L→R ミヤ(Gu)、逹瑯(Vo)、YUKKE(Ba)、SATOち(Dr)

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【ムック】何をやっても大丈夫って思
いが強くなった

ムックが10カ月振りのシングル「フリージア」を、DANGER CRUE RECORDS発足25周年記念シリーズ第1弾としてリリース! 今回もL'Arc〜en〜Cielのkenがプロデュースを務め、表裏一体で美しさを奏でるような新鮮な感覚のバラードに仕上がっている。
取材:高橋美穂

1カ月のヨーロッパ~南米ツアーから帰られたばかりでの取材ですが、いかがでした?

YUKKE
すごく充実してましたね。海外での長期ツアーも何回かやってるから慣れてきてるんで、今回は時間の余裕がなくてバタバタするってこともあまりなかったんですよね。初めて行った南米ではお客さんが熱狂的で、気候も暑くて、また行きたいと思いました。冬のロシアから始まったツアーだったんで、地球1周して四季を感じてきました(笑)。
逹瑯
1カ月だったんですけど、海外ツアーをもうこれ以上短くすることは無理だなって思いました。あと、土地土地で待っててくれる人がいるから、定期的に行かなきゃって。次のツアーに向けての覚悟が決まったというか。お客さんが少ないところもあったんですけど、そんなの全然関係なかったです。始まってみると、ひとりひとりのパワーがすごいので。
SATOち
俺、海外ツアーに行くとすぐに日本に帰りたいとかなっちゃうんですけど、今回はまったくそうならずに、結果楽しくて。こういうのは今までになかったですね。特に印象的だったのは、初めて行ったメキシコ。熱狂的でしたね。手を引っ張って手にキスしてくるくらいの感じで(笑)。
ミヤ
今までと一番違うところが、日本でツアーをしてからの海外ツアーだったんで、ある程度自分たちでアルバムを昇華した中で回れたんですよね。バンドが固まっている分、お客さんも受け入れやすかったと思います。

で、帰国早々にリリースされるシングル「フリージア」ですが、この曲は春の武道館公演でもやってましたよね。

ミヤ
これは前作シングル「空と糸」を作ってる時に、並行して作っていたんですよ。ただ、アルバム『球体』とはまた別のベクトルで出来上がったので、もうちょっと待とうかと。だから、作って1年以上経ってるんですけど、日本のツアーではやらずに海外のツアーからやり始めたので、新鮮なままでしたね。

聴いて感じたのは、ストリングスと同期が入っていたり、バラードなんだけど乾いていたりして、両極がつながってるなと。

ミヤ
わりと無機質なものを作ろうってところから始まったんですけど、サビの感じとかはすごく自然で。柔らかい雰囲気を持ったものと無機質なものを組み合わせたいなっていうのと、無機質って部分に関してはエフェクトのアプローチだったりが自分的に旬で。で、ムックってこういうバラードはなかったので、やってる本人としても新鮮。まだやってないことがあるんだなって思いましたね。
YUKKE
よく、“「リブラ」(2007年3月発売シングル)と雰囲気が似てますね”って言われるんですけど、ライヴで演奏すると違った感じがしますね。「リブラ」よりも…って、俺が比べてどうするんだって話だけど(笑)、どの曲にもなかった広がり方をするなって。
SATOち
俺もツアーに行く前のインタビューで「リブラ」と似ている曲だと言ってたんですけど、ツアーでやってみて全然違うって思いましたね。表現の仕方が自然にまろやかになるっていうか。Aメロとかに暗い影もあるんですけど、あんまり感情的にならないっていうか。エンディングまで気持ちを溜めてやってる感じでした。音源はライヴで育っていくんだと実感しましたね。
逹瑯
歌詞は曲から受ける印象そのままです。無機質なとこから生っぽいサビって感じで。Aメロの箱庭感というか、そこから抜け出していくっていう。どっちも心象風景なんですけど、客観的な状況説明から気持ちやメッセージに移っていくみたいな。

言葉だけを抜き出すと悲しいフレーズもあるんですけど、歌としては優しく響いてくる楽曲だと思いました。

逹瑯
昔は悲しいだけで終わっていた曲が多かったんですけど、エンディングも長いし、余韻で歌いながらも聴き手が考える時間もあるんで、そこがいい具合に生きてるんでしょうね。歌詞も滲んでいくような終わり方がいいと思ってました。

