【kainatsu】私がやりたいことは音楽
と言葉でみんなに発信していくこと

「凛ダンス」「愛すべき君のグレーゾーン」を収録した移籍第一弾アルバム『LiFEWORK』がついに完成した。およそ3年4カ月振りのアルバムに込めた想いを、作品の軸となるタイトル曲を中心に語ってもらった。
取材:田中隆信

ついにアルバム『LiFEWORK』が完成しましたが、じっくりと時間をかけて作れたという感じでしょうか?

そうですね。2年以上前からライヴで歌ったりして温めてきた曲もありますし、曲の制作期間を考えると長かったですし、じっくり作れたと思います。

Twitterでも『LiFEWORKプロジェクト』が推進されていますし、やはりタイトルにもなっている“LiFEWORK”という言葉がキーワードになっているんですよね。

はい。今、Twitter上で“あなたの「LiFEWORK」は何ですか?”って問いかけてるんですけど、結構悩まれてるみたいですね。辞書で調べると“一生かかって成し遂げる仕事”みたいな意味が出てきますし、重く考えちゃうんでしょうね。でも、中には“音楽を聴きながら、美味しいビールを飲むこと”って答えてくれた人もいましたし、受け止め方が人それぞれ違っていて面白いなって。 

辞書に載っている意味での“LiFEWORK”を探すとなると、答えることが難しかったり、悩んだりしますけど、“自分がずっとやっていきたいこと”っていうふうに考えたら、もっといろんな答えが出てきそうな気がしますね。

そうですよね。2011年に大震災があったことで、自分の音楽に取り組む時の気持ちにも変化があって、それも今回のアルバムタイトルに大きく関わってると思います。人生っていつ終わるか分からないですし、自分に与えられた時間と命をどう使っていこうか?っていうことも考えました。それまでは、自分自身に対するコンプレックスがすごく強かったりして、悩み癖というか、いつも何かにモヤモヤしていて、その原因が何かも分からずに満たされない感じだったんです。その気持ちを音楽で表現していたところもあったんですけど、それって何か言い訳なんじゃないかなって思ったりして…。震災後、私がやりたいことは音楽と言葉でみんなに発信していくことだというのが分かりましたし、“私”っていう与えられた命をちゃんと生き切らないとダメだなって。“私を生きること”“ 私を生き抜くこと”が私のLiFEWORKなんだなって今はハッキリと言えます。

そんな気持ちが、アルバムの最後に収められているタイトル曲に込められてるんですね。

はい、そうなんです。

この「LiFEWORK」という曲があったから、アルバムのタイトルも“LiFEWORK”にしたのですか?

実はそうじゃないんです。「LiFEWORK」以外の10曲が先にできていて、タイトルをどうしようかな?っていろいろ考えて、“ライフワーク”っていいなって思って、“LiFEWORK”というタイトルに決めたんですけど、その後にこの曲を作ろうって思ったんです。

1曲目から10曲目までは、それぞれタイプの違う主人公による物語が展開していて、まさに短編集のような感じになっていますけど、最後にタイトル曲が収まることでアルバムとしてのかたちがより鮮明に見えてくる感じがしました。

そう言っていただけると嬉しいです。10曲目までは、壁にぶち当たって自分自身と向き合わなくちゃいけない主人公が出てくるんですけど、最後のこの曲で“生きることが私のLiFEWORK”って、ちゃんとテーマを言えたので、より分かりやすいアルバムになったかなって。

そう考えると、このタイトル曲はかなり重要な曲ですね。

はい。作ったのも最後でしたし、レコーディングも最後でした。制作期間ギリギリに作った曲なので、この日までに歌入れが終わんなきゃいけないっていう状況の中で歌ったので、そのプレッシャーは半端なかったです(笑)。でも、思ってたほど緊張せず、リラックスして歌えました。この曲だけじゃなく、今回のアルバムの曲はどれも自分のベストの状態で歌入れができましたね。

“音楽と言葉で発信していく”という気持ちが、良い方向に導いてくれたのかも。

かもしれません。“今日歌えることを歌おう”、そう思えるようになった時、すごく楽になったんです。そう言えば、歌入れする時間はこれまでよりも早かったですね。

あと、初回限定盤のDVDには「愛すべき君のグレーゾーン」「ツヨガールシンドローム」「facebookとチューインガム」のミュージックビデオが収録されるということですが、それぞれどんな作品になりましたか?

「愛すべき君のグレーゾーン」は1カメ1カットで撮った作品です。屋外で撮影したので時間との戦いでもありましたし、緊張感もありました。いろいろと細かい仕掛けもあるので、じっくり観てもらいたいです。「ツヨガールシンドローム」は斬新な映像になっていますね。ツヨガールも出てきますし、結構演技しています(笑)。「facebookとチューインガム」は曲ができたのが1年ぐらい前だったんですけど、作った時にPVも撮ってたんです。動画が撮れるトイカメラで撮影したので、フィルムの写真みたいなザラッとした質感になっていて色味も独特な感じですね。ちょっと怖い曲でもあるので、曲の雰囲気に合った映像になっています。

それぞれタイプが違う映像作品になったみたいですね。

どの曲もストーリー性が強いんですけど、監督さんがそれを理解して表現してくれました。

さて、リリースの後はライヴですね。7月7日にSHIBUYA PLEASURE PLEASUREでのワンマンが決定していますが、どんなライヴになりそうですか?

私とギターとバイオリンというアコースティックな編成を予定しています。アルバムのアレンジを一旦取っ払って、アコースティックならではの発見があるライヴにしたいですね。詞曲をより濃密に体感してもらえたらいいなって。

どんなアレンジになるのか楽しみです。

はい。バンド編成でのツアーも行なう予定ですけど、まずはアコースティックでゆったりと楽しんでください。
『LiFEWORK』2013年05月29日発売Delicious Deli Records
    • 初回限定盤(DVD付)
    • UICV-9029 3500円
    • 通常版
    • UICV-1027 3150円
kainatsu プロフィール

カイナツ:幼少より自然と音楽に触れる環境に育つ。本格的に楽曲制作を始めたのは大学2年生の時。その翌年から地元である下北沢をはじめとした小田急線沿線でのキーボード弾き語り路上ライヴツアーを開始。2年間のインディーズでの活動を経て、2006年11月にシングル「下北沢南口」でメジャーデビュー。また、他アーティストへの歌詞提供を行なったり、自身が大のラジオ好きであることから、ラジオパーソナリティーとしての活動も大切なライフワークのひとつとなっている。kainatsu オフィシャルHP

OKMusic編集部

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