L→R TAKE(Gu)、GOT'S(Ba)、KEIGO(Vo)、KOHSHI(Vo)、IWASAKI(Dr)

L→R TAKE(Gu)、GOT'S(Ba)、KEIGO(Vo)、KOHSHI(Vo)、IWASAKI(Dr)

【FLOW】よりシンプルにアグレッシブ
に 俺らにしか作れない、FLOWらしい
作品

全てセルフプロデュース。5人で作り上げた、5枚目のアルバムという意味を持つ5thアルバム『#5』を完成させたFLOW。約1年半をかけた全国ツアーの熱気を密封したようなアグレッシブな今作は、自信に満ちあふれながらFLOWの核心に迫った原点回帰と言える作品となった。
取材:フジジュン

よりシンプルにアグレッシブに俺らにし
か作れない、FLOWらしい作品

まず、年末にC.C.Lemonホールでのライヴを観て、完成したアルバム『#5』を聴いて思ったのが、2007年から1年半をかけて回った『FLOW LIVE TOUR 2007-2008「アイル」』というのが、FLOWにとってすごく大きかったんじゃないかということで。

TAKE
いやぁ、デカかったですね! 多分、FLOW史に残る大きなターニングポイントになったんじゃないですかね。1年半回ったから、1年半くらい休んでもいいんじゃないかとも思うんですけど。

ダメですよ!(笑) でも、『#5』にはそこからつながる熱量がしっかり詰め込まれているし、ライヴも自信にあふれてますよね。

TAKE
全てお客さんに教えてもらいましたよ。みんながいるから安心してステージに立てるし。

今のFLOWのモチベーションの高さだったり、アグレッシブさがアルバムにしっかり詰まってますよね。

TAKE
とにかくテンションの高いアルバムにしたくて。楽曲はツアー中に書き溜めていて、日本武道館が終った直後にデモの中からチョイスしてアルバムを作った感じです。よく言われるのが、“『アイル』と対になったひとつの作品だね”って。自分で思うのは、『アイル』はファンだったり、周りの人への伝えたい想いを込めたアルバム。『#5』は“FLOWとは?”みたいなところをもっとフィジカルに、ライヴを意識した、即戦力となる楽曲を集めて作った作品ですね。

今作は「SNOW FLAKE~記憶の固執~」のような、作品ならではの世界観を持つ曲もありながら、作品とライヴがしっかり直結している印象があります。ライヴからも作品からも生き様がダイレクトに伝わってくるというか。

TAKE
6年経ってやっとそうなってきました(笑)。人生、経験が全てですから。2段飛ばしはできないですからね。

KOHSHIさんのアルバムが完成しての率直な感想は?

KOHSHI
完成しての充実感が今までで最高というのが感想ですね。今回はディレクターを立てずに5人だけで作った作品だったので、充実感がハンパなくて。出来上がった後も自分でスゲェ聴くし、愛情もたっぷり注げて、“どこを切ってもFLOW印”みたいなアルバムになったと思います。もうディレクターいらないんじゃないかな?(笑) インディーズ時代のように自分たちで全部やることで、気付くこともたくさんありましたし。そうでもしないと自分たちの持ち場を固められなかったかもしれない。僕ら、流れて行ってしまう気質もあるんでね、FLOWだけに。

あ、はい(笑)。IWASAKIさんは?

IWASAKI
すごく充実感の大きい作品になりました。いい意味で身の丈に合った物が詰まっていて、自分たちの意識が行き届いているというか。最初に打ち合わせした時から、“アグレッシブな作品にしたい”という確固たる意思があって。今まではそこにディレクターさんのフィルターがかかって、遠くの見えない物が見えたり、近くの見える物が見えなかったりしたんだけど、そのフィルターが取っ払われることで自分たちの見たい物だけを5人で見るという形で制作できたというのが一番大きいんじゃないですかね。だから、ちゃんと進む方向が見えた上で、5人がそこに向かって進めたし、自信にもつながる…自分たちにいろんな物を残してくれた自信作になりました。

GOT'Sさんはいかがですか?

