【エレファントカシマシ】『日比谷野
外大音楽堂 2015』2015年9月27日 at
日比谷野外大音楽堂

取材:宮本英夫

 晴れ渡る空、心地良い気温、中秋の名月と、最高の条件が揃った恒例の日比谷野外大音楽堂。“ようこそエブリバディ。晴れて良かった”。宮本浩次(Vo&Gu)の挨拶に続き、「おはよう こんにちは」からライヴはスタート。サポートギターにヒラマミキオ、鍵盤に細海 魚を迎えたバンドは完璧で、猛烈に速い「ドビッシャー男」もメロディアスな「悲しみの果て」も、レア曲「ああ流浪の民よ」も、どんな曲調も思いのまま。宮本も絶好調で、「待つ男」での強烈な叫びが日比谷のビル街を震撼させる。これは稀に見るすごいライヴになるという予感の中、ダンサブルなサウンドに挑戦した新曲「TEKUMAKUMAYAKON」や、「珍奇男」「四月の風」などお馴染みの曲で盛り上げ、1時間20分で第一部は終了。そして、第二部がスタートした後、3曲目「月夜の散歩」で異変が起きた。宮本が泣いている。泣きながら歌っている。事情を察した観客の拍手が鳴り止まない。“佐久間さんを思い出してさ。ごめん”。と宮本。さらに「今宵の月のように」へと続く、プロデューサーの故・佐久間正英への思いを込めた熱唱が、高く上がった月にも届けと響き渡る。終盤では「化ケモノ青年」「ガストロンジャー」などの定番曲に加え、制作中のアルバムから新曲「RAINBOW」をひと足早く披露。猛烈な高揚感とともに上昇してゆく最強のロックチューンだ。アンコールは2回に及び、ゲストに蔦谷好位置を迎えた「ファイティングマン」まで4曲。雰囲気、歌、演奏、エモーション、全てが最高レベルの奇跡のライヴ。やはりエレカシはすごい。終演後に思い浮かぶ言葉はそれだけだった。 

セットリスト

  1. おはよう こんにちは
  2. ドビッシャー男
  3. 悲しみの果て
  4. ああ流浪の民よ
  5. 誰かのささやき
  6. 暮れゆく夕べの空
  7. 夢のかけら
  8. 月の夜
  9. 自宅にて
  10. 待つ男
  11. TEKUMAKUMAYAKON
  12. 星の砂
  13. 珍奇男
  14. 極楽大将生活賛歌
  15. 四月の風
  16. 生きている証
  17. ワインディングロード
  18. 月夜の散歩
  19. 今宵の月のように
  20. めんどくせい
  21. 化ケモノ青年
  22. ズレてる方がいい
  23. ガストロンジャー
  24. RAINBOW(新曲)
  25. 生命賛歌
  26. <ENCORE1>
  27. 星の降るような夜に
  28. 友達がいるのさ
  29. <ENCORE2>
  30. 愛すべき今日
  31. ファイティングマン
エレファントカシマシ プロフィール

エレファントカシマシ:1981年結成。88年3月、EPIC SONYよりアルバム『THE ELEPHANT KASHIMASHI』、シングル「デーデ」でデビュー。17年、デビュー30周年アニバーサリーイヤーに突入。デビュー記念日の3月21日にはキャリア史上初となるオールタイムベストアルバム『30th Anniversary 「All Time Best Album THE FIGHTING MAN」』をリリースし、3月20日の大阪城ホールを皮切りに、12月まで続くバンド史上初となる47都道府県ツアーの開催を予定している。エレファントカシマシ オフィシャルHP

OKMusic編集部

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