L→R SHOJI(Ba)、TATSU(MC&Vo&Gu)、HIDEO(Dr)、TWENTY“20”(MC&Vo)

L→R SHOJI(Ba)、TATSU(MC&Vo&Gu)、HIDEO(Dr)、TWENTY“20”(MC&Vo)

【ASIAN2】“上手い”よりも“アツい
”感じでやりたい

同郷のサッカークラブ・松本山雅FC サポーターズソングとして話題の「wanna be a super star」収録の3rdアルバムが完成! 最高に爽快なグルーブと、日本人へ贈るシリアスなメッセージが生まれた背景を、TATSU(MC&Vo&Gu)とTwenty“20”(MC&Vo)のMCチームに語ってもらった。
取材:道明利友

ものすごく気持ち良く聴かせていただきました! アルバム全体を通して、もう本当にグルーヴィーで。

TATSU
2ndアルバムで結構細かいことをやったんで、今回の3rdアルバムは爽快感とかを意識して作りましたね。簡単なフレーズとかコードワークも、なるべく簡単なものにしたりとか、そういうのを意識してるアルバムじゃないかな。それによって、聴いてる方がスカッとするようなものにっていうのは意識してたかもしれないですね、前作に比べたら。だから、今おっしゃっていただいたような気持ち良さが出たんじゃないかなって。
Twenty“20”
うん。半分ぐらいの楽曲はもうライヴでもプレイしてますし、そういう意味じゃ、今のウチらはこういうことをやっているバンドですっていうのが、自然に出てるんじゃないかなとは思います。

その、前作の『VERONICA』と今作のサウンド面の違いを、具体的にはどんなところに感じますか?

TATSU
『VERONICA』は、アレンジ面でもいろいろ挑戦したことが多かったから。例えば、生音と同期音をつなぐ音作りだとか。その反面、そういうやりかたばっかりやってると、音作りがミニマムになってきて…。音楽をやってる同業の人たちは“おっ!”って感じてくれても、逆にバカっぽくはならないというか(笑)。聴いた時の印象がね。だから、今回はチューニングがズレてる曲とかも平気であるんですよ(笑)。

(笑)。チューニングがズレてる曲、誌面で伝えてもよろしければぜひ教えていただきたいんですが。

TATSU
(笑)。「don’t turn off the radio」。チューニングがズレても全然オッケー! …みたいな曲があったりして。それは、良い意味で“いい加減”というか、すごいフランクに作ってるんですよね。『VERONICA』までは“ウデ、見したるぜ!”みたいな感覚でやっているんですけど、そういう感覚で曲を作ってくと、例えばダンスチューンとか楽しい歌詞を書くような曲も少なくなってくるし。だって、今回は1曲目から伸びやかでしょ?

そうですね! 「highway」は、もう本当にその名の通りですけど、広いハイウェイを走っていく車の中で流れてるようなイメージが沸きます。気持ち良いですよね。

TATSU
うん。これ作ってた時、何聴いてたんだっけ…。
Twenty“20”
あぁーっ…フージーズ?
TATSU
あっ、そうだ。フージーズがやったボブ・マーリィの「ノー・ウーマン・ノー・クライ」を聴いてて、こういうのいいなと思って。なんか、すげぇ温かくて。こういう曲ってコードワーク、フレーズだけ取ったらわりと簡単なものでやってるんだけど、それにアルペジオとかを混ぜて温かい雰囲気を出してると思う。それを俺らがやったらなんかすごい不思議な感じになるんじゃないかって。フージーズとは全然違うことをやってるんだけど、こういうアプローチは面白いんじゃないかなって思ったんですよね。ギターとか、やってることは実は複雑なんだけど、普通の人が聴くとただの良い曲に感じるみたいな。ただ普通にね、シンプルなコードでフレーズでってやるだけじゃなくて、自分の中でしっかり落としどころがないと面白くないし。

シンプルなものだからこそ、ただやるだけじゃ本当に普通の曲になっちゃいそうですもんね。シンプルな分、それをどう1曲に組み上げていくかは相当神経を使いそう。

TATSU
そうですね。良い意味でもっと軽く、楽にやる、みたいな意識はあったけど、結果的には全然楽じゃなかった(笑)。でも、まぁ“上手い”とかよりも、“アツい”とか、そういう感じでやりたいんですよね、今は。“アツいからこれやろうよ!”“気持ち良いからこれやろうよ!”みたいな、子供のような感覚っていうかね(笑)。

そのサウンドの気持ち良さと、歌詞のシリアスさのコントラストもすごく印象的でした。「iKILL」みたいなダンサブルな曲が、歌詞は日本も経験した戦争のことを歌っているっていう…。日本人ならこれを聴いて何かを感じないはずはないと思うので、この曲はどんな気持ちから生まれたのかうかがいたいです。

Twenty“20”
こういうメッセージを歌った曲は、今までもいくつもあったんですけど…自分の中ではなんか伝えきれてないっていうか、大事なことを伝えてないような気がしてて。これはアメリカからの目線じゃなくて日本人の目線で描いているんですけど、読む人が読んでくれればちゃんと分かると思うんですよね。決してアメリカ人に向けて書いてるわけじゃなくて、日本人に向けて書いているっていうことが。で、こういうことを歌うと、ともすればネガティブな方向のエネルギーに向かっちゃうじゃないですか、伝えかたを間違えると。でも、ビートも4つ打ちだし、すごくエネルギッシュな曲にバンドが仕上げてくれたんで、聴感上は楽しめて、歌詞を読むと“なるほどね…”みたいなものになってると思うんですけどね。

メッセージを伝えることと、あくまでも“音楽”であるっていうことの両立というか。音楽としてまずは楽しめるっていう前提がないと、それこそ“音楽”として成立しない気がしますしね。

Twenty“20”
そうですね。日本人は日本のことが嫌いっていう、根本的な部分。というところにフォーカスして書いたんですけどね、この曲は。この曲で書いてるようなことから変えていかないと、今のこの歪んだ風潮みたいなのは矯正できないんじゃないかなって。入口はエンターテインメントとして、“気持ち良い!”って聴いてもらえれば全然オッケーだし。それと同時に、僕らはこういう曲を正しいと思って書いているっていうのは、一貫して変わっていない部分だと思ってます。
ASIAN2 プロフィール

エイジアン ツー:信州松本発オリジナルリアルロックサウンドバンド。1枚のミニアルバムと3枚のマキシシングルの発売を経て、06年5月にavexよりメジャーデビューシングル「ASIAN VIBRATION」をリリース。08年3月、2ndアルバム『VERONICA』をリリースし、10年3月、兼ねてより交流のあったJFL MATSUMOTO YAMAGAのサポーターズソング「wanna be a super star」を楽曲提供する。同年9月、「wanna be a super star」のCDとASIAN2&MATSUMOTO YAMAGA F.C.のダブルネーミングタオルとをセットにし発売。オリコンデイリー11位をマークした。ASIAN2 Official Website
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