【CHERRYBLOSSOM】
取材:土内 昇
すごく振り幅が広いものになった
今作がリリースされる前にギタリストがバンドを去るという出来事がありましたが、バンドとしては立ち止まることなく乗り越えたという感じですか?
MEEKO
ギターが抜けたことによって、マイナスには絶対になりたくなかったですからね。リーダーの83のつながりからサポートギタリストが入ったんですけど、チェリブロらしい色を出しつつ、その人の新しい色もいいスパイスになればいいなって感じでした。
MAICO
リーダーも楽しそうだったよね(笑)。もともと仲良しっていうのもあって、よくふたりで夜中にスタジオに入って曲を作ってたし…だから、チェリブロとしての動きは止まらず、逆に新しい人が加わったことで、その人のやり方もあるし、違う発想もあるから、“新たなチェリブロ”みたいな感じですね。
なるほど。では、本作についてうかがいたいのですが、表題曲になっている「星空トライアングル」はどんな曲を作ろうと?
MEEKO
今までの恋愛の曲って自分もそんな気持ちになるけど、実体験ではなかったんですよ。でも、この曲は実体験で書こうと思ったんです。甘い曲で実体験を書くのは嫌なんですけど、「星空トライアングル」の女の子はちょっと引きずってる部分はあるけど潔いし、さわやかに失恋を歌いたかったんで、実体験を入れても重たくならないと思ったんですね。それがCメロのところで…。昔、付き合っていた男の子から手紙をもらったことがあったんですよ。暗い内容だったんですけど、鉛筆で下書きをしたあとがうっすらと残っていて、それを見た時に“何やってんの!”って笑えつつもうれしかったし、私に真剣に向き合ってくれてることも感じられたんです。なんで、そのことを歌詞に入れてみようって。あとは時期的に夏なので、今年も夏の大三角を一緒に観たかったよってことで、このタイトルにしました。
あと、印象的だったのが「SUMMER」なのですが。夏を題材にしたラブソングでありつつ、メッセージソングですよね。
MEEKO
そうですね。ストーリー的には夏に恋している女の子がいて、水平線をゴールラインだと思って走ってるんですよ。でも、現実的に考えると、水平線ってどこまでも続くからゴールは来ないじゃないですか。私、ゴールを決めたら終わりだと思ってるんです。いつまでも夢は追い続けないといけないっていうか。それを歌詞にしたいと思って、ゴールラインを永遠に続く水平線に例えて…。だから、そういうことも言いつつ、夏の恋愛も歌いつつって。
MAICO
その話、めっちゃ良いやん! 歌う前に言ってよ(笑)。
えっ、初めて聞いたの?
MEEKO
自分の中で納得して書いてるだけなんで、そこまでメンバーには話さないですからね。今、思い出したし(笑)。
6曲とはいえ、内容の濃い作品に仕上がってますね。
MAICO
すごく振り幅が広いものになりましたね。
MEEKO
そうだね。今回はヴォーカルも、楽器的にもいろんな表情を出したくて…昔と比べると、特に歌が変わったのが分かると思いますね。曲も大人になった。…でも、「Shout!」みたいな曲もある。歌詞で“大人になってもバカしようぜ!”みたいなことを言ってますしね(笑)。お客さんも“チェリブロはどうなるんだろう?”とか、サポートギターに対しても“ライヴで観たけど、音源はどうなんだろう?”って期待や不安があると思うんですよ。でも、今までとは違うCHERRYBLOSSOMが…って、毎回言ってますけど、それだけ今回も成長してますね。