【Alice Nine】セルフタイトルに恥じ
ない作品
己の欲するままに創造されたアルバム『“9” 』。5人の個性が随所に散りばめられた本作は、5枚目のアルバムでありながら、これまでとはまた違ったAlice Nineの一面に気付かせてくれる。
取材:ジャガー
自由な音楽性を改めて感じることのできるアルバム『“9”』ですが、どういう作品にしようと考えていましたか?
将
強いて言うなら、“Alice Nineが持つ多様性を表現する作品”ですかね。
ヒロト
曲に関しても、メンバー各々が自由に考えてきたものを持ち寄りました。
虎
なので、曲出しの段階からいろんなタイプの曲が出ましたね。
Nao
前作のアルバム『GEMINI』がかなり満足のいく作品だったので、今作も自分を追い詰めて、ハードルを上げつつ、レベルアップを図りました。そして、常に新しいことを求めている姿勢が感じとれる作品にしたいと思いました。
起承転結のしっかり整えられたアルバムですが、曲順は楽曲を作っている時からある程度練られていたのでしょうか?
虎
今の曲順になったのは、曲が出そろった時に決まりました。
Nao
デモの段階から沙我くんを中心になんとなく決め始めていましたけど。
ヒロト
だいたい沙我くんが基本となる曲順を提示して、そこから全員でライヴのセットリストを組み立てていくような感じでしたね。あとは、シングル曲をどこに配置するのか相談しながら、全体のバランスで決めていきました。
沙我
僕の場合は、自分が曲を作る時点で“この曲は1曲目だな”とかそういうイメージはあったりしますね。
今作の指針を示した楽曲はありますか?
将
ドラマチックさがアルバムの世界観と一致している。
沙我
手を加える度にどんどんスケールが大きくなっていって、「すべてへ」にはAlice Nineの歴史が込められた気がします。
Nao
アルバムのラストを飾る曲でもあり、バンド9周年に向けて、支えてくれているみんなと歩んでいきたいという思いがこもっているので。
ヒロト
意外と「BLUE FLAME」もキーにはなっていて。この曲の温度感があったから他の楽曲もつられるように熱が異常に高くなったのかなと。
歌詞は時に辛辣な表現はあるものの、ちゃんと誠意を持ってぶつかっているから温もりも感じました。そして、どんな世界であろうと“自分”と“相手”との揺るがない関係性、ただひとつ守りたいつながりという愛情の深さが伝わってきました。
将
一人称と二人称を大事にすることによって聴く人に語りかけるようにイメージはしました。
個人的には「GALLOWS」の《運命を、さあ「嘲笑え」》という歌詞の一節が深く胸に突き刺さりました。
将
“強い生への欲望”がテーマになっているので何か感じ取ってもらえると嬉しいですね。
気高くも儚く散ってしまったジャンヌ・ダルクを彷彿させる「the Arc」ではおどろおどろしいサウンドで世界観を構築し、また「花霞」は壮大なロックバラードに仕上がっていますが、プレイ面での挑戦はありましたか?
ヒロト
「花霞」では、ほぼアドリブのソロを弾きました。制作途中では10分近くあった曲なんですけど…デモ制作での一番最初に弾いたテイクを収録しています。それと「Heavenly Tale」。この曲の空気感やプレイのタイム感を掴むのに時間がかかりました。
沙我
地に足を付けつつ、今の自分より半歩前を行くフレーズを心がけました。あと、「ハロー、ワールド」ではポエトリー・リーディングを行ないました。
Nao
ドラムの常識を壊して、より良いサウンドを出せる手順を考えながらアレンジに臨みましたね。例えば、「the Arc」のツーバスはしっかり踏むのが大変で、思いのほかツーバスは難しかったです。
バンド名でもある“9”を掲げたアルバムタイトルに込められた想いとは?
将
Alice Nineの“Nine”、そしてバンドが9周年を迎えるということでの“9”。これまでの僕たちの道のりはファンのみなさんとともにありましたし、これからも一緒に歩いていきたいという想いを込めて付けました。
Nao
やはりバンド9周年に向けて、Alice Nineを支えてくれているみんなとの想いを今一度ひとつにしたかったので。
虎
Alice Nineらしさが凝縮された作品なので、バンド名を付けてもいいなと。
ヒロト
セルフタイトルに恥じない作品であるということ、ここまでオーディエンスやスタッフと創り上げてきたものに対する自信かな。
『“9”』を完成させた今の手応えはいかがですか?
将
誇りを持って、Alice Nineの全てを込めた作品ができました!!
手応えもしっかりあったようで何よりです。3月からの全国ツアーにもいっそう期待が募りますね。
将
新旧の曲を織り交ぜた、熱いライヴになると思います。頑張ります!!
ヒロト
今年はとにかくツアーをたくさんやる予定なので、まずはその一発目、とことんいらっしゃる方々と、この『“9”』を体感しながら愛し合っていきたいと思います。
沙我
ノれつつも、とても温かみのあるショーになります。
Nao
今年はライヴ三昧な一年になりそうです。ドラムは正直どの曲も難しいので、一発一発に魂を込めてみんなのもとへ届けます。楽しみにしていてください!
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『"9"』2012年02月22日発売徳間ジャパンコミュニケーションズ
- 初回限定盤(DVD 付)
- TKCA-73733 3780円