取材:土内 昇

自然と誰かの背中を押したくなってる

約10カ月ぶりの新作が完成しましたが、どんな作品にしたいと思っていました?

RYO
人間のあるがままの美しかったり、醜かったり…な精神面を映し出したいと思ってました。それによってリアルに元気が出たり、笑えたり、泣けたりするものだと信じてるので。冷たくない、熱のある音を核にして作りましたね。
TAKU
人の弱さをさらけ出せたら、逆に強いなと思っていたので、自分の弱さを出しつつも、その後に少しだけ見える希望を描けたらと思って作ってました。サウンドはよりライヴ感、バンド感を意識しています。

確かに、作品を通してライヴ感を感じました。「泣いて笑って」はライヴの臨場感があったし、「TREASURE」での歌から感じられる感情は半端じゃないし。

TAKU
「泣いて笑って」はライヴで盛り上がれ!と思って最後にテンポをガンガン上げていったり、「TREASURE」はライヴで絶対心引っ掻いてやるんだ!と思って鬼気迫るバンドアレンジを意識したり…と、やっぱライヴですね。

タイトルチューンでもある「Positive Vibration」は、やはり本作のテーマ的な楽曲になるのですか? “言霊を武器に全身全霊”と自分たちのことも歌いつつ、“さあ 立ち上がれ”とメッセージしてますが。

RYO
テーマですね。自分らも疲れたり、悩んだり、ふて腐れたり、いろんなマイナスな感情がごく普通に沸き出てくるから、ヤケになって暴力的になるんじゃなく、強い気持ちを持って、その気持ちを言霊に乗せて戦っていこうと。
TAKU
こんな時代だからイヤなニュースばっかで…実際、自分たちの生活にも影響して、“何に希望を持てば良いのか分からない”って身近な仲間からの話を聞いて、重なる部分があったり。でも、こんなクソッタレな時にこそ、拳を突き上げてポジティブに前に進んで行こうぜ!って。すごく青臭いことを一生懸命訴えたかったからサウンド面にも、アコギのザクザク感とか、エレキの歪みとか、リズムのアグレッシブさが出たのかなと思ってます。

アコギやパーカッションという生楽器がソリッドで、メッセージをさらに尖らせているのも印象的でした。

RYO
TAKUの手にする楽器はアコギで俺はパーカッション。兄弟が歌以外の音でスムーズに感情表現するには欠かせない楽器なんですよ。詩を感情的に書いたのならば、人力で感情のある演奏をしないと釣り合わないと思っているので。

他にも「泣いて笑って」など、ポジティブなメッセージを持った曲が多いのも、ネガティブな時代だからですか?

TAKU
同世代の仲間の話とか聞いてると本当に辛い状況だったり、背負ってるものとかも大きくなってたりで、そんな身近な奴らにまず届けようと思って作ることが多いので、自然と誰かの背中を押したくなってるんだと思います。そうやって、きっと自分の背中も押そうと思ってるんでしょうね。

では、そんな本作の聴きどころは?

RYO
ロック魂とネガティブ魂と女々しさ魂ですね。この3つに蓋をしてしまったらポジティブになんてなれないです。全部吐き尽くせば必ずポジティブに転じる。その答えが本作には詰まってます。
TAKU
問題に直面している人が、ポジティブに考えていくって難しい状況もあると思うんで、考え方ひとつで変われるんだって、そんなことを思ってもらえたらうれしいですね。
FREEASY BEATS プロフィール

RYO(兄)とTAKU(弟)からなる兄弟ヴォーカル・ユニット。レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ビースティー・ボーイズを愛するRYOの陽気なロック魂と、ダニー・ハサウェイ、ドノヴァン・フランケンレイターを愛でるTAKUの心躍らすソウルフルなスタイルの音楽性が融合したFREEASY BEATSは、グルーヴするバンド・サウンドをベースに、ポップなメロディーと心に染みるリリックで、“SOULOCK(SOUL+ROCK)ソウロック”という新しいスタイルを提示している。時には海を眺めながら、時にはドライヴしながら聴きたくなる楽曲達は、力強くもあり、またどこか切なくもある。そして、兄弟にしか出せない心地よく重なり合うハーモニーは都会的というよりも大自然を彷彿させる。

埼玉県川越市で1977年9月にRYOが誕生、年子として1979年3月にTAKUが産まれた。破天荒な父親に、日頃から鉄拳パンチを受けながら元気に育ち、双子のように育てられた兄弟だが、高校生にもなると個性がではじめ、思春期のせいか仲が悪くなり、それぞれが自分の趣味に熱中するようになる。祖父が画家という環境を生かしRYOは絵の才能を伸ばし、部屋の壁を自作の絵で埋め尽くす日々を過ごす。今でもスケジュールの紙を渡すとすぐに落書き用のキャンバスになっている。特に絵に興味を持たなかったTAKUは校則の厳しい高校で3年間スポーツ刈りを維持しながら、R&B/HIP HOPのDJとしてレコードを買い漁る日々を過ごしていた。

しかし、高校卒業後はなぜか、西麻布のクラブ“J-TRIP-BAR”で一緒にバイトをし始める。そこでヒップホップ・イベントを立ち上げ、兄弟として初めて一緒にステージに立つ。後にイベントは、ライバル店の有名イベントを凌ぐ700人もの客を集めるほどに成長した。数年の活動の後、以前から生音の気持ち良さに興味を持っていた兄弟は、コアなブラックのバンドK.G.G.を結成。そして、バンド活動を進めていく中で、「歌うこと」の楽しさを感じ始めた兄弟は次第に「兄弟でのハーモニー」の気持ち良さにどっぷりはまっていった。歌を磨くことで、曲作りの方向も“歌が生きる”形にだんだんと進化・発展していき05年、FREEASY BEATSとして新たなスタートを切った。

現在は、趣味であるサーフィン、ビールを通して、主に横浜サムズアップや海の家など、夏の湘南ビーチで活動を展開。FM横浜や鎌倉FM、さらに藤沢・鎌倉のCDショップをはじめとする地域密着型の応援体制を確立し、順調にセールスを伸ばしている。また、自主企画イベントである『mellow trip』も、アコースティック形式で都内を中心に定期的に開催。カフェと連動して、イスに座り“歌”と“食事”を楽しむことができるメロウな空間となっている。FREEASY BEATSオフィシャルサイト
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OKMusic編集部

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