L→R 招鬼(Gu&Cho)、瞬火(Vo&Ba)、黒猫(Vo)、狩姦(Gu)

L→R 招鬼(Gu&Cho)、瞬火(Vo&Ba)、黒猫(Vo)、狩姦(Gu)

【陰陽座】シングル盤として目いっぱ

楽しんでいただける作品

パチンコ『CR戦国乱舞~紺碧の双刃~』の主題歌としてリリースされる新曲「紺碧の双刃」は、同じくパチンコ『CR戦国乱舞~蒼き独眼~』の主題歌だった「蒼き独眼」の続編。前作同様に同機に描かれているストーリーを歌詞とメロディー、サウンドでもって表現したナンバーである。そんな「紺碧の双刃」を収める新作について瞬火(Ba&Vo)と黒猫(Vo)に語ってもらった。
取材:石田博嗣

「紺碧の双刃」は「蒼き独眼」の続編なわけですが、やはりパチンコ在りきの楽曲なのですか?

瞬火
オファーを受けて書き下ろした曲ですね。こちらで主題歌のタイトルとして付けたものが、逆にパチンコのサブタイトルに採用されたかたちになっています。今作は前作で倒したはずの豊臣秀吉が生きていて、時代は関ヶ原の戦いの頃で、石田三成の側に生きていた秀吉が付いて、対する徳川家康の側に伊達政宗が付く…という架空の物語になってるんですね。さらに、家康と手を組むとはいっても、友情とか信頼で結ばれているわけではないという。ちょっと複雑なストーリーというか、心理的な設定があったので、そういう要素を歌詞と楽曲に盛り込みました。

「蒼き独眼」が攻めの曲だとしたら、「紺碧の双刃」は勇ましい曲のように感じました。

瞬火
「蒼き独眼」もパチンコのストーリーに合致しているのですが…前作は“奥州仕置き”で攻め込まない約束をしていた豊臣秀吉が攻めてきたので抗わざるを得ないっていうことで、戦いの気持ちの曲だったんですね。それに対して今作のストーリーは、その秀吉が生きていて、関ヶ原の戦いにも絡んできて、家康と手を組むことで自分だけの戦いではなくなる。歴史通りだと、その後に徳川家康が江戸幕府を成すんですけど、何かを成すために戦争というものをしているわけなんですよ。そこに払う犠牲を正義のためだから仕方ないと割り切れるかって言ったら、そうではないわけで。だとすると、躍起になって戦いに身を投じている男どもの行為って何なんだっていう。そう考えると虚しくさえなる状況を、正当化も否定もしないで、はるか上空から俯瞰的に見ている意識…それを合戦をイメージさせる激しいパートとのコントラストで聴かせたのが「紺碧の双刃」なんです。だから、サビの開けた感じとBメロの激しい感じのどっちにインパクトを感じるかによって、ふわっとした開けた曲に思うか、激しい曲と思うかなのですが、“勇ましい”と感じていただけたのだとしたら、嫌でも耳に入ってくるはずのサビの印象に加えてコントラストの勇ましい部分もしっかり感じていただけているということですので、まさにもっけの幸いです(笑)。

では、黒猫さんの原曲を聴いた時の印象は?

黒猫
私のパートというのは、さっき瞬火が言った、上空から俯瞰で見ている第三者的な意識なんですね。こういう戦いって時代が変わる度に繰り返されてきたものなので、人間というのはそういうものなんだっていう達観した感じと、馬鹿げた争いを繰り返していることへの哀れみの気持ちという両面からの視点。Aメロはナレーション的な状況説明なんですけど、意志のようなものが含まれてくるサビでは感情が入るっていう、ただ淡々としたストーリーテラーとしての役割だけじゃなくて、慈しみも感じる歌になったと思うんですけど、最初にデモでメロディーを聴いた時にそのイメージは感じていました。

歌だけでなく、ギターも大きな役割を担っていますよね。“双刃”ということで2本のギターが相対的に絡み合い、迫ってくるというか。

瞬火
お目が高い!(笑) あのギターは戦いに向かう荒々しい意志を表していて、主義主張が一緒ではない家康と政宗が行きがかり上、手を組んで同じ敵に立ち向かわざるを得ないという状況の中で、ある一方は何かを企んでいるかもしれないし、もう一方もそれを分かっているかもしれない、そういう関係でありながらも同じ敵に立ち向かっているというところがギターソロで表現できていると思います。あと、パチンコの主題歌なので、大当たりが来た時にイントロから流れるわけだから、打っている方の“当たった!”っていう気持ちの盛り上がりも補完しないといけないので、そういうところでもツインギターの威力を遺憾なく使ってますね。

そして、カップリングにはライヴバージョンが5曲も入っているという。

瞬火
もともと陰陽座のファンだったという方は自分の好きな曲のライヴバージョンが入っていたらうれしいでしょうし、パチンコを打っていたら曲が気に入ったのでたまたまCDを買ってみたっていう方にも、1曲気に入ってくれたのなら他の曲も気になるだろうから、ライヴバージョンとはいえいっぱい曲が入っていたほうが…しかも、「蒼き独眼」のライヴバージョンも入っているので、“前作の主題歌はこれだったのか”って分かるという。結果的に、シングルとは呼べないトラックス数になっているのですが(笑)。この曲数で、この内容で、お値段も据置きなので、とても費用対効果が高い!と思います。

すごいボリュームですからね(笑)。もちろん内容的にも。

瞬火
『CR戦国乱舞~紺碧の双刃~』の主題歌として、これ以上ないと思えるものを表題曲として収めつつ、陰陽座とはどういうバンドなのかをイントロデュースしながら、シングル盤として目いっぱい楽しんでいただける作品ができたなって思いますね。前作のアルバムから来るべき次のアルバムまでの間という意味では、このシングルだけが新作として出るわけなのですが、その間を十分に凌げるだけの内容になっていると思います。
黒猫
前作の「蒼き独眼」の時に“パチンコで聴いて気に入ったのでライヴに行きます!”とか“ライヴに行きました!”っていうパチンコがきっかけで陰陽座を聴き始めたっていう方がたくさんいらっしゃって、すごくうれしかったんですね。「紺碧の双刃」だけじゃなくて、ライヴバージョンもいっぱい入って、すごく躍動感のある作品になっているので、今作でも新たに陰陽座に興味を持ってくれて、ライヴに足を運んでくれる人がいればうれしいなっていう期待がありますね。
陰陽座 プロフィール

オンミョウザ:1999年、大阪にて結成。“妖怪ヘヴィメタル”という惹句を掲げ、人間のあらゆる感情を映す“妖怪”を題材とし、道なき道を切り開く信念を“ヘヴィメタル”の名の下に貫く。正統的ヘヴィメタルを音楽性の基盤としながらも、男女ツインヴォーカルとツインリードギターによる変幻自在な表現により、日本文化に徹底的に拘った唯一無二の世界観を結成時から現在まで淀みなく展開。自主製作で2 枚のアルバムを発表した後、 2001年にシングル「月に叢雲花に風」でメジャーデビュー。以降、精力的な音源制作はもちろん、すでに全都道府県を2 周しているという事実が物語るように、生粋のライヴバンドとしても歩を緩めることなく邁進中。安易な“変化”よりも“進化”と“深化”を信条とし、“上”ではなく“前”に向かって着実に歩み続けることを最大の理念として実行する、極めて希有なバンドである。陰陽座 オフィシャルHP

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

新着