【Sunya】男女の心のジレンマを歌う
失恋ソングです
シンガーソングライターSunyaの新曲「To You... もう一度 feat.AZU」は、AZUに楽曲提供した「To You...」へのアンサーソング。別れたあとの複雑な気持ち、切ない思いを、AZUとともに感情を込めて歌った楽曲だ。
取材:土屋恵介
新曲の「To You... もう一度 feat.AZU」は、AZUさんに提供した「To You...」のデュエットアンサーソングですね。
もとの『To You...』は、失恋した女の子の後悔や切ない気持ちをAZUちゃんが歌った曲で、俺自身も思い入れのある曲なんですよ。最初は自分で歌うつもりで作ったものを、AZUちゃんが気に入って“歌いたい”と言ってくれて。そのアンサーソングを作りたくて、高校生から同じ世代、そして少し上の世代まで届けたいなって思って制作を始めたんです。その中で、やっぱり歌ってた本人が参加してくれるのがきれいだなって、AZUちゃんに“一緒に曲を育ててくれませんか?”って言ったら快く引き受けてくれたんです。
AZUさんとはいつからつながりがあるのですか。
僕が16歳くらいの時から知ってるんです。AZUちゃんは名古屋で活動してて、大阪にイベントに来る時にライヴで一緒になったりしてたんです。
じゃあ、今回の曲作りはスムーズにできたのでは?
そうなんです。人と曲を一緒に作るのも、デュエットでやるのも初体験だったけど、すごく楽しくできました。AZUちゃんが歌うところは、自分で歌詞を書いてきてくれたんです。僕は今まで、自分の目線で書くってやり方でやってきたけど、こんな書き方があるんだって新鮮でした。歌詞の内容もお互いに高め合って作れたので、曲がパワーアップしましたね。
歌詞は、別れた男女だけど同じところを見てる、複雑な気持ちがすごく出てますね。
歌詞を書く時、友だちに失恋した時の気持ちを聞きまくりました(笑)。あと、今回は女の子に多く話を聞いたんです。女子高生にも話を聞きましたよ。そしたら、僕もそうなんですけど、昼間はみんな仕事や学校があるけど、夜になると失恋のことを思い出すって人が多かったんですね。この曲は、友だちから広げてくと、人数的には万単位くらいに話を聞いたことになるので(笑)、勝手に“10万人以上に聴いたラブソング”って言ってるんです。でも、それくらいの共感性はあると思います。
AZUさんとは、どんなイメージで歌ったのですか?
この曲は、夢のためにお互い前向きな別れをしたのに、会いたいけど、ここで会ってしまったら…っていう主人公の男女の心のジレンマを歌にしたんです。歌の掛け合いもそれを表してますね。僕が歌でこだわったのは、今までは“好きで好きで”って感じの歌い方だったけど、初のコラボで女性とだし、男らしい感じを出したくて、クールにさばさばした感じで歌いましたね。
歌が大人っぽいのは、そういう想いがあったのですね。
ハイ。あと、今回はいろんな変化を見せたくて。アーティスト写真もダイエットして撮影したんです(笑)
おお、ビジュアルも含めてこだわったと(笑)。
そうです。それと、歌に対する志も変わってきましたね。これまでの自分だけの世界だけじゃなく、よりいろんな人の話を取り入れて視野を広げたり。それは、より多くの人に曲を伝えたいって気持ちが強まったからですね。
音楽への向き合い方が次のステップに進んだと。では、歌詞で特に気に入ってるフレーズは?