GOT'S
本当いいアルバムができましたよ。ツアーが長かったから、意外と曲を煮詰める時間もあったので、よく考えて、曲を理解して、ツアーが終ったところで一気にレコーディングして。今ある一番いいところを引き出せたと思いますね。自分の今持ってるものの中で無理をして、いろんなプレイを詰めて。レコーディングの時にはそれがしっかりものになっていたし、今回のアルバムは全部が『アイル』以降の新曲なので、自分で聴いても新鮮でした。
TAKE
ツアー中は曲作るか、寝るかしかやることがなかったからね(笑)。でも、曲を作っている中でベースに助けられた部分もたくさんあって。そういうところでも5人がしっかり役割を果たして、仕上がった印象が強いですね。それと今回はツアー中、体を動かしているからこそ脳と直結してアイデアが浮かんできたし、ライヴをしているからこそ武器になるものが沸き上がってきたみたいで。ツアーが終る頃にはデモが3~40曲くらい仕上がっていて、その中から曲を揃えて11曲+1にまとめ上げました。

それも“たくさんライヴをやったから、次は制作モードにスイッチングして”という感じではないんですよね?

TAKE
そう。そこがひとつにつながっているのが大きくて。FLOWというバンドがライヴを一番大事な場所だって考えているのは間違いないので、そのための楽曲だったり、ライヴパフォーマンスだったりが重要なんだという核心に迫れたのが『FLOW LIVE TOUR 2007-2008「アイル」』だったんです。お客さんと共有する部分と自分たちと向き合う瞬間の繰り返しだったから、非常にバンドとして充実したものになったし、“FLOWとは何ぞや?”というところに対面できたからこそ、他のバンドにはない、俺たちだから出せる音を詰めた“FLOWらしいアルバム”になったと思いますね。

なんだかバンドとしてすごく健全ですね!

TAKE
そうですね。だからこそ、変に凝り固まる部分もなく、よりシンプルになって、幹の部分も太くなったと思うし。
KEIGO
“FLOWとは?”というのは昔から考えていたけど、頭で小難しく考えるから迷ってしまっていたんです。でも、それがライヴを重ねて、身体全体で感じて、感覚として分かるようになったからこそ、ツアーは尻上がりで良くなっていったし、そのテンションを保ったままレコーディングに入れた。今回はそんないい流れの中、自然と5人とも同じモチベーションで、同じ方向を向いてアルバム製作に取り組めたことが大きかったんです。

僕がそこで良いなと思ったのが、「HEAVENLY STARS」とかを聴いて、初期FLOWを思い出せたことで。キャリアやスキルから来る自信や核心、説得力は増しながらもサウンドの核たる部分は昔から変わらないんだってことが良いと思ったし、うれしくもありました。

TAKE
やはりツインボーカルの旨みとかはウチらの武器だと思っているし、それを生かしていきたい。今まではいろんな振り幅の楽曲にトライして、あらゆる物を血肉化してビルドアップする段階だったと思うんですが、今の時期になって“原点回帰”じゃないけど、自分たちの核の部分としっかり向き合えたところがあって。個人やバンドがもともと持っているポテンシャルを生かして、自由奔放に表現した時、その力が増大するという。そういうところにも自然と目を向けられたって感覚はありますね。

今回、“原点回帰”ってのはテーマとしてありますね。例えるなら、スーパーマリオを一回クリアして、2周目に入ったらクリボーがメットになってて難しいんだけど、自分も上手くなってるから、ガンガンにクリアしちゃうみたいな。

TAKE
アハハハ。でも、それがFLOWとしてひとつのあり方だと思うし、バンドを始めた時の衝動からできた楽曲に嘘はないから。まったく違う方向に行くこともあるけど、原点の部分を太くしていくのは変わらないと思うし、今はそれを強く言葉にして、音にしてやっていけるんですよね。
KOHSHI
歌詞にしても、昔から歌いたいことなんてひとつかふたつしかなくて。それを手を変え、品を変えやっているようなもんですから。今回は僕も原点回帰じゃないですけど、昔に立ち返って、久々に仲間のことを歌ってる。それを最新バージョンで歌えたのが良かったですね。