個人的に印象に残ったのは、“愛を詩えばたった三行で詩い終わる愛でした”の1節で。

逹瑯
自分自身でも、“あのことについて書こう”って思っても意外とすぐ書き終わったりとか、若い頃とか特に多かったんですよね。偽物じゃないんだろうけど、後になってみたらどうなんだろうなってのもたくさんあるし。世の中にもそういうのが増えてると思うし。

あとはさっき逹瑯さんも言ってましたけど、エンディングの長いギターソロがムックの楽曲としては新鮮でした。

ミヤ
kenさんのアイディアで、“最後はギターソロで弾きまくって終わろうよ”って。普段そういうことをしないので戸惑いながらも、スタジオで感情の赴くままに何回かやってみました。ただ、優しく広がっていく楽曲の中に、ギャップで叫びみたいなギターソロがあったら映えるだろうなっていうのはあって。でも、実際ライヴでやると、その日のテンションで変わってきちゃって、今日は終わったって思っても長いとか、逆に終わりたくなくても終わっちゃうとか(笑)、難しいですね、楽しいですけど。決め込みたくはないので。綺麗にはみ出さずに終わっても良かったんですけど、そうじゃねえかなって。ロックバンドだし。

kenさんは他にどんなアドバイスをしてくれました?

逹瑯
歌い方に反映されましたね。今までの録り方ではなかったニュアンスもあったし。細かかったです。例えば、サビの“熱だけ残して”の“し”の母音でちょこっと下がるんですよ。それは仮メロの時にはなかったんですけど、言われてやったら良かったんですよね。

確かに、効いてますね。あとは新鮮さでいうと、通常盤のカップリングの「楽園」もそう感じました。

ミヤ
『球体』を作ってる時って、だんだん『球体』のキャラが強くなってきたんで、やりたかった他のことを避けておいたんですよ。これはその時避けたものです。軽い気持ちでサラっと遊ぶ引き出しっていうか、別に何をやっても大丈夫だなって思いが前より強くなってきて。

逆に、初回盤カップリングの「終止符」はムック節に安心感があって。

ミヤ
「楽園」が別のところからきたものだったとすれば、この曲はツアーで得たもの、『球体』でやり残したものがちょっとあるなって意味で作った曲ですね。

2009年も精力的な1年だったと思うんですけど、これから先、ムックというバンドはスローペースになることはあるんでしょうか?

逹瑯
なんないんじゃないですかね。時間があったらぎゅっと詰め込んでくるので。時間貧乏なんでしょうね。
ミヤ
あとはレーベルも含めて状況が変わって、今までできなかったことができるので、そこが肝ですかね。そういう準備を年末して、来年はリリースもいっぱいしたいです。
「フリージア」2009年11月26日発売DANGER CRUE RECORDS
    • 初回限定スペシャル仕様
    • MSHN-005 1680円
    • 通常盤
    • MSHN-006 1050円
MUCC プロフィール

ムック:1997 年結成。日本人の心のメロディーを大事にしつつ、ロック、メタル、パンク、ダンス、ラップ、ミクスチャー…ありとあらゆるジャンルの音楽を飲み込み、常に新たなサウンドを追求し続け、“MUCC”というひとつの生命体のように、誰にも似つかない音を鳴らし続けている。国内外問わず結成以来、精力的に数多くの箇所、本数のライヴを行なっており、海外でもヨーロッパ・アメリカ・中国・ロシア・南米の計13 か国で公演を約150 本を実施。国内においても日本武道館、幕張メッセ、国立代々木競技場第一体育館などで単独ライヴを開催。また、国内外の大規模フェスにも出演し、大きな反響を得てきた。08 年には北米(34カ所)、ヨーロッパ(18カ所)を回る大型フェスツアー、『ROCKSTAR Taste of Chaos』TOUR にAvenged Sevenfold、ATREYU、Bullet for My Valentine、Story of the Year、As I Lay Dying などとともに参加。日本公演では堂々のヘッドライナーを務めた。世界を股にかけるタフなライヴバンドとして定評もあり、そのパフォーマンスへの評価は高い。MUCC オフィシャルHP

OKMusic編集部

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