【BACK-ON】今回は悩むことをやめた
。“衝動”を大事に!
前作『YES!!!』から経た約2年以上のインターバルは、BACK-ONをさらにタフなバンドに成長させた。“Hello World”という名の通り、理屈抜きの興奮を掻き立てる今の彼らのサウンドは、まさに世界基準の威力!
取材:道明利友
フルアルバムは約2年以上振りですから、感慨もひとしおじゃないですか? まずは、アルバム完成の率直な感想を!
GORI
出来上がって、ものすごいうれしいですね! とにかく自信があるというか、自分自身すごく納得できるアルバムになったので…。だから逆に、次のアルバムのことをもう考えてます(笑)。
(笑)。まだリリースもされてないのに早くも?
GORI
はい(笑)。“これだけのものが作れたんだ”っていうことを今回経て、早く次の曲を作りたい、どんどん新しい曲を録っていって次へ進んでいきたいっていう思いが強いですね。
ICCHAN
自信のあるものができたっていうのはもちろんなんですけど、あと、なんか…“スタート”にやっと立てたっていうか。自信を持って自分を残せたアルバムができたんで。またここから“面白いことをしようよ!”みたいな、いろんな可能性が広がったなって感じるアルバムですね。
SHU
そう。今回はいろんな曲が確かにありますけど、それはある意味、パッと聴きが良いものを選んだっていう感じだったんですよ。デモを作ってた時は。食べ物とかと同じで、パッと口に入れた時に“あっ、美味い!”“あっ、不味い!”みたいなノリに近いというか(笑)。
GORI
そうそう。“直感”ですね、どっちかっていうと。今回に関しては、悩むことをやめました。“衝動”を大事にしようっていうのがみんなの中にまずあったんで、たくさん作った候補曲の中で、“これ、いいよね!”っていう感覚を大事にして選んだものを基にして作り上げていった曲たちなんで。
可能性がさらに広がった感じはすごくありますよね。幅広いテイストがありつつ、でも、どの曲もBACK-ONらしいカラーが出ていて統一感も感じるというか。
TEEDA
自分らのカラーっていうことだと、1、2曲目がすごく好きで(「Beginning」「ROCKSTAR ANTHEM」)。このへんの曲は、ロックバンドがやってるラップもカッコ良いんだぞっていうのが全面に出せたんじゃないかなと思ってて。“ロックでのラッパーってこうだぜ!”みたいな、このへん(胸のあたりを指差して)がザワザワする感じというか…。これを聴いたキッズたちが、“これ歌えたらモテっかも! カッコ良いかも!”って思うようなものにできたかなと(笑)。
KENJI03
(笑)。絶対クるね。自分がキッズの時にこれ聴いたら。俺だったらキッズだった時に、例えばオフスプリングを初めて聴いて“何これ!? カッコ良い!”ってなったみたいに、これを聴いて今のキッズが同じようになってくれたらすごい嬉しい。今回は、自分たちがカッコ良いって心底思える作品を作り上げるためにディテールにすごくこだわって、いちリスナーとして聴いても純粋にカッコ良いって思えるアルバムができたと思います。
確かに、アグレッシブなバンドサウンドの中でも、今回は鋭いラップがすごく存在感を放ってますね。
TEEDA
言葉の面でも今回はかなり強い表現をしてるんですけど、それが今の自分にとって必要な表現なら全部吐き出してるし。雰囲気的なところでも、なんか、ちょいワルみたいな(笑)。今って、ロックバンドがやってるラップってやさしい感じのものも多いですけど、ラップってやっぱりちょっとワルいというか、タフというか…。そういうスタイルが、こういうロックバンドらしい音の中でカッコ良く見えればいいなっていうのが今回はあったんですよね。それと、よくあるミクスチャー系なラップではなく、本格的なヒップホップのフロウっぽい雰囲気を意識することでセクシーさを出してたりするのも、僕は面白いと思ってるんです。
というタフで、セクシーなラップがあり、衝動的なロックサウンドが全編で展開している中にminiさんをフィーチャリングした「ONE STEP!」みたいな超エレクトロな曲が普通に混在している、ジャンルレスな感覚もBACK-ONらしくて。
KENJI03
そうですね。それは、もともとの気質っていうか。リスナーだった時代からいろんな音楽を聴いて吸収してたんで、そういうのが今の音につながってきたんじゃないかっていう。ロックも好きだしヒップホップも好きだし、その延長線上でこういう音楽性をかたちにしたみたいな流れじゃないですかね。
SHU
エレクトロとかも普通に好きだもんね。僕はペンデュラムみたいなドラムンベースとかすごい好きだし。
KENJI03
僕とTEEDAは、今はBIGBANG好きだし(笑)。
TEEDA
あっ、そう! カラオケで歌いますから(笑)。普通に聴きやすくて、ノリやすくて、盛り上がるし。“音楽ってそういうことじゃない?”っていう気持ちの部分で、僕は純粋にそういう音楽からも感じるものはたくさんありますね。だから、別にヒップホップをやっててもロックをやってても、そういう衝動が入ってるガツガツした音楽をやってれば、“細かいことなんてどうでもいいわ!”って。純粋に“カッコ良ければいい!”って感じてもらえる音楽になればいいなと思います、このアルバムも。
アルバムリリースの後は、3月からツアーもスタートします。“ライヴ感”は音源にも封じ込めたいっていう話は、前のインタビューでもしてくれてましたよね。
ICCHAN
そうですね。ライヴ、楽しみです! このアルバムの曲自体、ライヴもすごくイメージしやすい作品だと思うし。
GORI
とにかくライヴを見てもらえれば、今の俺たちは分かってもらえると思います。今はみんな、ライヴではその時の気持ちというか、テンション感を大事にするようになりましたね。どうすれば自分たちをカッコ良く見せられるのか、他に負けないライヴが観せられるのかっていうモチベーションは、今はどんどんどんどん高まってる気がします。
アーティスト