【宮野真守】アゲアゲでテンションの
高い3曲で攻める

4月にリリースしたアルバム『FANTASISTA』がオリコン4位を獲得するなど、アーティストとしても着実に裾野を広げる宮野真守が、新曲「ULTRA FLY」をリリース。年末のツアーが楽しみになる一枚に仕上がった。
取材:榑林史章

「ULTRA FLY」は引き続き『ウルトラマン列伝』の主題歌で。

前回の『DREAM FIGHTER』は、僕自身が活動の中で感じている“夢を持つことの大切さ”を少しでもみなさんに伝えたいと思い、ウルトラマンゼロの気持ちと重ねて歌詞を書きました。今回は自分の中での戦い…僕が演じるウルトラマンゼロの新作『ウルトラゼロファイト』でも、ゼロ自身自分に新しく与えられた力に戸惑いながら、戦いの中でその力の意味を理解していきます。歌詞はそことリンクさせながら、答えを探す過程で苦しんだり、もがいたりすることに意味があるということを等身大で書いています。

太陽と月を象徴的に使っていますね。

今回のウルトラマンゼロは太陽と月の力で戦うんですが、強さややさしさを分かりやすく伝えられるんじゃないかと思って。僕自身、太陽のようにみんなをずっと照らし続けられる存在になりたいし、同時に月のようにやさしく包み込むこともできたらと思っています。

歌詞にある“ゆるぎない愛のカタチ”とは?

その前の1行に《守るべきものがある》という言葉があって、それは大切なもの…僕にとっては、例えば家族、友達、応援してくれるみんなやスタッフ。それが見えてくれば、自然とゆるぎない愛のかたちにつながっていくんじゃないかなと思います。

間奏のところで、セリフっぽくバックに流れてますが、あそこは何と言ってるのですか?

あれは歌詞にあるフレーズを、歌詞の通りにというわけではないけど、言葉として反芻しているんです。リハーサルの時、キー合わせとか全体の曲の調整をしている合間に、アドリブで言葉をぼそぼそ言ってたら、スタッフからそれいいね!って。リハっていろいろ試す場だと思ってるので、打ち合わせにないこともいろいろ試して、いいものがあればブラッシュアップして本番に活かしています。そういう衝動は、いつも大切にしたいと思っています。

カップリングの「IT’S THE TIME」と「GOLDEN NIGHT」は、どちらもダンスチューンですね。

今回のシングルは、アゲアゲでテンションの高い曲を揃えて攻めました。『IT’S THE TIME』は、最初は80年代ディスコのテイストがいいねという話から始まり、どんどん変わって最終的にこのかたちになって。印象的なコーラスもあるので、ライヴではそこをお客さんに歌ってもらって、みんなで一緒に楽しめたらと思ってます。作詞・作曲・編曲のSTYさんはいつもトリッキーな曲を作ってくださるのですが、毎回大変だけどチャレンジするのが楽しくて、楽しんでいる間にレコーディングが終わっちゃうんです。『GOLDEN NIGHT』は、ちょっとエロティックな感じですね。前の2曲には“LOVE”の要素がなかったので、情熱的な“LOVE”を入れました。“GOLDEN”には“素晴らしい”という意味もあるので、素晴らしい夜をふたりですごそうよ!という感じです。

「IT’S THE TIME」に《今が変わるタイミング》という歌詞があるのですが、自分で変わりたいとか変えたいと思うところは?

うーん。むしろダメなところがあるほうが、人間味があっていいと思うこともあるのですが…。もし変わるとしたら、活動をしていく中で壁にぶち当たってそれを乗り越えた時、自然と何かが変るんじゃないかと思ってやっています。

では、変身願望みたいなものは?

そもそも役者って変身願望があるからこその仕事だと思うんです。役者で楽しいのは、自分じゃない人の人生を生きられることですから。そういう意味では、今までも本当にいろんな人に変身してきました。舞台でウルトラマンゼロにも変身したこともあって、ジュワッて言いながらウルトラゼロアイを目に当てた時は感動しましたよ!

その役が魅力的すぎて、ハマりすぎてしまったことは?

アニメ『DEATH NOTE』で夜神 月の役をやった時、期間が長かったこともあって、本当にのめり込みすぎてしまって。最終回で夜神 月は壮絶な死を迎えたのですが、そのシーンを演じ切ったら僕自身の心臓も一緒に止まってしまうんじゃないかと思って、ラストシーンを録る日は現場に行くのが怖かったです。

逆に、こういう人間になってみたいと思うのは?

旅行とかで、しっかり計画できる人間になりたいです。いつも計画ができなくて、結局どこにも行けないまま終わったりするので(笑)

ステージのプランニングはいつも自分で綿密に立てるのに。

その反動で普段は計画性がないのかも(笑)

年末にはツアーもあるとのことですが。初日は大阪ですね。

初のカウントダウンライヴなので、ちゃんと時間通りにやれるよう頑張ります。途中で眠くならないようにしないと(笑)。ツアーは今までは東名阪だけでしたが、今回は全6カ所で、初めて行く場所があるのでとても楽しみにしています。自分たちの地元にもきてほしいという声をたくさんいただくので、そのみんなの期待に、やっと叶えられることがすごく嬉しいです!

5月にパシフィコ横浜で行なった前回のライヴは、てんこ盛りの内容でしたね。“雅マモルくん”というキャラクターが登場して、ファンの間で話題になりましたが。

ああ、アイツ(笑)。予想以上にインパクトが強くて、オイシイところを全部持っていくんですよね(笑)

その模様を収めたDVDのオーディオコメンタリーでは“思い付いたことはその時にやらないと後悔する”と言ってましたが。

時期をすぎると衝動が薄れて違うものになってしまうし、やって失敗したとしてもそれは経験になります。やりたい時がやる時!…それは『IT’S THE TIME』の中でも歌っていることです。どんなステージになるか、次のツアーも楽しみにしてください。
「ULTRA FLY」
    • 「ULTRA FLY」
    • KICM-1416
    • 2012.11.14
    • 1300円
宮野真守 プロフィール

ミヤノマモル:『DEATH NOTE』『機動戦士ガンダム00』『ポケットモンスター ベストウイッシュ』『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE』シリーズ『ちはやふる』などのアニメ作品に加えて、『ファンタスティックビーストと魔法使いの旅』などの吹き替えにも出演する人気声優。2008年よりアーティスト活動をスタート。声優、俳優の現場で培った豊かな表現力と類い稀な歌声、そしてダンスを駆使した高いライヴパフォーマンス力を武器に、独自のエンターテインメントを追求し続け、日本武道館やさいたまスーパーアリーナでの単独公演も成功させている。宮野真守 オフィシャルHP

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