【UNCHAIN】
取材:宮本英夫
曲のスピード感と歌詞がマッチしている
3ヶ月連続リリースの第二弾「stillness in the wind」はどんな曲ですか?
これは佐藤くん(Gu)の曲で、5~6曲書いてきた中から選びました。佐藤くんの曲は僕の作る曲とは違っていて、僕にはない自由な発想と独特のメロディーセンスがすごくて、幅広い作曲ができて楽しいです。
UNCHAINといえば洗練されたソウルフルなポップス感が特徴ですけど、これはエモーショナルに突っ走る曲ですね。
歌詞の内容も“人生どれだけ早く走れるか?”みたいな、でもふと立ち止まってみたら“周りがよく見えた”という内容なので。曲のスピード感がいい感じで歌詞とマッチしたと思います。
バンド的に、演奏の手応えは?
こういう曲調は、特にドラムの吉田くんなんかは得意な感じだと思います。ビートに気持ちが乗っていて、僕らもその勢いに乗って、レコーディングはパッとできちゃった感じです。
詞は前作に続いて日本語で、今回は佐藤くんと谷川くんの共作になってますね。
佐藤くんの作ってくる曲は、最初からイメージがあるんですよ。“こういうイメージで書いたから、こういう詞を書いてくれ”って。今までもそうだったんですけど、今回は日本語ということで、佐藤くんと一緒に考えました。
内容は一見ラヴソングですけど、人の生き様というか、人生観っぽいですね。
人生の中で何か手に入れたいものがあって、そのためにはただ突っ走るだけじゃダメなんだという。教訓じゃないですけど、それを恋愛に例えた感じです。UNCHAINの曲はいつも、後ろを向いている自分が前を向いて、“ポジティヴになろうぜ”と言って終わるのが多いんですけど、今回は珍しく“大切なものがなくなっちゃった”で終わるという、バッドエンドな感じは今までなかったので。その切なさがいいかなと思います。
とても切ない余韻が残ります。
大切なものに気付いたんだけど、もう遅かったという。この次に出す第三弾も、“若き日の輝いていた頃を忘れない”みたいな歌詞を書いてるんで。現在と過去と未来の中で、感情が入り混じる感じは共通してる思います。後悔もあるけど、未来は頑張るんだみたいな。今はそういう歌詞が多いですね。
カップリングは恒例のセルフカヴァーと洋楽カヴァーの2曲ですね。
『Withered Voice』は当時のUNCHAINの中でも浮いてた曲で、もっと重たい感じのロックだったんですけど、ちょっとだけ軽くしてファンキーさを出してみました。アークティック・モンキーズみたいなイメージで。『HYPERBALLAD』はビョークのカヴァーで、入念に聴き込むほどビョークのすごさが分かってきて、カヴァーするのが少し怖かったんですけど。ダンスミュージックっぽさを生かして、打ち込みっぽい生ドラムとループっぽいギターを重ねてみました。自分のヴォーカリストとしてのレベルアップにもつながったし、すごく勉強になりましたね。
11月~12月にかけて、2マンで回る冬のツアーがスタートしますが、その抱負は?
僕自身の目標としては、日本語の味をしめたいです。ライヴでの歌い方はまだまだ成長していけると思うし、お客さんがどんな反応をしてくれるのかも楽しみです。対バンもカッコいいバンドばかりなので、負けないように頑張ります。
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