【宮野真守】ウルトラマンイズムを継
承したメッセージソング!

人気アニメに数多く出演する他、役者としても活躍する宮野真守が、アーティストとしての7thシングル「DREAM FIGHTER」をリリース。ウルトラマンゼロをオーバーラップさせた、熱くメッセージ性あふれるロックナンバーに仕上がった。
取材:榑林史章

「DREAM FIGHTER」は、宮野さん自身がウルトラマンゼロとしてナレーターを務める番組『ウルトラマン列伝』の主題歌ですが、どんな気持ちを込めて歌っていますか?

ウルトラマンゼロは、3年前の『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』から声をやらせていただいています。自らの過ちを認めて本当の正義に目覚めていく…ゼロは青臭くてまだ成長過程にあるウルトラマンです。そんなゼロを演じる僕だからこそ伝えられるメッセージがあるんじゃないかと思ったし。僕自身子供の頃からヒーローに憧れていて、7歳で劇団ひまわりに入ってからも、いつかヒーロー役をやってみたいと思い続け、実際に声をかけていただいた…そうした実体験も踏まえ、決して夢を諦めず真摯に向き合っていくことの大事さを伝えたいなと思いました。

宮野さんが作詞もされていますね。

作詞はこれで4作目ですが、今までならここまで力強いメッセージはきっと自分の中からは出てこなかった。今回はゼロの力を借りたことで、自信を持って書くことができたのだと思います。

歌詞に“ヒカリ”というワードが出てきますが、“ヒカリ”はウルトラマンの物語では重要なキーワードですよね。

そうですね。ウルトラマンシリーズの世界では“光り輝く”という意味ではなく、かけがえのないもの…力や絆、ウルトラマンを応援してくれる子供たちの夢や希望の象徴で、これはシリーズを通して描かれています。僕自身も『ウルトラマンプレミア2011』という舞台に出演させていただいた時に、客席の子供たちの声援がすごく力になったので、その経験も活かせたんじゃないかな。

2コーラス目以降にラップのパートが入っていて、ミクスチャーロックっぽい展開になるのがカッコ良いですね。

テレビで流れるのは1コーラス目だけで、そこはウルトラマンの世界観を踏襲しました。2コーラス以降は、自分のやってきた音楽活動の経験を活かした宮野真守の楽曲にしたいと思って、Bメロの前にラップを入れたいとお願いしてチャレンジしました。

では、もともとはラップパートはなかったと?

はい。僕がやりたいとお願いしたんです。それと、最後のラップの後、最初は1コーラス目の歌詞を繰り返していたのですが、曲を制作していく過程で伝えたいことがどんどん大きくなったので、後で歌詞を変えました。

歌詞だけでなく、曲やアレンジも宮野さん自身からのアイデアでどんどん変わっていったわけですね。

デビュー当時にはできなかった意見の交わし合いも、最近はどんどんできるようになりましたね。今回は特に曲作りにしっかり参加しているという実感がすごくありました。

2曲目「Last Around」は一転してしっとりしたR&Bナンバーで、ハイトーンなヴォーカルが印象的でした。

R&Bは今までもずっと歌ってきたので、これまでのファンの方にはお馴染みの路線だと思います。新しい試みとしては、女性目線で歌詞を書いていただいて、今までとは違った世界観で歌わせていただきました。特に“~なの”という語尾とか“あなたの~”といったワードは初めてだったので新鮮でした。ヴォーカルという点では、力強さとは違ったユニセックスな感じを表現したいと思って、サビはほとんどファルセットで歌っています。

3曲目「innocence」は幻想的な始まりからロックになって、ジャズになって、という構成の面白い曲でした。

そうですよね。伸びやかで気持ち良いサウンドの中にも、ロックの力強さやおしゃれ感があって、トリッキーな部分もすごくあります。詞曲を書いていただいた中山真斗(Elements Garden)さんとは初めてお仕事をさせていただいたのですが、曲を聴いて一発で惚れ込んでしまい、ぜひにとお願いして歌わせていただきました。

違うテイストの3曲を収録したことで、シングルながら充実した内容になりましたね。

飽きずに聴いてもらえると思います。毎回全てを表題曲のつもりでレコーディングしているので、どれも自信曲です!

シングル7作、アルバムもすでに2作発表していますが、アーティストとしての活動についてどう考えていますか?

高校生の頃から劇団で声楽だけでなく、ポップスのヴォイストレーニングと、ヒップホップやフリースタイルのダンスレッスンを受け、劇団内の歌のイベントにも参加するようになって。最初は、音楽も演技のためのスキルと考えていました。でも、今では僕の表現活動の重要なひとつですね。友達とバンドを組んで、アーティストの楽曲をコピーしてライヴハウスに出たこともあったし、今は普段からR&B系を好んで聴いているし。性格的に、その時一番好きなことがやりたいことに直結してしまうので…つまり音楽は、今後も突き詰めていきたいことのひとつなんです。

では、アーティストとしての今後のビジョンは?

アーティストと呼んでいただくにはまだ未熟ですが(苦笑)…プロデュースとか作曲とか、自分で曲を生み出していけたら良いですね。前作シングル『オルフェ』の『STAND UP SOUL』で、初めて作詞作曲の両方をさせていただいていろいろ見えたものもあったし、アーティストとして発信できることがもっと増えれば、自分の想いや表現をもっと突き詰められるんじゃないかと思うので…

ライヴにおいては、09年以降4回のツアーを経験し、ホール会場はすでに満杯。構成もダンスパフォーマンスあり、ミニお芝居ありでショーアップされていますよね。今後のライヴについてはいかがでしょう?

毎回曲を選ぶ時も、常にライヴありきで考えているし、エンターテインメントショーを目指しているので、そこでどういう表現ができるかについても常に考えていて…ライヴはすごく大切だと思っています。希望としては、もっと会場を大きくしていけたらと。そして、より多くの方に僕の歌を生で聴いてほしいです!
「DREAM FIGHTER」
    • 「DREAM FIGHTER」
    • KICM-1369
    • 2011.11.16
    • 1300円
宮野真守 プロフィール

ミヤノマモル:『DEATH NOTE』『機動戦士ガンダム00』『ポケットモンスター ベストウイッシュ』『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE』シリーズ『ちはやふる』などのアニメ作品に加えて、『ファンタスティックビーストと魔法使いの旅』などの吹き替えにも出演する人気声優。2008年よりアーティスト活動をスタート。声優、俳優の現場で培った豊かな表現力と類い稀な歌声、そしてダンスを駆使した高いライヴパフォーマンス力を武器に、独自のエンターテインメントを追求し続け、日本武道館やさいたまスーパーアリーナでの単独公演も成功させている。宮野真守 オフィシャルHP

OKMusic編集部

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