【moumoon】花火のように儚く消えま
せんように…
moumoonの夏ソングと言えば、より気分を上げてくれるような爽快なナンバーが多かったが、今作で見せるのは胸を締め付けるバラード。“花火のように儚く消えませんように…”と純真な恋心を綴った「儚火」について紐解いていく!
取材:ジャガー
優しくも力強い歌声が冴える「儚火」は、どんな曲を作ろうと?
YUKA
夏にはアップテンポな曲を作ることが多かったのですが、今回はゆったりとしたバラードに挑戦しました。花火をテーマに大好きな人への気持ちを歌っています。バーンと上がった花火はとても胸を高鳴らせるけれど、消えていく様子はなんとも儚い…だから"儚い"という字に"火"と書いて"はなび"と読むことにしたんです。夏の夜に聴いてほしい、切ない空気が染み込むようなキュンとする曲に仕上がりました。
MASAKI
今までのmoumoonには、"温かい夏のバラード"がないなってことに気付いて、夏ならではのバラードを作りたいと思いました。でも、なかなかこれだって思う曲が決められなくて、いっぱい作った中の一曲なんですよ。曲のかけらは10曲以上あったんですが、これはメロディーがふたりともずっと頭から離れなかったので、絶対良い曲だと信じて完成させました。
四季が存在する日本特有の風情を感じられる曲ですが、これはもともと構想としてあったのでしょうか?
YUKA
日本ぽくしよう!ということを意識したわけではないんです。曲を聴いて、歌詞をイメージする際に、私は"人生の儚さ"について考えることが多いんですが、「儚火」の歌詞を書く際に日本でしか感じられない景色や匂いを思い出しながら描くことでそうなっていったんだと思います。
MASAKI
実は、コード進行やアレンジ自体を見ると西洋的だと思うんですが、メロディーの変化のさせ方や歌い回し、それと何と言ってもYUKAちゃんの書いた歌詞から風情を感じてもらえるのかもしれません。でも、日本人が持っている特有の風情やわびさびの心…"儚い"という感覚みたいなものをすごく表現したかったので、それを曲から感じてもらえたならとても嬉しいです。夏の雰囲気を出すために、ピアノよりもローズ・ピアノを使ったり、ウクレレが入っていたりと、温かい音を目指しました。ハープやストリングスを含め、生演奏が多いので、そういった音の分厚さが、逆に日本人ぽいのかもしれないですね。シンプルなアレンジが良かったり、たくさん楽器が入っているほうが良かったり、場面によって向いているアレンジがあると思うのですが、今回はとっても音数が多くて豪華なサウンドです。
《この世のすべてを愛しく思えるの》からサビに入るところは、まさに花火が美しく咲き誇るような壮大さを感じることができました。情感たっぷりに歌い上げるYUKAさんの歌声もあって、より情景を思い浮べやすかったです。
YUKA
私もサビの手前のメロディーがずっと頭から離れなかったこともあって、すごく気に入っています。囁く部分と歌い分けて、感情があふれ出しそうな雰囲気を意識しました。サビで広がって音が開けていく、あのダイナミクスの広さを感じてもらいたいです。
好きな人へのまっすぐな思いとストレートな愛情表現から、初々しさが滲む歌詞ですね。
YUKA
好きな人と一緒にいる時間、またその気持ちが花火のように儚く消えませんように…という気持ちを込めました。
歌の世界観をそのまま凝縮したMVも観モノだと思うのですが、特にご自身で気に入られているシーンはありますか?
YUKA
キスシーンが気に入っています。ドキドキします。
MASAKI
全体的な色使いがすごく好きです。外のシーンでは花火が照明になっているような部分があるので、そこが好きです。
ちなみに、おふたりはどんな花火がお好きですか?
YUKA
ばばばばばーん!というラストスパートみたいな金色の花火!
MASAKI
大きなしだれ花火が落ちていって消えていくさまが好きですね。
2曲目の「summer time」は、揺れ動く思春期に得た大切な友人との思い出を切り取ったような歌詞が印象的でした。
YUKA
学生時代は屋上にいる時、すごく自由になれた気がしました。その頃の気持ちや友だちに救ってもらったことを思い出しながら書きました。
アコギとストリングスのやわらかな絡み合いが爽快なナンバーにしてくれているかと思うのですが、曲を作るにあたりイメージしていたものはありましたか?
MASAKI
もともとこの曲のデモを作った時は、もう少しアコースティックで切ない雰囲気があったんですけど、夏の抜けるような感じにしたくて、こういう感じの元気な音になりました。この曲の歌詞が、自分が学生時代に感じたこととリンクしていたりするので、すごく好きです。
今作には「Sunshine Girl」「Chu Chu」の2曲が大沢伸一氏によってリミックスされていますが、出来上がりを聴いた感想を教えてください。
YUKA
いつか一緒に何かできたら…と憧れの存在でしたが、今回リミックスをお願いできて嬉しかったです。感想は、ひと言!"すげーーーー!!!"です(笑)。曲が生まれ変わり、すごく面白い!
MASAKI
大沢さんとは6年くらい前に友人を介して知り会ったんですが、その頃から"頑張って成長して、いつか大沢さんとお仕事ができるようになりたい"と思っていたので、こういうかたちでついに実現して、泣くくらい嬉しいです。聴いた感想は…やっぱ大沢さん最高!
- CD+2DVD
- AVCD-48413/B~C 3800円
ヴォーカル YUKAとギター柾昊佑(まさきこうすけ)によるユニットで2005年結成。
フランス語の『mou(やわらかい)』と、英語の『moon(月)』をかけあわせて作った“やわらかい月”という意味の造語。
YUKAの柔らかく暖かな、それでいて鋭くエッジのきいた歌声と、柾が創造する印象的なメロディーが絶妙にマッチし、繊細且つ大胆なアレンジが施された楽曲が聴き手を柔らかく包み込む。
2006年7月に限定シングル「Flowers/pride」でデビュー。2007年8月ミニ・アルバム「love me?」でavex traxよりメジャーデビュー。
同年12月にリリースした1stシングル「Do you remember?」がラジオ、衛星波21局でパワープレイを獲得する。
2008年7月、自身初となるのワンマンライヴ(原宿ASTRO HALL)を行いチケットSOLDOUTとなる。同年12月(渋谷duo music exchange)、2009年5月(赤坂BLITZ)に行われたワンマンライヴでは両公演共にチケットが即日完売となる大盛況ぶりを見せた。
同年7月には通算5枚目となるシングル「On the right」のリリースが決定、10月には日比谷野外音楽堂でのワンマンライヴを行う。オフィシャルHP
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