まず《同じ空、一番星 あなたも見ていますか…》は、別れたふたりが共通した思いを持ってるってことを表してるんです。お互いが“あの人もこの星、見てるかな?”ってシーンを作れたと思うので気に入ってますね。あと『To You...』にも入ってる《まぶたの裏には誰を映すの…》ってとこ。恋人、友だち、両親でも、寝てる人の寝顔って愛おしいじゃないですか。夢を見てるまぶたの裏にどんな映像が浮かんでるんだろうって思ったのをきっかけに歌詞にしたんです。そういう使い方をしてる人も他にいないですよね。なので、そのふたつが気に入ってます。
サウンド面では、ストリングスが効果的に活かされてます。そして、切ない内容だけど、メロディーに明るさがありますよね。
そうなんです。あと、今回初めての4つ打ちのアップテンポなんですけど、そう聴こえないんですよね。でも、それはちゃんと歌詞が伝えられたらいいなって思った通りのことなんです。
つまり、歌が際立つアレンジが新しいかたちでできたと。ほんと、いろいろなチャレンジが詰まった曲になりましたね。
そうですね。自分の成長につながったと思います。これまでと違う目線で作って、思い描いてたものができたのは、ほんと自信になりますね。今は、この曲をみなさんに一生懸命届けようって気持ちが大きいです。
では、聴いてくれる人へのメッセージをお願いします。
僕は、今23歳なんですけど、男女問わず同世代の子は、失恋してすぐ立ち直るのが難しい年頃だと思うんですね。自分もそうなので(笑)。失って気付く大切さを代弁できたらと思うし、寂しい時、失恋して立ち直れない時に聴いたらド直球だと思うこの曲を、ひとりでも多くの人に聴いてもらいたいです。
ちなみにMVは、どんな雰囲気になってるのですか?
CDのジャケットと連動してるんですけど、今回、MVもすごくこだわったんですよ。CGを使って、星の下でAZUちゃんと俺が違う方向を向いて歌ってるシーンがあるんです。それはさっき話した、一番星のところのイメージなんです。インパクトのあるMVになってるので、ぜひ観て楽しんでほしいですね。
あと、ライヴでのAZUさんとの共演も観たいですね。
11月23日に大阪で俺の自主イベント『コトバコ』にAZUちゃんをお招きして、ライヴでの初お披露目をするんです。今後も、一緒に歌える機会があったらどんどん歌っていきたいですね。
1988年1月18日生まれ、大阪出身。自ら作詞・作曲を手掛け、飾らない言葉でメッセージを伝える新世代シンガー・ソングライターSunya。ゴスペルで鍛え上げられた歌声、本場UKで鍛え上げられたライヴ力、独学で身につけたソング・ライティング。しかしそのヒストリーは決して順風満帆ではない。
9歳までの多感な時期を奄美で過ごし、その後大阪へ引っ越した後、地元のゴスペルクワイアの一員として活動を開始。独学でピアノを弾き始め、ソング・ライティングを身につける。弱冠15歳で活動地をクラブやライヴ会場に変え、関西を拠点に活動をスタートすると同時にトラック・メイキングも手掛けるようになる。そして、数々のメジャー・アーティストのフロント。アクトを務め、途端にSunyaの名前が関西を中心に広がっていく。
そしてたまたまライヴを観たジェフリー・ダニエルに突然話しかけられ、この出会いがアーティスト活動を活性化させる。ジェフリーがSunyaの才能に惚れ込み、ボイトレやライヴなどを共にする。17歳の時、<J-pan soul production.>と契約を交わし、活動の拠点をUKへ移す。ロンドンでボイトレやレコーディングを重ねライヴにも出演。特にイギリス、フランスで開かれたシャラマー復活コンサートでは、唯一の日本人バック・コーラスとして大抜擢された。その後、フル・アルバムを完成させたにも関わらず、レーベルの事情でお蔵入りに。
帰国後、地元・大阪で再びライヴを中心に活動をスタートさせる。ライヴハウスだけでなく、時には難波の商店街など路上でも。そして18歳にしてインディーズ・レーベルと契約を結び、ミニ・アルバムをリリースするも活動が広がらず、20歳で契約を解除。その悔しさをバネにライヴ活動を重ね、08年10月には、大阪Knaveにてワンマン・ライヴを開催し大成功を収めた。そして逆境を跳ね除け、09年6月に<SonyMusic/Ki/oon Records>よりシングル「雨上がり」でメジャー・デビュー。オフィシャルHP
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