【Riddim Saunter】
取材:ジャガー
僕らの楽曲作りはフォントと色のイメージを決定することから始まり、その色と形にコードとリズムをあてはめ、そこにハーモニーとちょっとのスパイスを加える感じです。
視覚的要素からイメージを膨らませ、音楽を構築するというRiddim Saunter。『FUJI ROCK FESTIVAL '08』『SUMMER SONIC 09』と2大野外フェスに出演を果たし、想像以上の反響と成果を得た彼らが2年振りとなる3rdフルアルバムをリリースする。世界初の取り組みとして注目を浴びる、CDとジャケットの別売りを始め、Riddim Saunterのメッセージ色の強い本作についてリーダーであるドラムのTAICHI FURUKAWAに訊く。
こうやってCDとジャケットを別々に販売することを決めた一番の理由は、ジャケットという文化を残したかったから。僕たちは、iTunesなどで配信の時代が始まった時点でジャケットとCDは切り離されたと思っています。しかし、ジャケットはjpg(画像データ)じゃ伝わらない。歌詞もデスクトップからじゃ伝わらない。ちゃんと紙というものにインクが乗った状態で、形ある物として、みなさんに届けたかったのです。この取り組みもそうですし、自分の好きな音、伝えたいことを提示できた作品になったと思います。
疾走感ある内容に仕上がった本作。そして、1曲目の「Dedicated To You -Prologue-」のメロディーができた時にアルバムの全体像が決まったという。
ひとつの色のイメージを決めていたので、今回は全てその色に近付けるようにデザインしていきました。なので、色が濁らないようにとても気を使いましたね。
また、ノルウェーで行なわれたレコーディングでは、多くのミュージシャンと出会ったという。そんな中、バンドとしてはどういう刺激を受けたのだろうか?
音楽をやっていると素晴らしい出会いがたくさんあると思いました。その出会いは本当に大切なものです。その素晴らしい方々と話すことによって、自分たちがどうあるべきかが分かってくる気がします。今までは音源とライヴは別ものというイメージで作っていたのですが、今作は音源とライヴを近づけたいと思いながら作りました。音源に関しては、レコーディングの時の僕らの記録です。それをライヴでいろいろな土地で演奏することで曲にたくさんの色が付き、どんどん曲がいきいきしていくのです。1stアルバム『CURRENT』は土曜日、週末の夜がテーマで、2ndアルバム『Think, Lad & Lass』は日曜日、そして今作は日々の日常がテーマなので、皆様の日々の日常にある音楽であれたらいいなと思いますね。