【DUFF】バンドだけど、バンドの音に
縛られたくない
“桜ソング”の新たな名曲が登場。切ないメロディーとアッパーなビートが融合する、“ダンスポップミクスチャーバンド”の真骨頂的楽曲の完成秘話に迫る!
取材:道明利友
“ダンスポップミクスチャーバンド”と銘打っているDUFFのスタイルを、皆さん自身はどう捉えていますか? すごく多彩なテイストの楽曲がありますよね。
Masaya
僕的にもNakamuraくんの作ってきた音には毎回驚かされます。制作に入る時に“次はこういう曲を作る”っていう話をすると、“じゃあ、こういう感じの音かな?”って予想を僕もするんですけど、“こう来たか!”って衝撃を受けることが多いです。
じゃあ、この「さくら」のサウンドも?
Masaya
予想できなかったです(笑)。春の曲…特に桜の曲ってたくさんあるじゃないですか。だから予想はいろいろしたんですけど、こういうテクノ系というか、4つ打ち系のサウンドはイメージできなくって。でも、逆にすごいマッチしてるなって思いましたね。“桜”と言えば、やっぱりちょっとしっとりしたイメージがあるじゃないですか。でも、この曲は4つ打ちで疾走感がありながらも歌詞でキュンとこさせるバランスが絶妙だなと。
メロディーとラップとダンスビートをこんなふうに融合させている“桜ソング”はなかなかないでしょうね、しっとり聴かせるバラードが多い中で。
Nakamura
そうですね。初めにメロディーができて、その瞬間に“あっ、きた!”って思って。そのメロディーを活かしてバラードにもできたんですけど、このメロディーを自分的に一番気持ち良く聴けるのは、やっぱりこういうダンサブルなリズムだったんですよ。この曲を作ったのは2年前ぐらいなんですけど、その当時ってバンドなんだけどバンドの音にはあんまり縛られたくなくて。シンセとかいろいろ入れたのも、バンドってどうしてもギターとベースでしか曲に色を付けるものがないし、でもそれだと出せない音もあるじゃないですか。そういうところの幅を広げるという意味でも、バンドっていうスタイルで、あえてダンスビートもやってみたくって。
歌詞は、NakamuraくんとShingoくんの共作ですね。
Shingo
僕の実体験的なものを基にして作った物語なんですけど。ずっと付き合ってた彼女と公園で会うことがすごく多くて、そこにあった桜がこの曲のモデルなんです。僕の場合はバンドだったんですけど、夢のために本当はお互い離れたくないんだけど離れなきゃいけない時期ってあるじゃないですか。それが人によっては3月~4月に進学であったり留学するとか、いろんな目的に向かうためっていうのもあると思うんですけど。そういうことを基にした、切ないラブソングっていうんですかね。
切ない別れのシーンでもあり、夢を追うための前向きな心情を描いているシーンでもあって。他にも、卒業シーズンにもあてはめられたりするでしょうね。
Shingo
そうですね。別れるのは寂しいけど別れを切り出す彼女…みたいな。陰では泣いてるんだけど、本人の前では“頑張れ!”って背中を押してくれるとか。
Nakamura
だからこの曲は、もちろんリスナーの方に向けてはいるんですけど、結局は自分に向けてる歌で。僕らの曲はどれもそうだと思うんですけど、聴き手に向けてるようで、実は自分がそれを一番噛み締めながら感じてるっていう。そうやって歌ってる僕らの気持ちが聴いてくれる人にも伝わるんじゃないかと。僕も卒業とかはもちろん経験してるから、別れの寂しさはすごく分かるし。そういう意味で、誰の心にもひとつはヒットするものがあるんじゃないかなと思うんです。
アーティスト