【SO-TA】今持っているものを
全て注ぎ込んだ
LGYankeesプロデュースで、約2年半振りとなるアルバムを完成させたSO-TA。セルフタイトルを掲げる本作について、“かなり満足度の高い作品”と語ってくれた。
取材:石田博嗣
約2年半振りのアルバムですが、どんなものにしたいと?
在り来たりの日常の風景を描きたいってのがありました。昨年の震災を受けてより強く実感させられたのですが、生きているからこそ、“うれしい”だったり、“切ない”だったりを感じられると思うので、在り来たりの日常であっても、それを感じられるのはすごく幸せなんだっていうことを描きたかったんです。
それらの楽曲を歌う時に意識したことは?
曲によって世界観が違うと思うんですけど、いろんなアーティストさんの制作に立ち会わせてもらって、そこで学んだことが多かったので…例えば、“ここの語尾にはビブラートは使うけど、ここは使わないほうがいい”とか、“この言葉とこの言葉の間は一拍置こう”とか、その曲をより良く聴かせるための表現方法を前もって決めて、さらに歌ってみて変更してっていう感じでした。
では、フィーチャリングの相手のセレクトはどのように?
そこはプロデューサーであるLGYankeesのHIROさんとDJ No.2さんのおふたりと相談しました。基本的に所属レーベルのNO DOUBT TRACKSのアーティスト全員とコラボしたいっていう気持ちはありましたね。あとは、舞花さんや吉見一星さんといった幅広い方とコラボして可能性を試したかったし、引き出してもらいたかった。
ソロ曲は、どんなものにしたいと?
ソロ曲は心から自由にやらせてもらいました。『Yellow Tulip』の歌詞を書いていたリリック帳って、高校生の時にHIROさんに買ってもらったもので、僕の人生で初のリリック帳なんですよ。で、初めて書いたのが『Yellow Tulip』の基盤になる歌詞だったんで、思い入れのある楽曲なんです。『HERO』は…空を飛べたり、ビームを出せないとヒーローになれないってわけじゃなくて、誰かを助けられたらその人にとってのヒーローと呼べるんじゃないかなって僕は思っていて。世界中の誰もが誰かのヒーローになれるんだよっていうことを伝えたかったんです。『おくりもの』は、今回のアルバムには絶対に両親に向けた楽曲を入れたいっていう気持ちがあったんです。いつも迷惑かけているのに、面と向かって“ありがとう”って言えないので。
DJ PSYCHOさんがプロデュースした2曲はビート感が変わって、アルバムのフックになっていますね。
DJ PSYCHOさんのトラックはストリート感が強い印象があって、どちらか言うとそっちのほうが得意なので、楽しく制作することができましたね。『chat up line feat. GIO, 1-MIC, MAYA』は“SO-TA、ラップに挑戦する!”というのが大きなテーマだったんで(笑)、改めてラップの難しさを痛感しました。
あと、PRINCESS PRINCESSの「M」をアコースティックなバンドサウンドでカバーされているのですが。
今回のアルバムを出すにあたってカバー曲を入れようっていう話になっていて、初めてのカバーは女性アーティストの曲にしたいと思っていたんですよ。僕のウリでもある高い声を活かしたいってことで。で、なぜ『M』なのかと言うと、デビュー前からカラオケなんかでもよく歌っていたこともあって、勝手ながら思い出の曲ということで(笑)
セルフタイトルを掲げた本作の手応えは?
今持っているものを全て注ぎ込んだと自負しておりますので、かなり満足度の高い作品ですね。出せるものは出し切ったって(笑)。だから、次ぎはまったく違う角度から可能性を探って、新たなSO-TAを見せたいと思っています。
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