【ジルバ】
取材:お髭のマツオカ
“なんとなく”って生き方だけはしたく
ない
まずは「KAZENINARE」が映画『クローズZERO II』の劇中歌に選ばれた経緯をおうかがいしたいのですが。
逸見
もう、運で。攻撃的な曲を書いてみようっていうのがあって、イメージしたら案外すぐに出てきました。みんなとファミレスでメシ食いながら(笑)。
渡邉
で、決まって2週間でレコーディング。この業界、結構無茶言うなぁって(笑)。
なるほど(笑)。しかし、サントラ参加のメンツを見ればそうそうたるメンバーだし、バンド内での気持ちも高まったといいますか、ワンステップ上に行けた感じもあったのではないでしょうか。
逸見
変わらないつもりなんですよ。そりゃ、尊敬する方々と同じ円盤の中に入れていただけたのはものすごいうれしい。けど、それでメンタル的に左右されるようなバンドでもないんで。
実際に映画を観られていかがでしたか?
渡邉
試写会の時はソワソワしちゃって(笑)。曲が使われてたのがケンカのシーンなんで、殴る音とか入るんだけど、“ちょっと静かにして!”とか思ったり(笑)。
ちなみにプライベートでも映画とか観られるんですか?例えば、そこからインスピレーションが沸いたりとか。
渡邉
僕は深夜とか真昼間にやってる、ちょっとB級的なヤツが好きで。おっしゃるように映画から結構インスピレーションを受けますね。最近買ったCDも『いま、会いにゆきます』のサントラだったり。映画音楽がすごい好きなんですよ。久石 譲さんが無茶苦茶好きなので、ジブリ関連のは全部持っていたり。正直、家ではロック聴きたくないんですよね(笑)。久石 譲さんのメロディーと表現力ってすごい!
逸見さんはいかがですか?
逸見
僕は頻繁ではないですね。インスピレーションはどちらかというと本からもらうかな。村上 龍さんや村上春樹さんの小説とか。けど、一番好きなのはベタだけど太宰 治ですね。僕が書く詩のテーマと彼が考えてる哲学とが類似していて。
ジルバの詩の世界観って、結構な“怒り”が根底にあるのかなと思ったのですが。
逸見
いや、“怒り”は実は皆無で。サウンド自体が尖ってるんでね、そっちにとらえられがちなんですけど、僕らは実はそういうわけじゃないんです。人は有限と無限のものにいつもとらわれがちなんですね、命にしてもなんにしても。それを見てしまえばおっかなくなる。そのおっかなくなった時に、どう生きるか…それが叫びになってる。よく、インタビューで言ってるんですけど、意志を持たない人間がすごい増えてきて、“なんとなく”っていう言葉の通りに生きてる。自分は絶対にそうなりたくないし、自分はこう思ってるっていうのを歌にしているんです。けど、そんな僕も徐々にですけどね。人の目を意識したり、大衆性を考慮したりしてましたけど、その最終系がジルバだと思ってるんで。
10月にはアルバムも発売予定だそうですね。何か作品の方向性とかでビジョンはありますか?
逸見
いや、これといってないすね。ちなみにこの「BASUE GALLERY」もライヴ後に“コレかね?”って感じで4曲決めたくらいなんで(笑)。そん時に一番いいものを出せれば。今を大事に音楽やってるほうがいいでしょ、やっぱり。
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