【YUKI】“男性目線”で描かれたラブ
ストーリー

アルバム『うれしくって抱きあうよ』のリリース、オーチャード・ホールでのコンサート、そして、ソロ史上最大規模の全国ツアーと、YUKIの2010年はとてもアクティブ。そんな充実した日々の中からニューシングル「2人のストーリー」が生まれた。
取材:松浦靖恵

3年半振りのオリジナルアルバム『うれしくって抱きあうよ』からどんな思いを経て、YUKIさんは今回のシングルを制作したのですか?

『2人のストーリー』は『うれしくって抱きあうよ』と同時期くらいに作っていたんですけど、すごく気に入っていたし、ちゃんとみなさんの元に届けたいという思いが強かった曲だったんです。今、私は“私が今なにをやりたいのか”を、どれだけみなさんに届けられるかという思いを一番大切にしているので、この曲をシングルで出すという構想も早い段階から浮かんでいました。シングルって今の思いを時差なく届けられるんです。シングルにはシングルにしかできない役割りがちゃんとあるんですよね。

「2人のストーリー」は、懐かしい雰囲気を持った曲ですね。

『2人のストーリー』は“私の中の昭和”なんです。平成も22年になってくると、昭和が遥か昔のことになりつつあるでしょ? でも、私が子供の頃に聴いていた昭和の音楽は、今の私を作ってくれた土台になっているんです。当時、子供の私にとっては大人っぽい歌詞も、あれこれ自分勝手に想像しながら歌っていたんですね。それこそ、想像していた分だけ私にとって大切な歌になっていて。今、私はそういう歌を歌いたいという思いがあるんです。

YUKIさんの歌を聴いた人たちが、あれこれ想像することで、聴き手にとって身近にある大切な歌になっていく歌になる。

そうなんです! そういうつながりのある歌、大切にしたい歌を私は歌いたいし、それが今、私が聴きたい歌なんです。私は音楽が持つ力を信じているし、だからこそ音楽でみんなを離さない感じ、掴んでいる感じを、今すごく追求していますね。

例えば、「2人のストーリー」を聴いた時に、私も“なんで、ローソンなんだろう“って思ったんですよ(笑)。

他にもたくさんコンビニはあるのに、“なんでローソンなの?”と思いますよね? 私はそういう感じのことがやりたいんです。でも、私自身もなぜかローソンだったんですけど(苦笑)。この歌を聴いた人が、この歌の中にいる2人の物語にたくさんの想像を膨らませたり、あと、"なんだかよく分からないんだけど、この曲、好きだなぁ"って、大切にしてもらえたらとても嬉しいです。

2曲目「あの娘になりたい」は、不思議な歌詞ですね。

歌詞の中の女性の話はあちこち飛んでいるし、妄想のようにも現実のようにも思えるでしょ? 『あの娘になりたい』は、アナログアルバムに入っているちょっとした曲というイメージです。アナログアルバムのB面にある感じ?(笑)

アナログアルバムっていうところも、YUKIさんの“私の中の昭和“なんですよね。

しかも、A面じゃなくてB面の曲という感じがいいでしょ?

ところで、《酷い風邪をひいた~》のあとに、妙にリアルな“咳”が聞こえるんですけど。

実はあれ、私が本当に風邪をひいて絶不調の時に録っていた咳なので、本物の咳なんですよ。体調が戻った時に咳を録り直してみたんですけど、やっぱり本物の咳には勝てなかったですね(笑)

3曲目には配信限定でリリースした「朝が来る~Tune in to a new world~」が収録されていますね。

原曲(アルバム『うれしくって抱きあうよ』1曲目に収録)は、攻撃的なアレンジでしたけど、このバージョンは穏やかに朝食を囲んでいるような柔らかなアレンジにしました。同じ曲なのにアレンジが違うだけで、見える景色が変わるんですよね。原曲と聴き比べてみると、その変化がとても面白いと思います。
YUKI プロフィール

JUDY AND MARY解散後も、倉持陽一(YO-KING)との結婚、Charaやちわきまゆみとのガールズ・バンドMean Machineの活動などなど、話題を振り撒いてきたYUKI。そんな彼女が、シーガル・スクリーミング・キス・ハー・キス・ハーの日暮愛葉による全面プロデュース・シングル「the end of shite」で02年にソロ・デビュー。
枯れた音質の中に淫靡な艶かしさを育むガレージ・サウンドとYUKIの新境地、低音ヴォイスが絶妙に絡み合う。また、愛葉によるエロティックな女の直情を吐露した歌詞がYUKIの口から発せられる瞬間、熟した果実をほおばるごとき欲情をそそられ昇天必至。そして、同年3月、待望の1stアルバム『Prismic』を発表。愛葉だけでなく、ミト(クラムボン)、ズボンズ、スピッツ、ラッセル・シミンズ(ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン)など豪華ゲスト陣を迎え、YUKIの煌びやかなアーティスト性が一気に開花した好盤となった。
03年3月には早くも2ndアルバム『Commune』をリリース。プロデューサーの會田茂一(FOE)らしい、ざっくりとしたギター・サウンドを軸に、変化に富んだサウンドが展開され、YUKIも気持ちよさそうに歌っている。05年には3rdアルバム『joy』をリリース、より音楽を楽しむことを追求したこの作品は、チャート首位を獲得するなど大ヒットを記録している。オフィシャルHP

OKMusic編集部

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