【ふくろうず】前向きなアルバムにし
ようと思っていた
インディーズで2枚のアルバムをリリースしてきたふくろうずが、3rdアルバム『砂漠の流刑地』でメジャーデビューを果たす。浮遊感とエッジを兼ね備えたサウンドは癖になる味わい！ 紅一点、内田万里（Vo&Key）に話を訊いた。
取材：高橋美穂
インパクトがあるアルバムタイトルですよね。
今までアルバムのタイトルは全て曲名からだったんで、そうしようとは思っていて。曲名は砂漠を歌うのは決まっていて、“流刑地”を付けたのは思い付きです。
砂漠を歌うのは、何で決まっていたのですか？
砂漠って言いたかったんだと思います（笑）
（笑）。感覚なんですかね。楽曲の作り方自体、そういうところがあるのですか？
曲と歌詞を同時に作るのと、楽器を使って曲を作らないので、そういう意味では頭のイメージから起こしていくんだと思います。なので、どちらかというと映像が見えるような曲になっているのかなと。
楽器を使わないというと？
歩いている時とかの思い付きですね。曲を作ろうと思って作ると、あまりいい曲が作れないほうなんで。曲にもよるんですけど、基本的にはそういう作り方をしています。
メンバーにはどうやって伝えるのですか？
練習のスタジオで、口頭で。あと、コードで言ったり。
コミュニケーションしながら、というか。
あんまりみんな話すほうじゃないので、特にやり取りはないかもしれないですね（笑）
じゃあ、音で会話するという感じでしょうか？
そうですね。世間話とかは一切しないので、だいぶ静かなほうかと思います（笑）
（笑）。楽曲は全て内田さんが手掛けてらっしゃいますよね。バンドそのものも内田さんが引っ張っていってる感じでしょうか？
そう思います。メンバーがあんまり喋らないのが大変ですね。何を考えているのか分からないので。
お会いすると内田さんも物静かな印象がありますけど。
いや、ただ単に人見知りなだけで、本当は喋るし、お酒とかも飲むんですよ。
ライヴではどうですか？
MCはやっていないですね。何を喋るか考えるのは面倒くさいんで（笑）
ということは、ライヴそのものも…。
嫌いです。でも、今年は頑張ろうと思います。苦手って言っていられないですから（笑）
となると、根本的に音楽をやっている理由は？
他に向いていることがないんです（笑）。自分がバンドを組みたかったんじゃなく、誘われて参加したので、まったく自発的じゃなかったんですよ。曲も、たまたま他に作れる人がいなかったっていう。ただ、曲を作るのは向いているほうだとは思います。
仕事的な意識が強いのですね。
そうですね。音楽が誰よりも好きっていう感じじゃないので、音楽を仕事として捉えていますね。できれば音楽で生活したいんで、売れたらいいなと思います。
では、今回のアルバムを作る上で、何かコンセプトはあったのでしょうか?
前向きなアルバムにしようとは思っていました。前向きな人のほうが好きだからですね。たぶん、聴いて前向きになる人はいないと思うんですけど、作り手としては前向きに作りました。
今までのアルバムの中でも、特に前向きですか？
私個人の話であれば、一番前向きに歌詞とかを書いたと思います。歳を取ったからじゃないですかね（笑）。今までも明るいは明るかったんですけど、今回はいわゆる中2病みたいな感じじゃなく、歌詞を書こうと思いました。
じゃあ、内田さんご自身は前向きな性格ですか？
普通かな。後ろ向きではないと思います（笑）
メジャーデビュー盤っていうことは意識しました？
んー、自分的にはいろいろ考えていた気がするんですけど、聴いてみたら、特にメジャーを意識したアルバムでもないなって思いました。でも、キャッチーな曲を書いたほうがいいんじゃないかなって思っていた気はします。
コスチュームからしてがらっと変わりましたよね。
これは、ただ着たかったから（笑）。一枚一枚同じようなことをやっていてもしょうがないので、やるからには新しいことをやろうと思って。
レコーディングはスムーズでした？
そうでもないですね。2カ月くらい掛かっているんで。
曲順とかも含めた流れは考えました？
アルバムとして、最初から最後まで聴ければいいなと思っていました。
物語とか、意味とか、いろいろ想像が膨らむような音楽だと思いました。
自分たちは特に何も考えていないですが、受け取る人がいろいろ想像する分にはいいと思います。
歌詞には、特徴的な言葉が多いですよね？
思い付きなんでどうですかね？ 70年代や80年代のマンガが好きなんで、その影響はあるかもしれません。
内田さんご自身は想像力はあるほうですか？
私には想像力はないほうだと思いますけど（笑）、曲を聴いて想像力のある人間だと勘違いしてくれれば嬉しいと思います。
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