L→R そらお(Ba)、佑聖(Gu)、揺紗(Vo)、ユウダイ(Dr)、淳(Gu)

L→R そらお(Ba)、佑聖(Gu)、揺紗(Vo)、ユウダイ(Dr)、淳(Gu)

【THE KIDDIE】今回は振り切った曲を
どんどん作っていった

ポップなイメージが強いが、演奏力や安定感も含め、ロックバンドとしてのポテンシャルが高いTHE KIDDIE。そんな彼らが完成させたニューアルバム『MA★PIECE』は、ポップに、ハードに、キャッチーに…とにかく全方向に振り切っていた。
取材:土内 昇

年末のライヴで弾けたTHE KIDDIEが観れたのですが、その勢いのままというか、アルバムも弾けていますね。THE KIDDIEが持っているポップな面やハードな面、キャッチーな面の全方向に振り切っているというか。

揺紗
ありがとうございます! ツアーを終えて、レコーディングして、またツアーをやって、レコーディングをやるっていう感じで、1年かけて作っていったんですよ。前アルバムの『BRAVE NEW WORLD』の時は、ひとつのテーマで曲を作っていったんですけど、一枚のアルバムの中にいろんなタイプの曲があるほうが俺らっぽいって思ったんです。インディーズの頃はシングルばかり出していたし、それのほうがTHE KIDDIEっぽいってことで、今回は振り切った曲をどんどん作っていきました。
今までもノンジャンルでやってたんですけど、さらに広がりましたね。いろんなことをやってるんで、プレイヤーとしても幅が広がったなって。
揺紗
1年かけて作ったっていうのは大きいですね。前のアルバムよりも時間に余裕があったから、一曲に集中することができたんでアレンジも凝れたし。
そらお
今回のアルバムは歌と楽器が戦っているんですけど、引くところは引いて、攻撃的なところは攻撃的にって、すごくメリハリが効いていると思うんですね。それを自然に出せたのが良かったなって思います。

曲の振り幅だけでなく、演奏も振り切ってますからね。

ユウダイ
そうですね。去年5月に「Nutty Nasty」というシングルを出したんですけど、その時からもっとはっちゃけようって。前のアルバムで“THE KIDDIEはこういうバンドです”というものが提示できたし、まだまだはっちゃけられると思ったので、より遊び心も増してアレンジに臨めましたね。佑聖くんの「サマードリーム」なんて最初からサンバな感じで、ぶっ飛んでるなって思ったんですけど(笑)、アレンジしていく中でTHE KIDDIEっぽく昇華できました。
佑聖
今までにないところを狙って曲を作ってたんで(笑)。デモの段階からサンバっぽかったんですけど、本チャンのレコーディングでパーカッションをリアルなものにしたりして、より振り切れたんじゃないかと思います。THE KIDDIEは何でもありのバンドだと思ってるんで、これも全然ありだろうって。

そんな中でも「mr.FIREBIRD」や「stand by me」などライヴの画が浮かぶ曲が多いのですが、それはツアーをやりながら曲を作っていったから?

ユウダイ
その通りだと思います。ライヴで吸収したパワーのまま吐き出したというか。「stand by me」は最後のほうに録ったんですけど、いろいろ振り切った曲が出そろった中で“速さ”も大事かなと思って、最速の曲をやりたくなったんですよ。で、さらに遊びたいと思って、間奏にメンバー全員でラップを入れたという。ひとりワンフレーズずつ声を入れているところが、この曲のポイントです(笑)。

レコーディングもライヴのようなテンションで挑んだ感じですか?

