【AILI】自分で作った曲を120パーセ
ント自分の色で聴いてほしかった
自ら作詞作曲した楽曲を歌うだけでなく、バックトラックのプログラミングも行なってしまう女性アーティスト、AILI(アイリ)。彼女の作り出す音楽の魅力が存分に詰まったニューショートアルバム『Vivid』について話を訊いていこう。
取材:土屋恵介
AILIさんは、作詞作曲、プログラミング/編曲もやってしまう、女性では珍しいアーティストですね。もともとの音楽のルーツを聞かせてください。
父がロック大好きで、高校生くらいまではロック少女で、ビートルズ、エリック・クラプトン、ピンク・フロイドとか好きだったんです(笑)。ブラックミュージックは、TLCやSWVとかガールズユニットから聴くようになったんです。
そもそも、自分で音作りを始めたきっかけは?
MPC(サンプラー)がきっかけだったんです。クラブ全盛期の頃、友だちがみんな機材持ってて、家に遊びに行くと音楽談義から、みんなで何か作ろうってやってたんです。
そこからのめり込んでいったと。
遊びの延長で、クラブで歌ってたんですよ。オリジナルのトラックが欲しかったけど、自分の想像していたイメージに合うトラックメイカーがいなくて自分で作るようになったんです。私、小さい頃から楽器を習っていて、ピアノ、サックス、ギターは大体できるし、それでMPCでループ組んで作るのが楽しくて。そしたら歌よりも音を作るほうにハマっちゃったんです。
これまで、いろいろなアーティストに楽曲提供してきたんですね。
裏方で作家/トラックメイカーを5年くらいやってたんです。お気に入りは、九州男さんの『手紙。』、ウェッサイ系のラッパーMr. Low-Dの『Back Love』、JAMOSAの『STUPID』は私の作るザ・R&Bって感じですね。あと、青山テルマの『STRONGER THAN EVER』は、最近の中では特に好きな曲ですね。
シンガーとして活動するつもりはなかったのですか?
一度辞めたって感じだったんです。ただ、私、諦めきれないタイプで(笑)。人のプロデュースで仮歌を歌うようになった時、“私、イケるかも?”と思い始めたんです(笑)。もともと、私の声ってファルセット気味で細いし、あまり向いてないと思ってたんです。でも、今って昔ほどメチャR&Bって時代でもなくなった。スキルもついたし、大丈夫かなと思って。それで、歌うチャンスをもらったんです。
昨年12月の1stアルバム『Future』は、コラボ中心の作品だったので、今作の『Vivid』はAILIさんの歌を中心にした実質的な1作目という感じがします。
前回はプロデューサーとしての自分を出したアルバムで、今回は自分で作った曲を120パーセント自分の色として聴いてもらおうと思ったんです。『Vivid』は今まで色付いてきた、いろんな自分の色を集めるのがコンセプトでしたね。
では、曲に触れていきましょう。「Miss You」はDJ KAORIさんとICONIQさんの3人で、片想いの女性のかわいらしい気持ちを歌うポップなR&Bですね。
KAORIさんとは面識があって、ICONIQさんは声もビジュアルもすごく魅力的でずっと一緒にやりたかったんです。この3人でやるなら、自分ひとりじゃ歌えないようなどストレートなラブソングにしたいなって。どんな女の子でも、みんな気持ちはこうなんだよっていう内容を歌いました。
WISEさんをフィーチャーした「feel the love」は、大切な人への気持ち、人とのつながりを歌った曲ですね。
震災後、ちょっと落ち着いた時に作ったんです。私が思うポジティブなメッセージ、誰もが温かい気持ちになれるものがいいなってできた曲ですね。
Warren Gの名曲「This D.J.」を、本人をフィーチャーしてリメイクした「This L.U.V.」には驚きました。
私もスタッフも、西海岸のギャングスタヒップホップが大好きなんです。私は、好きなカバーを勝手に作るのが好きで、これも作ってたんですよ。スタッフに聴かせたら、本人に聴いてもらおうってことになり、クオリティーを上げたものを作ったんです。そしたら快くオッケーしてくれたんです。心込めたものを作ったから実現したのかなって。
いい話ですね。歌詞では、大切なものをいつまでも信じていこうという、強い気持ちが歌われてますね。
いつかロスで向こうの人とレコーディングしたいっていう夢が叶った。このタイミングだからこそ、これまでがあって今があるって自分を語る歌を歌いたいと思いました。この曲がやれて、ひとつ階段を昇れたと思えますね。
美しいメロディーのバラード「言葉より大切なもの」は、日常にある幸せを歌う永遠のラブソングですね。全体通じて歌詞では、聴く人を励ますやさしいポジティブさを感じました。
そうですね。歌詞は自分にもメッセージとして残したいんです。特に『Fantastic』は、忘れちゃいけない自分らしさについて書いた曲なんです。でも、どの曲でも自分の中で大事なことが入っちゃうんですよね。
では、『Vivid』が完成して、今はどんな思いがありますか?
結構自分でも気に入ってます(笑)。前回はいろんな人の意見があってできたアルバムだったけど、今回は完全にAILIの色を出せたと思いますね。次はまた違う色が出せるなって、今後につながる作品にもなったと思います。
AILIさんの今後の目標を聞かせてください。
ジャンルレスでやっていきたいんです。ジャズもロックもブラックミュージックも好きだし、好みの音を幅広くやりたいんです。そういう意味ではAILI流のポップを作っていきたい。大きく言えば、マイケル・ジャクソンみたいな、何をやっても軸のぶれないアーティストを目指したいですね。
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アイリ:作詞/作曲/編曲/トラックメイクまで全てをマルチに手掛ける女性No.1プロデューサー/シンガーソングライター。AILI名義としてさまざまなフューチャリングアーティストを迎えプロデュースし、“thanx to シリーズ”として作品を続々リリース。『Samantha Thavasa ♥ 人気ファッション誌』TVCMシリーズソング全6曲他豪華タイアップ曲も担当。また、EXILEの「Lovers Again」をサンプリングしm-floのVERBALとコラボレーションを果たしたAILI ft. VERBAL (m-flo) 「Memories Again」のスマッシュヒット等、注目を集めている。オフィシャルHP