【FLiP、メレンゲ、SAKANAMON】『日
本工学院ミュージックカレッジ 蒲田
校 コンサート・イベント科 卒業LI
VE 「Exceed The Limit」』2013年12
月8日 at 赤坂BLITZ

取材:榑林史章

 日本工学院ミュージックカレッジのコンサート・イベント科が主催するライヴ『Exceed The Limit』が12月18日に赤坂BLITZで開催された。音楽業界の裏方を志す学生たちが、PA、照明、舞台、運営など全てを手掛ける卒業制作で、学生たちの2年間の集大成となるイベントだ。

 トップバッターはFLiP。“これからの生活で、このイベントができて良かったと思ってもらうためにここに来た。楽しみましょう”とSachiko(Vo&Gu)。Yuko(Gu)が奏でるリフが特徴的な、ダンスロックナンバー「Log In"Rabbit Hole"」で、ステージは勢いよく始まった。Sayaka(Ba)は手拍子で観客を煽り、Yuumi(Dr)は立ち上がってスティックを掲げ、「カートニアゴ」の間奏では全員が向き合って頭を振りまくる。4人の熱気に圧倒された観客。Sachikoは、“まだまだそんなんじゃ、メレンゲ兄さん、SAKANAMON兄さんにつなげないよ!”とさらに観客を煽ると、手拍子がいつしか大きなうねりになり、ライヴのテンションもどんどんアガっていく。途中、Sachikoが勢いあまって転んだり、Yuumiがその場でライティングの変更を要求する場面もあったが、それも学生スタッフへの試練? 学生は焦りつつも機転を利かせ、バンドとスタッフの心地良いチームワークを見せてくれた。

 2番手のメレンゲは、観客の大きな手拍子が響く中で登場。どんどん前に進むような勢いを感じさせる「旅人」、ファンタジックな歌詞と軽快なリズムが楽しい「ビスケット」、さらに新曲「シンメトリア」など、アッパーなナンバーを中心に5曲を披露した彼ら。ステージの前に飛び出して観客を煽りながら、グイグイと演奏を引っ張るタケシタ ツヨシ(Ba)、寡黙な雰囲気ながら安定感のあるビートを叩き出してサウンドを支えるヤマザキ タケシ(Dr)。クボ ケンジ(Vo&Gu)は、やさしく温かい歌声と力強い歌声を巧みに使い分け、力を込めてハイトーンを奏でる様子が非常に印象に残った。グルーブのある演奏に、観客は手拍子をしたり手を挙げて振ったりと、思い思いに楽しんだ。MCでは学生たちに対して“僕らの時代と比べてしっかりしてるな〜と思った”とクボ。そして“卒業しても、いつかまた一緒にできたらいいね”とエールを贈った。

 トリはSAKANAMON。ヒット曲「花色の美少女」で始まったライヴは、ステージをところ狭しと暴れ回るようなアグレッシヴな演奏を披露。観ているこちらもどんどん気持ちがアガっていく。ときには打ち込みを加えたギターロックとの融合を聴かせ、ときには3人でジャムセッションするように魅せる。木村浩大(Dr)は、ヘッドフォンを振り払って身体全体で弾け叩く。実に自由で楽しそうな演奏からは、本当にバンドが好きなんだという彼らの想いがビシビシ伝わってきた。2月5日にリリースする2ndアルバム『INSUROCK』から「TOWER」をいち早くお披露目したほか、突然ユーミンの「卒業写真」の一節を学生に贈ったり、アンコールではバンド結成のきっかけになった「妄想DRIVER」を披露した彼ら。3人とも日本工学院の卒業生ということで、“先輩として誇らしいです。僕らは優等生じゃなかったけど…自分のやりたいことをやったらいいと思う”と語った森野光晴(Ba)。学生時代からの想いを忘れずにつなげていけば必ず夢は叶う…そんなメッセージを、各バンドは演奏で身をもって示してくれた。
FLiP プロフィール

