【片平里菜】十代の方だけでなく、ど
んな世代の方にも当てはまる
いよいよ待望のデビューシングルをリリースする片平里菜。表題曲となった「夏の夜」のことはもちろん、本作に焦点を当てつつ、シンガーとして、アーティストとしての彼女の姿に迫った。
取材:石田博嗣
ぶしつけですが、里菜さんにとって歌とは何ですか?
曲を作ること、歌うことは、自分にとってコミュニケーションの延長で、自然なものであり、感情を解放してくれる自由なものでもあります。なので、その表現したい感情に相応しいメロディーと言葉を探し当てていくように曲作りをしています。
いよいよ待望のデビューシングル「夏の夜」がリリースされますが、デビュー曲にこの曲を選んだのはどうしてですか?
この曲は曲作りを始めたばかりの頃にできた曲のひとつでもあり、『閃光ライオット2011』で賞をもらうきっかけになった曲でもあるんですね。十代のリスナーさんやいろんな方から反響があったので、このタイミングで改めて盤にして届けたいと思ったんです。
「夏の夜」は高校3年生の時に作られた曲とのことですが、この曲が生まれた背景はどういうものだったのでしょうか?
夏の夜にひとりでギターを弾いていた…その時の状況がそのまま歌になりました。十代の悶々とした感情や孤独感が表現されてる歌だと思います。
「夏の夜」を書き終わった時、どんな気持ちになりましたか? 歌詞の中にもありますが、《誰も知らない自分》の存在を伝えることができたという感覚はありました?
曲ができても、まだ自分の中だけの歌でしかなかったので、“伝えることができた”という達成感はなかったですね。でも、それはライヴで歌って初めて実感しました。
確かにそうかも…。もともと「夏の夜」は弾き語りの曲だったと思うのですが、そこにストリングが入ってやさしさと包容力のあるアレンジが施されていますが、アレンジャーの島田昌典さんとはどのようなことを話し合いましたか?
なるべくシンプルにしたいということは伝えました。結果、夏の夜の実際の自分の記憶からさらにイメージを広げてくれましたね。
そんな「夏の夜」のレコーディングですが、歌入れの際にどんな気持ちでブースに入ったのでしょうか? やはりライヴで歌う時とは違いました?
ライヴ同様に歌うのが目標でしたが、まだヘッドフォンからの音を聴いて歌うのには最初慣れませんでした。
2曲目「baby」ですが、この曲はどのような想いから生まれたのでしょうか?
恋愛に夢中になりすぎて周りが見えなくなるのはすごくもったいない、小さくならずにもっともっといろんな世界を見て大きく生きたらいいのに…という想いから生まれた曲ですね。この曲は先に配信リリースした「始まりに」と同時期に作った歌です。
この曲も「始まりに」と同様、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの山田貴洋さんのプロデュースなのですが、「baby」をバンドサウンドにする作業はどんなものでしたか? ギターバンドばりの疾走感のあるロックサウンドでありつつも、歌とアコギが真ん中にあるのですが、それは里菜さんのこだわりで?
デモ段階ではミディアムテンポな歌だったんですが、「始まりに」がしっとりとした曲だったので、もう一曲アレンジするならアップテンポな曲にしたいと山田さんと話し合いました。バンドのレコーディングは初めてのことだったので、全てが新鮮でしたね。ただ、弾き語りしかしていない時期だったので、アコギが完全にバンドに埋もれてしまうのは、やはり抵抗がありました。
3曲目「Come Back Home」ですが、この曲はどのような想いから生まれたのでしょうか?
福島と東京を行き来する中で生まれた曲ですね。混み混みした東京に居るのが疲れて帰りたくなることもあるし、地元に居すぎるのも自分にとって甘えてしまう場所だから良くない。でも、どちらも好き。
カントリーのエッセンスがある曲ですが、アレンジする際には里菜さんからはどんな要望を?
この曲は最初からカントリー調のイメージで作りました。ただ、デモ段階はこれもとってもゆったりとした曲でした。アレンジをお願いしたら、周りの方のリクエストもあって明るく跳ねた曲になったんですけど、これはこれですごくお気に入りです。
4曲目には今年の1月に配信リリースした「始まりに」のアコースティックバージョンですが、この曲を再度収録したのはどんな想いから?
4月の弾き語りツアーでこの曲をずっと歌ってきたので、デビューシングルで弾き語りの「始まりに」を収録することはすごく感慨深いと思って。
ちなみに、これはスタジオライヴですか?
今回のレコーディングで得たものは、どんなものがありますか?
曲作りをするのに想像を掻き立てられました。“こんな曲を作ってみよう”とかイメージしながら作ることが多くなったと思います。
このデビューシングル「夏の夜」ですが、里菜さんにとってどんな作品が完成した実感がありますか?
十代の方だけでなく、どんな世代の方にも当てはまる歌なんじゃないかと思いますね。
本作で本格的なデビューとなるわけですが、メジャーデビューしてやってみたいことはどんなことですか?
日本全国いろんなところでライヴがしたいし、次は海外でもライヴをしてみたいです。
最後に、里菜さんが理想とするアーティスト像はどんなものなのでしょうか?
40、50歳になっても音楽を長く続けていきたいです。そのためにも、その時その時表現したいことを表現し続けられる人になりたいと思っています。
- 「夏の夜」
- PCCA 03871
- 2013.08.07
- 1260円