【UNCHAIN】
取材:宮本英夫
音楽には、人と人とをつなげる力がある
んです
1stフルアルバム『rapture』から8ヵ月振りのニューシングル「Across The Sky」はハッキリ言って驚きました。まさかこう来るとは…。
アルバムは今までの集大成として作ったので、次は何か新しいUNCHAINを見せたいなとはずっと思ってました。それが今回の日本語につながるんですけど。
そう、今回はUNCHAINにとって初の日本語詞ですね。英語詞の“グルーヴロック=UNCHAIN”というイメージをくつがえす、心境の変化の理由は?
もう英語で歌わないということではないんです。“新しいUNCHAINとは何かな?”と考えた時に…英語で歌うと、直接何を歌っているのかは、ほとんどの人が分からないですよね。そう考えると、ライヴでいくら盛り上がってくれていても、半分は伝わってないのかなと。友達にも“アルバム、良かったよ”と言われつつ、“歌詞の内容が分からないんだけど、どんなことを歌ってるの?”と聞かれたりして、そういうもどかしさがあったというのがひとつの理由です。もうひとつは、僕は昔からUNCHAINはソウルミュージックだと思ってやっているんですけど、本当のソウルミュージックというのは、英語でも一番強い言葉や、叫びや、恥ずかしいぐらいの感情表現をしていると思うので、日本人がソウルミュージックをやろうと思ったら、日本語で自分の言いたいことを叫ぶということが、僕らなりのソウルミュージックに近づける方法だと思ったので。
実際に日本語で歌詞を書いてみて、どうでした?
難しかったです。日本語は文章をめちゃくちゃ短くしないとメロディーにはまらないし、短い文章で言いたいことを言わなきゃいけない。言葉を詰めすぎると何を言ってるか分からないし、言葉を少なくすると間延びして聴こえてしまう。そのへんのバランスはすごく難しかったです。日本語だから簡単だと思ってたんですけど…(笑)
この詞で言いたかったテーマは、どんなことですか?
孤独な自分にさよならして、人と触れ合っていこう、みたいなことなんですけど。そうするためには、音楽を使って触れ合うことが一番やりやすいと思うんですよ。日ごろ自分が音楽で何をやっているのか、なぜ歌を歌っているのかというと、僕の歌でみんなが気持ち良くなってくれて、いつの間にか周りとつながってくれればいいなって。音楽にはそういう力があると思うので。それはそんなに大きい力ではなくて、きっかけを与えるだけの小さな力かもしれないけど、そういうものを伝える職業だと思うので。記念すべき日本語第一作ということもあって、僕がいつも思っている大テーマを書いたつもりです。
メンバーの反応は?
まったく問題なく、全然イケると言ってました。一番気を付けたのは、今まで英語のUNCHAINを知ってくれていた人にもすんなりと違和感なく聴いてほしかったので、曲作りは今までとまったく変わらない方法でやってます。このシングルでUNCHAINを初めて聴いてくれる人には、UNCHAINの英語の曲も好きになってもらって、それから洋楽も好きになってもらって、そういうきっかけにもなればいいなと思います。
ここから3か月連続リリースということですけど、もう曲はできているんですか。
できてます。リード曲は全部日本語で、次はもっとロック仕様な感じですね。また新鮮な感じで聴いてもらえると思います。
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