【やなぎなぎ】『color palette~20
15 Gold~』2015年10月18日 at 東京
グローブ座

取材:桂泉晴名

 いつも凝った演出でオーディエンスを楽しませてくれる、やなぎなぎ。彼女は昨年から“色”をテーマにしたコンセプチュアルなライヴ『color palette』を始めている。今年のカラーは“Silver”と“Gold”。やなぎにとって今回が初の2デイズとなり、1日目は“Silver”、2日目の1回目(追加公演)は“Silver+Gold”、2回目ファイナルは“Gold”と名付けられていた。

 場所は円形劇場として重厚な雰囲気の漂う東京グローブ座。深紅の幕とシャンデリア、ステージ中央にはソファが置かれている。1曲目は気持ちを高揚させる最新シングル「春擬き」で元気に始まるが、 ライヴ冒頭のMCで、やなぎは会場と色のイメージに合わせて、“ちょっと大人っぽいライヴを目指してやっていこうと思います”と告げる。その言葉を裏付けるように、バックはバイオリン、ビオラ、チェロのカルテットに、ピアノ、パーカッションという編成。そのため、いつもと違ったアレンジで楽曲を表現していく。特に3曲目に演奏された「インテンション・プロペラント」の変化には驚いた。原曲はやなぎ自身がインタビューで“結構ノイズが混じった音源を多く使っている楽曲で、バチバチッて音が入っていたり”と語っていたように、機械的で硬質な音のイメージが強い曲だ。しかし、今回は自由に宙を駆け回るようなバイオリンの音が曲を引っ張り、エモーショナルなピアノも加わって、やなぎのヴォーカルはさらにパワフルに響いてきた。

  ライヴ中盤は最新アルバム『ポリオミノ』に収録されている幻想的な「Esse」や、絵本のナレーションのような「unjour」など静かに聴き入る楽曲がたっぷり用意。やなぎなぎの曲が持つ繊細さをじっくり堪能することができた。そして、内面にぐっと迫る「鱗翅目標本」では、神谷洵平のパーカッションが奏でるさまざまな音色が、切ないやなぎの歌を彩る。

 いつも以上にしっとりした楽曲がセットリストに組まれていたが、ラストスパートはもちろん「星々の渡り鳥」などアップテンポなナンバーで盛り上げる。軽快な「link」では《電源が落ちても つながっている》という詞を《ライヴが終わってしまっても つながっている》と変えて、オーディエンスとの絆を確かめ合った。

 やなぎなぎのアーティストとしての魅力を、通常の ライヴと違った切り口で見せてくれるコンセプチュアル ライヴ『color palette』。次はどんな色で染め上げていくか、これからの展開にも期待が高まった。

セットリスト

  1. 春擬き 
  2. テトラゴン 
  3. halo effect 
  4. インテンション・プロペラント 
  5. Ambivalentidea 
  6. 真実の羽根 
  7. カバー曲 
  8. Esse 
  9. unjour 
  10. lux imperium 
  11. 鱗翅目標本 
  12. アクアテラリウム 
  13. 三つ葉の結びめ 
  14. mnemonic 
  15. 星々の渡り鳥 
  16. link 
  17. ビードロ模様  
  18. <ENCORE>
  19. Sweet Track 
  20. クロスロード 
  21. ユキトキ
やなぎなぎ プロフィール

ヤナギナギ:2006年からライヴハウスやインターネット上で音楽活動を開始。12年2月にTVアニメ『あの夏で待ってる』EDテーマ「ビードロ模様」でメジャーデビュー。繊細な声質と印象的な楽曲の世界観で、活躍の場を広げている。13年7月リリースの1stアルバム『エウアル』はオリコンウィークリーチャート初登場4位を記録。13年10月には1stアルバム発売 記念ワンマンツアー『エウアル』、翌14年1月から2月にかけて『エウアル』アンコールツアーを開催した。やなぎなぎ オフィシャルHP

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • PunkyFineのそれでいきましょう!~V-MUSICジェネシス日記~
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜

ギャラリー

  • Tsubasa Shimada presents / 「Wet Crate」
  • SUPER★DRAGON / 「楽楽★PAINT」
  • Yun*chi / 「Yun*chiのモヤモヤモヤ」
  • OLDCODEX / 「WHY I PAINT ~なぜボクがえをかくのか~」
  • 魔法少女になり隊 / 「魔法少女になり隊明治のあったりなかったり」
  • みねこ美根 / 「映画の指輪のつくり方」
  • 嘘とカメレオン / 「猫を抱いて蝶と泳ぐ」
  • エドガー・サリヴァン / 「東京文化びと探訪」

新着