取材:岡本 明

展開の速さとスピード感を重視して作り
ました

今回の「Switch」は、『世界卓球2009』のテーマソングということを前提に作られた曲なのですか?

hiroko
そうなんです。試合を観に行かせていただいたんですけど、そこで得たインスピレーションと、私が卓球部やバスケ部にいた頃の気持ちを思い出して書きました。試合に限らず、私も日々、小さなことと戦っているんです。何気ないひと言で誰かを傷付けたり、コミュニケーションがうまくできなかったり…。そういう自分との戦いをテーマに歌詞を考えました。いつもそうなんですけど、誰かを励まそうとして作るというより、まず自分自身の気持ちが上がって、闘志を燃やす気持ちになれる言葉ばかりですね。
miyake
会場が広いのに、小さな卓球台に全員が集中している…それが新鮮で。あの小さい台の上ですごい迫力が出ているわけですからね。そういうところから、今回の曲は変わりゆく展開の早さとスピード感を重視して作りました。

目まぐるしく展開するのは卓球のスピード感が影響しているのですね。

miyake
そうです。白熱している場面と、ちょっと緩む場面、その移り変わりが面白いと思います。今までも僕らにはアップテンポで応援ソング的な曲がありましたけど、ここまでテーマに沿って作りこなせたっていうものはなかったので、今回はすごく達成感があります。『世界卓球2009』でも要所要所で流れて、感動しましたね。

“Switch on”という言葉が入るたびにスイッチが入って切り変わるような感じもありますね。

hiroko
あそこは出来上がった後で考え付いたんです。出来上がったアレンジに乗せて、“Switch on …Na ha ha”って歌ったら、“それいいよ!”っていうことになって。全体に意気込んで歌ってますけど、そこだけ息が抜けていい感じのバランスになりました。そういうひらめきは多かったです。

そう言えば、今回のリリースまで約8カ月も間が空いてるのですが。

hiroko
そうなんです、そろそろスイッチを入れないと忘れられるなって(笑)。自分たちに喝を入れるためにもこのシングルを出す意味がありますね。
miyake
アルバムやツアーがあったので、必然的に空いてしまったというのもあるんですけど。5周年を過ぎて、楽曲を作り溜めようという制作期間に当てていました。

2009年のmihimaru GT、スイッチが入りましたね。

hiroko
ポチッとな(笑)。
miyake
あと、最近はバラードが結構多かったと思うんですけど、アップテンポのmihimaru GTというのが世の中ではイメージが強いみたいで。この「Switch」でまた切り開こうかなと。ーー自分たちを再確認して進もうと?
miyake
バラードももちろん好きですけど、アップテンポって実は作るのが難しくて。でも、「気分上々↑↑」から世間的には、そこを認めていただいていて。自分たちの立ち位置を改めて考えて、そこを持ち味として、さらにワンランク上のものを作り上げたいなというのが今回のテーマのひとつにありました。

ただ、世間のイメージが固まってしまうと同じような作品を求められるので、違う方向に向かいたくなった時、難しいですね。

miyake
難しいでね。僕たちのバラードがいいと言ってくださる方も多いんです。そこも聴いていただきたいんですけど、mihimaru GTとしてはアップテンポのほうがインパクトが強くて。またスイッチを切り替える時が来て、いつか感動的なバラードを聴かせられたらいいなと思います。
hiroko
いろんなタイミングがありますからね。今回、新しいアプローチで作っていますし、まだまだ冒険しておこうかなって思います。柔軟にいろんな要素を取り入れつつ、地に足を着けて活動していきたいですね。
miyake
それに「Switch」はアップテンポだけれど、哀愁感を大事にしていて。そこにこだわりながらメロディーを突き詰めたので、mihimaru GTの中でも新しい感じです。これまでも僕らはヒップポップを掲げてやっていましたけれど、この曲では自在にコントロールできているなという気がします。J-POPらしさも混ぜながら、言葉遊び的なラップとか、自在に遊んでいる感じをうまく取り入れることができたと思います。

さらに、この曲は現在もAEONの『YUKATA&MIZUGI MAGIC』のCMで流れていて。

hiroko
CMの収録中はピチピチギャルが大勢いて、ドキドキしちゃいました。私、オッサンなんで(笑)。すごくきれいな映像ですよ。
miyake
僕だけ男なので、肩身が狭かったです(笑)。

カップリングのJUDY AND MARYのカバー「Over Drive」もすごくいい仕上がりで。そして、7月に次のシングルが控えているそうですけど?

hiroko
連続リリースというのをやってみたかったんです。制作期間が長かった分、いい作品ができたので早く聴いてほしいなと。次はユルアゲソングです(笑)。
miyake
かなり夏を感じさせる曲です。夏フェスにも出演するのでライヴでパフォーマンスするのが楽しみですね。
mihimaru GT プロフィール

hirokoこと阿久津博子(vo/作詞)と、miyakeこと三宅光幸(作曲/編曲)からなるユニット、mihimaru GT。ヴォーカリストを目指していたhirokoと、SMAPやBoAなどに楽曲提供していたmiyakeの2人が出会い、POPSもヒップホップも区別なく“普通に”聴いてきた自分たちが、心から楽しめる音楽の確立を目標としユニットを結成。03年にシングル「約束」にてメジャー・デビュー。クラシックの名曲であるラヴェル「ボレロ」をサンプリングし、学校の校内放送で流してもらおうという“下校ソング普及キャンペーン”も話題を呼んだ2ndシングル「帰ろう歌」等のシングル・リリースを重ねた後、06年発表の9thシングル「気分上々↑↑」のスマッシュ・ヒットによりブレイクを果たす。07年発表の12thシングル「かけがえのない詩」は劇場用アニメ『映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険〜7人の魔法使い〜』主題歌に起用され、さらなるファン層拡大に繋がった。
ポップスもヒップホップも分け隔てなく聴くという彼らが生み出すサウンドは“HIP!POP!”とも呼ばれており、ジャンルレスな風通しの良さと、それを裏付ける洗練されたプロダクション・クオリティが人気の秘訣だろう。公式サイト(レーベル)
公式サイト(アーティスト)

OKMusic編集部

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