【LOVE】
取材:石田博嗣
意味のあるメッセージを届けたい
LOVEさんにとって、2008年はどんな年でした?
初ワンマンが春にあったので、それに向けての準備から始まった年だったんですけど、そのワンマンをやったことが大きくエンジンをかけましたね。それまではひとりでライヴをやってみたり、ベースとふたりでやったりしてたんですけど、ベース、ドラム、エレキギターと一緒に4ピースでかなり広がりを作れて、すごい刺激をもらったんですよ。そのライヴでやることをイメージして作った『オドレイ』…その後シングルにしたんですけど、そこからいろいろつながっていったという感じです。
1stアルバム『Embryo Love Songs』はアコースティックな作品だったのですが、それがバンドになったと?
…というわけでもないんですよ。私はCDとライヴは割り切って考えている方で、1stアルバムは自分のルーツであるアコースティックギターと打ち込みのリズムで“どれだけの幅が作れるか?”っていう、ある種のストイックな挑戦をやってみたんですけど、それをライヴで表現するにあたってエレキも入れてバンドにしたので、次はすごくカラフルな音楽をやりたいと思ったんです。現実的にご一緒してくださったミュージシャンの方々が相当アーティスティックな音の持ち主で、イメージングのインスピレーションをすごいもらったから、そのおかげもありつつって感じですかね。やりたいことが増えましたし。
では、11月にリリースされた「素晴らしき日々」は?
実は今年一番時間を使ったと思うのが『素晴らしき日々』なんですね。この曲は感謝の歌で…1stアルバムが出来上がった時に、個人的なことに挑戦したアルバムなのに、いろんな人の顔が浮かんですよ。その人たちへの感謝の気持ちを改めて力に変えて音楽をやっていくぞっていう想いを歌いたかった…“ありがとう”ってキャリアを重ねた人が歌うのと、“まだまだ行くで!”って思っている私が歌うのとでは全然重みが違うので、これだと思える“「ありがとう」だけじゃ終われない”っていうニュアンスを出すのに3ケ月ほどかかりまして…歌詞も含め、音も含め、伝えたいことを最後まで考えるということの修行になりましたね。この曲を作ったことでものすごく掴めたものがあったんで、何かが突き抜けてブァーと2ndアルバムを作って、今の『WINTER FANTASIA 2008』に至るという感じです。
DREAMS COME TRUEとの対バンツアーですね。
どえらい話ですよね(笑)。最高!ですよ。そんな場をくれた正さんと美和さんの心意気にしっかりと応えるためには、私らしくぶちかますしかないと思ってて、ほんと感謝しながらマイペースにやらせてもらってます。『WINTER FANTASIA 2008』は美和さんの歌を楽しみに来ている人がいっぱいいるんで…私もそのうちのひとりだし。だから、お客さんの気持ちも分かれば、正さんや美和さんの気持ちも私なりに理解している部分もあるし、自分の大きな想いもあって、てんやわんやなんですけど(笑)、一本一本がめちゃくちゃ勉強になってます。
詳しいことは次号で訊かせてもらいますが、そんな2008年の総括となる2ndアルバムはどんな作品になってますか?
いろんなことに挑戦していきたいとずっと思っているエネルギーと…世の中的に2008年はオリンピックがあったのと同時に戦争も起こってたとか、良いことと悪いことが渦のように起こり始めた年にやっぱりなってきてるなと思ってて、その中でなるべく意味のあるメッセージを届けたいと思ってるので、パンチのある音楽になったんじゃないかと思います。
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