【HAPPY】『HAPPY Tour 2015 To The
Next』2015年6月26日 at 恵比寿LIQ
UIDROOM

　5月にリリースしたEP『To The Next』を引っ提げ、HAPPY史上最多の計18公演を回った全国ツアー。そのファイナルとなるワンマンライヴ。「Lucy」のモータウンビートに合わせ、“踊り狂って帰ってください。ファイナル！”とAlec（Vo＆Gu）が観客に呼びかけ、ファンにはお馴染みの1stアルバム『Hello』や最新EPの収録曲に加え、新曲、さらにザ・クラッシュのバージョンが有名な「I Fought the Law」といったカバーも披露したその夜、伸び盛りの若いバンドが印象付けた著しい成長にすっかり心を奪われてしまったのは、きっと筆者だけではなかったはず。20代前半という若さに似合わず、ビートルズから脈々と受け継がれてきたロックのマジックを感じさせるポップソングの数々をレパートリーに持つ彼らだが、美しいハーモニーを交えながら、いつの間にか曲が持つ魅力をよりダイナミックに表現できる演奏力を身に付けていた。そんな演奏力は曲が持つエスニック風味を“HAPPYの世界旅行”と紹介したサイケデリックナンバー「E」や、エレクトロなサウンドと5人の演奏がひとつに溶け合い、スケールアップしたバンドの姿をカラフルかつポップに描き出した「Wake Up」といった、実験的な色合いが濃い曲で存分に発揮されていたように思う。「Swinging Singer Star」のレゲエビートや「R.A.D.I.O.」の4つ打ちから感じられたリズム使いの広がりも印象的だった。ツアーの集大成という言葉が相応しい2時間の熱演は、同時に次なる作品がきっと素晴らしいものになるに違いないと、期待させるものでもあった。