ている。2021年12月に6thアルバム『effector』をリリース。androp オフィシャルHP

OKMusic編集部

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