【THE MODS】『THE MODS LIVE 2014
"PAROLE"』2014年12月25日 at TSUTA
YA O-EAST
森山達也(Vo&Gu)の脊髄終糸症候群の発症に伴う治療のため、予定されていたアルバム『ROCKTIONARY』のツアーが全公演中止となったのが2014年2月。それから10カ月後のクリスマスの日、THE MODSが約1年振りとなるライヴを敢行した。掲げられたタイトルの“PAROLE(仮釈放)”が意味するように、森山の体調は完調したわけではない。森山もMCで“80パーセントはOKなんですけど、まだ20パーセントは…でも、先生曰く、その痛みを抱きかかえて演ってください、と(笑)”と話していたほどだ。しかし、いざライヴがスタートすると、いつもと変わらないパフォーマンスが繰り広げられる。ロックスピリットが落とし込まれたナンバー、ナイーブな心情を歌うラブソングから挑発的なレベルソングまで、無駄も隙もないアンサンブルによる緊張感の高いバンドサウンドが叩き付けられると、開演前から“モッズ”コールを響かせていた観客は拳を突き上げ、一緒になって歌い、全力で呼応。しかも、披露されるのは最新セルフカバーベスト『NEW BLEED "GUNNERS"』の収録曲や歴史を彩る代表曲はもちろん、初披露となる『ROCKTIONARY』の楽曲もあり、会場が熱気に制覇されるまでに、さほど時間を要しなかった。万全ではない体でステージに立つ森山と、フロントを支えながら揺るがないTHE MODSサウンドを繰り出すメンバー…やはりいつも以上に歌詞が響いてくる。“俺が俺であるために”という気持ちが全てを突き動かしているのだろうが、4人の佇まいこそが最高のメッセージとなっていた。それを観客ひとりひとりが感じていたに違いない。自身の日常と置き換えながら。
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