ユウダイ
去年に出したシングルと並行して作っていったんで、特に“アルバムの曲だから~”というのはなくて、振り切るっていうことを意識していましたね。新しい楽器とか音も導入した…プロデューサーの恩田快人さんがいっぱい楽器を買われたんで。ギターだけでも10本ぐらい(笑)。
そらお
僕も特にアルバムだからって構えてはやってなかったですね。ただ、シングルと違ってアルバムだと曲数が多い分、表情というか、音でどう変化を付けるかっていうところで楽器をいろいろ変えたりしているんで、音作りで頑張ったっていうのはあります。ほんとにいろいろ楽器があった…ベースだけでも5種類ぐらいあったし、それぞれの音が極端に違うので、音の幅がすごく広がりましたね。
使う楽器にしても、音色にしても、プレイにしても、アルバムの曲に対して最適なもので臨めたので、その分いいものが録れているんじゃないかと思いますね。
佑聖
いつもは自分が持っているお気に入りのギターで録ってたんですけど、恩田さんがいっぱいギターを買ったんで、せっかくだから使わせてもらわなきゃって思って、曲によって変えたり、1曲の中でも多い時は5~6本使ったりしましたね。

ヴォーカルは? 楽曲に振り幅がある分、何か意識したことはありますか?

揺紗
いつもと変わらないですよ。曲そのものが持つ雰囲気を意識して歌いました。そういう意味では、歌詞もそうですね。曲を聴いてから歌詞を書くので。でも、「MA★PIECE」は曲と一緒に歌詞も出てきたので、このアルバムをひと言で言えるような曲になればいいなと思って歌詞を仕上げていきました。

“滅茶苦滅茶な感覚でOK”というのは、今のバンドのモードそのままですものね。では、本作が出来上がって、どんな手応えを感じていますか?

揺紗
ほんとにTHE KIDDIEらしい、最高傑作ができたと思ってます!
そらお
アルバムの曲だからっていう意識ではなかったのに、出来上がった時にはアルバムとしてすごいものができたって思いました。いろんな人が聴いてくれた時、“最高傑作”って言ってくれる人がたくさんいると思える作品ですね。なので、ぜひ、多くの人に聴いてもらいたいです。
ユウダイ
すごく自然体に近いものにできたと思いますね。ゴチャゴチャとしているかもしれないけど、それが俺らでもあるので、逆に伝わりやすいんじゃないかなって。
佑聖
やりたい放題っていうか、自分の趣味とかも詰め込めたし、ギターの音とかも研究したし、かなりカッコ良いものができたと思っているので、友達にたくさん配りたいです!
自分たちでも新しさや成長を感じているので、聴いた人の反応が楽しみですね。今まで聴いてきてくれた人にも、初めて聴いてくれる人にも、誰にでも胸を張って勧められるアルバムだと思います。4月からのツアーでは、このアルバムが作れたからこそのライヴを観せたいと思っているので、“もっと長く観ていたい”って思えるような楽しいものにしたいですね。
THE KIDDIE プロフィール

07年5月にヴィジュアル系バンド華族のメンバーだった揺紗(vo)とユウダイ(dr)を中心として、華族のメンバー淳(g)、ユウダイの知り合いだったそらお(b)、そらおの紹介から佑聖(g)が加わり結成。

7月に目黒鹿鳴館にて行われた初のライヴ・イベント『ヘヴンのお祭り★天まで飛ぼう!!〜関東近郊編〜』よりTHE KIDDIEとしての活動を開始。09年より4thシングル「NOAH」を皮切りにコンスタントなリリース活動を行った結果、急激に認知度が高まるきっかけとなった。バンドの持ち味である楽曲が高く評価され、そのメロディックで歌をきちんと聴かせるバンド・サウンドは、一躍各方面より高い支持を受ける。その容姿の魅力も手伝い、ヴィジュアル系ジャンルを中心にファンが増え続け、ライヴは各地ソールド・アウトを続けている。

10年3月には、インディーズ集大成ともいえるシングル・ベスト・アルバム『SINGLE COLLECTION』をリリースし、年度末に開催されたワンマン・ツアー『THE KIDDIE TOUR 2010【Hi-FiVE】』のファイナル公演となったLIQUIDROOM ebisuで、メジャー・デビューを発表。同年7月に<キングレコード>よりシングル「smile.」でメジャー・デビュー。今後、大きく飛躍を遂げるバンドと期待されている。オフィシャルHP
公式サイト(レーベル)

OKMusic編集部

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