【森翼】
取材:土内 昇
森翼色が出たシングルだと思う
デビューから半年が経ちましたが、何か変わりました?
やっぱり、今までやってたことと同じことをやっててはダメじゃないですか。だからと言って、何をすればいいのかは、まだ分かってないんですよ。でも、もっといい曲を作りたいとは思ってて…今までだったら寝る前に歌詞が思い浮かんでも眠さに負けてたんですけど、最近ではメモしてますね。めっちゃ眠いんですけど(笑)。だから、いい曲を作るために、いい歌詞を書くために…っていうことを考えて動いてます。あと、歌番組を観てても今までだったら男の人の歌ばかりを聴いてたんですけど…中高生の時の“カラオケで歌いたいから聴く”っていう習性がついてて。でも、最近は女の人の歌も聴くようにしてて…それが自分の曲を作る時に生かされてたりするんで、“いろんな曲を聴こう”って思うようにもなりました。
音楽に対して、より貪欲になったと?
貪欲に…それ、僕が言ったことにしておいてください(笑)
(笑)。では、2ndシングルの「すべり台」について訊いていきたいと思います。前作はフォーキーな感じだったのですが、今作はバンドサウンドですよね。
今まではギター一本と声のことだけしか考えてなかったんですけど、楽器を意識して作ったというか…この曲は作っている時から4つ打ちのドラムが頭の中に流れてたんですよ。アレンジャーの鈴木Daichi秀行さんがいろんな音を作ってくれるんで、“こういう音を入れるといいんじゃないかな?”ってバックの音をある程度想定した上で曲を書きましたね。そしたら鈴木さんが“じゃあ、こんなのはどう?”とかアイデアを出してくれて、すごいカッコ良い曲になりました。
もともとはどんな曲を作ろうとしたのですか?
疾走感のある曲を作りたいと思ったんですけど、楽しいだけじゃなく、切ないだけでもないっていう。パッと聴きはノリが良くて楽しいんですけど、聴き終わった時に胸の奥が少し切なくなってるようなものにしたかったんですよね。
彼女に別れを切り出される歌詞は、今回も実体験を?
そうですね。でも、彼女が別れを切り出そうとする前に、僕の方から別れを切り出したんで…でも、結局はフラれてるんですよね。って、今さら何を強がってるんやろ(笑)。自分が悪いって受け入れている部分もあるので、女々しい感じではなく、最後は力強く歌いたいなって思ってました。
“公園で?”のフレーズが切ないですよね。
めっちゃ切ないですよね(笑)。ここの歌詞が一番気に入ってるんですよ。公園で別れ話をしてて、初めは彼女の目を見て喋ってるんですけど、彼女が泣いてるから見れなくなって、目をそらした時にすべり台があったんです。頭の中は真っ白になってるから、そのすべり台がキリンだったか、ゾウだったかは覚えてないけど、“彼女を守りたい”と思ってたのは覚えてる…っていう景色が見えるじゃないですか。僕も景色を想定しながら歌詞を書いたり、景色を思い浮かべながら歌ったりしてるんで、聴いてくれた人も、そのシーンを思い浮かべてほしいですね。ちなみにここの歌詞、寝る前に思い浮かんだんですよ(笑)
カップリングも含めて、やはり1枚目とは違いますよね。
全然違いますよね。1枚目よりもパンチ力があるというか。でも、1枚目があったからこそ、今回はこういうサウンドに挑戦できたと思うし…ぜひ、いろんな人に聴いてほしいですね。男の女々しさも出しつつ、森翼色が出たシングルだと思います(笑)
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