【崎本大海】ゼロをイチにできるのも
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じっくりと制作期間を設けて完成させた1stアルバム『ONE』。シングル4作に加え、フレンズ名義の「泣いてもいいですか」や作詞にも挑戦した新曲を含んだ意欲作!
取材:ジャガー
1stアルバムということで、崎本さんの音楽活動をまとめた一作となりましたね。
いろんな楽曲に自分が入っていくような感覚でした。崎本大海が歌うとどんな装いになるのか、どんな世界観に仕上がるのかっていう、“着せ替え崎本人形”みたいな。
アルバム制作自体は随分前から進行されていたとか?
一年前からですね。今は“崎本はこれ!”というイメージを定着させるよりも、挑戦していく時期だと思っているので、いろいろ試すことができました。デビュー曲の『サヨナラ』からアルバムは始まるんですけど、この曲でもう2年半前になるんですかね? 聴いてるうちに2年半の思い出が蘇ってきますね。音楽活動だけをしてきたわけではないので、舞台やドラマ、イベント…と思い出します。
曲に関連付けて記憶に焼き付いてることってありますね。
『泣いてもいいですか』も入ってるから、この2~3年の思い出が詰まっていて“写真のアルバム”みたいに…ってスタッフの方も言ってたんで、なんか恥ずかしいんですけど(笑)
(笑)。ジャケ写も作品によって雰囲気が変わりますよね。今作はすごく柔らかい表情なのが印象的でした。
そうなんですよ! これまではビシッとカッコ付けた姿を撮り続けてきたんですけど、さっきも言ったみたいにこのアルバムは僕のいろんな面が見れるものだから、それって言わば自分の全てが曝け出されているようなことだと思うんですよ。だから、飾った姿じゃなくて、ありのままの自分を表現したジャケ写にしたくて。アーティスト写真は小学校の頃からよく遊んでいた公園だったり、初回生産限定盤のジャケ写も通っていた高校の教室で撮影したんです。
音楽活動以前の崎本さんも詰め込んだ作品になったと?
“演技には生き様が出てくる”と先輩によく言われるんですけど、そういう意味ではアーティストはどうなのかなって。僕はまだ分かんないけれども、ブックレットには今までの人生を切り取った写真が入っているので、生き様を見せれたんじゃないでしょうか。
着せ替えられても、基軸になるの思いは崎本さんの経験から得たものなのでしょうね。
作詞をした『雨上がりブランニューデイ』は思春期の頃の自分に向けた、頑張れよっていう応援歌だし、『永遠のカケラ』も自分が好きな女の子に対してのラブレターになってますし…改めて話すと照れますが。いろんな表情を見せるけど、そのどれもがひとりの人間の心情なんですよっていう。
本作での支柱となる楽曲を挙げるならば、やはり最後の「ONE ―One for all, and all for one―」ですか?
はい。この曲を作り始めるところからアルバムの行く先というか、目的みたいなのがはっきりしたと思います。震災以降、“絆”っていう言葉がすごく使われてますけど、絆ってそんなに簡単にできるものなのかなって思うところもあって。だからこそ、目の前に見える確かな絆を大切にしなきゃいけないんですけど。それを大事にするようなところから、いわゆる“他人”と言われる人たちに素敵な気持ちが持てるようになると俺は思うんですよね。全ての人を大事にするのは、はっきり言ってできないので、その前段階というか。まずはみんなでひとつにつながってみようって言いたかった…ただ、難しいですよね。他人は他人だし。でも、ゼロをイチにできるのも人だから、そういう一歩を踏み出せる力が生まれれば嬉しいなって気持ちを込めて作った曲です。
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