“かけがいのない 友と共に 立ち向かう意味は今ここに”と歌う「ANTHEM」はグッと来ましたね。楽曲に関して言うと、年末のライヴで披露した、FLOW史上最速の「赤いサイレン」。めちゃカッコ良い曲ですけど、IWASAKIさんは単純にシンドくなかったですか?(笑)

TAKE
アハハハ。アラフォーですからね(笑)。
IWASAKI
シンドくはないです。心地良いというか、自分たちのフィールドの中にある曲だったので楽しめました。

逆に「アンタレス」はアレンジも凝っていて。

TAKE
年に一回、こういう曲が降りてくるんですよね。でも頭を使ってというよりも、自然と出てきた感じというか。

でも、そういう部分もあるから大人も楽しめるロックアルバムになっていて、そこも等身大なのかなって。

TAKE
ホントですか? 大人はうるさくて嫌かなと思いましたけどね(笑)。でも、音楽も細分化して、昔のようにひとつのものを追及して深めていくという楽しみ方じゃなくなっているじゃないですか。だからこそ個の持っている突出した強さが必要で。“他のバンドではなく、このバンドじゃなきゃダメだ”って部分を持たなきゃいけないっていうのを強く感じてますね。そういう意味でも自分たちのポテンシャルを高めていくことが必要だし、結果、それが自分たちも楽しめてリスナーにも求められる部分なのかなって。そんなことを正月、モチ食いながら考えていたんですけど。

モチ食いながら難しいこと考えてましたね(笑)。そう考えると「BRAND-NEW DAY」もひとつ象徴的で。背中を押してくれるような明るく力強いFLOWの楽曲に励まされ、勇気をもらっているリスナーも多いと思うんです。

KEIGO
こういう明るい曲も久々な気がして、明るい内容の歌詞にしようと。今の気持ちを歌詞に込めて、今のFLOWを表現できればいいなって。こういう曲を『#5』でできたこともすごく良かったですね。

また、歌うべきこともハッキリしてきてますよね?

KOHSHI
今回、メッセージソングはそれほど多くなくて。衝動のままにペンを走らせたので、歌詞も分かりやすいと思います。具の入っていない、素うどんみたいな(笑)。
KEIGO
歌もそうで、気持ちの面が強く表れているような気がする。ライヴ感だったり、衝動だったり、力強さがアルバム曲で録れた気がしますね。力強さを意識してたから、ブースから出る時はグッタリしちゃって(笑)。

リスナーにはそんな空気も感じてもらいたいです。そして、アルバム以降はまたツアーが始まりますね。

IWASAKI
自信作を持ってライヴができるのはすごく楽しみです。みんなで曲を育てていく楽しみもあって、また未知の世界に突入できると思うので。新しい武器と自信を持った僕らをぜひ観に来てほしいですね。
『#5』2009年01月28日発売Ki/oon Records
    • 初回生産限定盤(DVD付)
    • KSCL1355〜6 3200円
    • 初回仕様限定盤(ステッカー封入)
    • KSCL-1357 3059円
FLOW プロフィール

フロウ:KOHSHI(Vo)、KEIGO(Vo)、TAKE(Gu)、GOT’S(Ba)、IWASAKI(Dr)の5人組ミクスチャーロックバンド。2003年1月に発表した海援隊の「贈る言葉」のカバーで注目を集め、シングル「ブラスター」でメジャーデビュー。疾走感あふれるエネルギッシュなバンドサウンドと思わず身体が弾み出すようなメロディーを武器に、全国でイベント出演やライヴを繰り広げる。『NARUTO -ナルト-』『交響詩篇エウレカセブン』『コードギアス』をはじめ、多くのアニメにも楽曲を提供し、06年以来、海外での活動にも精力的に取り組み、アジア、北米、南米、ヨーロッパなど、これまでに19カ国59公演を超えるライヴ実績を持ち、ライヴバンドとして国境を越えて音楽を届けている。22年にデビュー20周年突入イヤーを迎え、11月にORANGE RANGEとのコラボ楽曲「デイドリーム ビリーヴァー」を含むシングルをリリースする。23年7月にはアニメ提供楽曲だけで行うワンマンライヴ『FLOW 20th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE 2023 ~アニメ縛りフェスティバル~』を幕張メッセ国際展⽰場で開催予定だ。FLOW オフィシャルHP

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