フリップ:05年10月6日(金)沖縄那覇市国際通りのマクドナルドにて高校2年生だった渡名喜幸子(vo&g)が「とにかくカッコイイ女の子バンドを組みたい!!」という強い衝動から、中学時代の同級生である(g&cho)に相談を持ちかける。その後高校の同級生、宮城佐野香(B&cho)、玉城裕未(dr&cho)が加わりFLiPを結成。バンド名のFLiPは、「弾く」「ぴしっと打つ」などの意味合いを持つ。

沖縄・那覇市を中心にライヴ活動を続けるなか、08年6月にMONGOL800を輩出したインディーズ・レーベル<ハイウェーヴ>より1stミニ・アルバム『母から生まれた捻くれの唄』をリリース。09年3月には、テキサス・オースティンで行われた『SXSW 2009』に参戦、そのまま全8ヶ所9公演を廻る全米ツアーを敢行。その後、チャットモンチーや9mm Parabellum Bulletを手がけるいしわたり淳治をサウンド・プロデューサーに迎えて10年3月、<デフスターレコーズ>よりミニ・アルバム『DEAR GIRLS』でメジャー・デビュー。オフィシャルHP
公式サイト(レーベル)

メレンゲ プロフィール

メレンゲ:02年、クボケンジのソロ・ユニットとしてメレンゲは活動を開始し、同年にはミニ・アルバム『ギンガ』をリリースした。翌03年、新たにヤマザキタケシ(dr)とタケシタツヨシ(b)が加入、3人組として再始動。同年には2ndミニ・アルバム『少女プラシーボ』を発表している。それまでの活動の実績が認められてか、04年には2枚のミニ・アルバム『サーチライト』『初恋サンセット』をメジャー・レーベルから立て続けに放っている。
05年に入るとライヴ活動にもさらなる熱と力を入れて日本全国を飛び回り、いよいよ06年には初のフル・アルバム『星の出来事』を発売。そんなメレンゲのサウンドの特長は、聴き手の脳裏に浮かんでは消えていく様々な風景にあると思う。つまりは頭に中に情景を思い浮かばせるシネマティックな音楽を、彼らは儚くて淡くて少しロマンティックな演奏を通して表現しているのだ。公式サイト(レーベル)
公式サイト(アーティスト)

SAKANAMON プロフィール

上京と同時に組んでいたバンドが解散し、一人で曲作りを続けていた藤森元生(Vo/Gt)が、2007年12月に専門学校の同級生である森野光晴(Ba)と出会って結成。“聴く人の生活の肴になるような音楽を作りたい”という願いからSAKANAMONと命名する。自主制作で音源を発表する中、2010年5月には初の企画ライヴ『SAKANAMON THE WORLD』を開催。徐々に注目が集まり始め、2011年9月、1stミニアルバム『浮遊ギミック』を全国リリース。同作はタワーレコードのプッシュ・アイテム“タワレコメン”に選出され、そのリード曲「ミュージックプランクトン」は各局でパワープレイを獲得。『MINAMI WHEEL‘2011』、『shimokitazawa roundup4』、東京カランコロン主催の『ワンマソフェス2012』などのサーキット・イベントに出演し、入場規制となるほどの人気を博した。2012年8月に行なわれた東京・大岡山PEAK-1での初ワンマン・ライヴは数分でソールドアウトし、そのワンマンでメジャーデビューを発表。同年12月、1stフルアルバム『na』をリリースする。2013年4月にはメジャー1stシングル「シグナルマン」を発表。“サカなもん”というマスコットキャラクターを従えつつ、爽快かつキャッチーなギターロックサウンドを聴かせ、ファンを着実に増やし続けている。オフィシャルHP
SAKANAMON Official Twitter
藤森元生 Official Twitter
森野光晴 Official Twitter
木村浩大 Official Twitter
SAKANAMON Official Facebook

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