【T.M.Revolution】T.M.R.バージョン
15、多彩なアーティストにより人気曲
がアップデート!

制作の発表から約3年、待ちに待ったセルフカバーベストアルバムの第二弾『UNDER:COVER 2』がついにリリース。全曲において多彩なアーティストが参加し、実に濃く懐が深く、待った甲斐のある作品に仕上がった。これを聴けば、T.M.R.がまた新たなステージに上がったことを実感するだろう。
取材:榑林史章

T.M.R.はやっぱりT.M.R.!

『UNDER:COVER 2』がついにリリース!

リリース日が何度も延期になるという憂き目に遭ってきたので、忘れられてないか、ちょっと心配(笑)。でも、やっとみなさんにお届けすることができるので、ホッとしてます。長きに渡った15 周年イヤープロジェクトも、これでようやく完結できます。

今作はほぼ全曲でゲストを迎えているわけですが、最初からこういう豪華なものにしようと?

いえ、最初は何も考えてなかったです(笑)。『UNDER:COVER 2』を出そうという企画が決まり、そうこうしているうちにみなさんから募集したリクエストが集まって。そのリストを眺めながら“さてどうしようかな~”って(笑)。どの曲がくるか分からないことには、やることを決めようがないので。

リクエストの結果については、どう感じましたか?

まめにライヴに来てくれたりとか、ずっと応援してくれているみなさんの思い入れの強い曲が多いかなって思います。

実際に最近のライヴでも演奏してる曲が多いのでは?

去年の夏には全曲マスタリングが終わっていたので、やれる曲からライヴでもどんどんやっていて。『T.M.R. LIVE REVOLUTION’12-15th Anniversary FINAL-』の代々木競技場第一体育館でのステージでは、この中から結構、演ってましたね。

全曲でゲストを入れたのはどうしてですか?

こういう趣向の作品なので、応援してくれてるファンのみなさんが楽しんでくれることはもちろんですが、kz(livetune)やTom-H@ckなどの今の若い子たちが注目しているジャンルのアーティストも参加することで、ここから入って聴き始めてくれる人が増えてくれたらうれしいという気持ちもありました。ゲストは以前からの知り合いもいるし、初めましての方もいて。顔見知りではあっても、一緒に音を出したことのなかった人もいますし、この制作を通じて今後も何か一緒にやれたら面白いんじゃないかという気持ちもあったし。ひとりひとりに、なぜその人を選んだのか理由もあって。この曲をこういうマッチングでやったら、こういう面白いことが起きるんじゃないかと。単純に、この人の作るオケに僕の声が乗ったらどうなるのかな?っていう興味で選んだ人もいます。例えば「vestige - ヴェスティージ-」をアレンジしてくれた松谷 卓くんは、普段インストしか作ったことがなくて、彼がオーケストレーションした曲に歌が乗るのも、これが初めてだったそうです。「vestige - ヴェスティージ-」はもともと大きな世界観を持った曲なので、それをもっと大きく包容力のあるものにしたいと考えて、はなからオーケストラアレンジを希望していたんですけど、マッチングという部分で松谷くんとやったら面白いんじゃないかって。

映画音楽を聴くような壮大なものになりましたよね。

そうですね。松谷くんは普段からNHK のドキュメンタリーとかドラマの劇版とかを手がけてるし、すごく独特な世界観を持っています。そうかと思うと、Tom-H@ckなんかは、そもそもSNSを通じて知り合って、彼の人となりとかも分かってたし、いつか一緒に音を出せたらいいなと話してたんです。それで「Albireo -アルビレオ-」の本来持っているポテンシャルを引き上げてくれる人は誰か?と考えた時、Tom-H@ckくんの音作りがハマりそうな気がして。実際上がってきたものもすごく良かったし。

Tom-H@ckさんというと、アニメ『けいおん!』や『涼宮ハルヒの憂鬱』などの曲で有名。アニメの楽しくてポップなアレンジを想像して聴いたら、まったく違ったので面白かったです。また、「INVOKE」をアレンジしたkz(livetune)さんはボカロPとして有名なので、西川さんの声にオートチューンをかけて初音ミクみたいな声にしちゃうのかな?と想像していたんですけど…。

彼らのような音作りのやり方って、バンドをやってる人間からしたら突っぱねてしまったりしがちなんだけど、もともとT.M.R.ってそんな高尚な信念やフィロソフィーを掲げてやるようなものじゃなく、曲があって僕が歌えばそれはT.M.R.なんだという、結構シンプルなものだと思ってるんです。だからこそ、こういう企画が成立するわけで…kz(livetune)は、「INVOKE」のリリース当時いちリスナーとしてリアルタイムで聴いてくれてたそうなんですよ。今回は当時のリスナーに聴いてもらいたいという想いもあったので、彼ならその想いを一番いいかたちで着地させてくれるんじゃないかと思いました。実は、ぶっちゃけオートチューンもやってみたんですけど、僕の声にはかからなかったんですよ。

オートチューンがかからないとは、どういうことですか?

オートチューンって決めた音程になるように無理矢理補正をかけるから、声がひっくり返るみたいな効果が出るんです。つまり、音程をハズさないと効果が出ないという。そういうチャレンジは今回全部の曲でやってるんだけど、そこで分かったのは、カツが乗っても、ハンバーグが乗っても、カレーはカレーだということ。

T.M.R.はカレーだと。

そう。チーズ入れたり、納豆入れたり、曲ごとにいろいろやったんだけど、どうしてもカレーなんです。やっぱりカレーって強いなって、良くも悪くもそれがよく分かった制作でした(笑)

でも、それがT.M.R.の良さですからね。

そうなんですかね。僕にだっていろいろ思うところはあるんです。甘ったるく歌ってみたいとか、ふわっと息の成分たっぷりの声で歌いたいとか。やってみたけど、ダメだったんです(笑)

OKMusic編集部

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