【榎本くるみ】
取材:ジャガー
2ndアルバム『NOTEBOOK II ~冒険ノート中~』以来、久しぶりの作品を発表する榎本くるみ。そのタイトルは“あなたに伝えたい”。シンプルな言葉ではあるが、榎本くるみというアーティストが歌い続ける決意の表れでもあった。
伝えることがなくても時間は残酷にも過ぎてしまう。それでも生きて行けると感じてしまった時、とんでもなく寂しい気持ちになって、無性に何かを伝えたくなりました。
確かに、生きていくだけであれば音楽はなくてもいいのかもしれない。人に何かを伝えるということは、労力もいるし、痛みを伴うこともある。それでも彼女は音楽の素晴らしさを知るひとりとして、自分の中に沸き上がるさまざまな感情を開放し、本作を完成させた。1曲目「あなたに伝えたい」から聴く者に訴えかける渾身の一枚に仕上がっている。
胸が熱くなるような音楽を自分だけでなく、聴いてくれるみなさんとしたくて、そんなことを意識して作りました。21、2歳の時に原形を作っていた曲がほとんどなので、その頃に感じたことを今はどう感じているのかを照らし合わせながらの曲作りでしたね。それが意外と難しくて厳しいことでもあったのですが、音楽を続けてきていろんなことが分かり始めた今だから、そろそろ自分の中にあるイメージをカタチにしたいと思ったんです。歌うことに関しては、とにかく楽しい気持ちで歌いました。
気分を高揚させる「LOVE LOVE LOVE LOVE!!」「フリーダム」「ストロベリー シャンティー」はバンドサウンドを前面に押し出したもので、彼女曰く“胸がカーッと熱くなるようなサウンドにしたかった”とのこと。自身の感情をさらけ出した本作ではあるが、締め括りの「振動」では聴き手にその想いを委ねている。「振動」はどのように誕生したのだろうか。
美しい曲を作りたくて、曲から作り始めました。そこから今回のプロデュースをしてくれた城戸くんと歌詞を一緒に考える中で、ハッピーな歌詞を作ることができました。心で感じていただけるんじゃないでしょうか。どの曲にも思い入れはありますが、体現したかったサウンドそのものだったんで、『振動』には特別な想いがありますね。そこに今歌いたい言葉があって、今の私にピッタリ合っていると思います。
12月17日にShibuya DUO -Music Exchange-でのワンマンライヴが行なわれるが、どのように今作を披露してくれるのか楽しみだ。
私自身、ステージで歌うことを思いっきり楽しみたいですね。
アーティスト