L→R 小林賢司(Ba)、小林要司(Vo&Gu)、田中秀作(Dr)

L→R 小林賢司(Ba)、小林要司(Vo&Gu)、田中秀作(Dr)

【Large House Satisfaction】現代の
暗闇を突き抜ける漆黒のサウンド

前アルバム『HIGH VOLTEX』から10カ月。心憎いまでに王道をひた走る新作は“in the dark room”と名付けられた。ロックの危うさ、ブルースの倦怠感に満ちた暗黒の世界へようこそ。
取材:町田ノイズ

今回はエンジニアに山口州治さん(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、THE YELLOW MONKEYなどを担当)が参加されていますが、一緒に作業されてみてどうでしたか?

賢司
めちゃくちゃ助けてもらいましたね。最初に録ってもらった時点ですごく良かったんで、ミックスの段階で苦労することもなかったです。

前作の楽曲に共通していた“ストレートなロック”とは毛色が違って、王道のブルースも感じられる内容ですね。教科書代わりになりそう。

秀作
自信作ですよ。ひとり10枚ずつ買ってほしいくらい(笑)。
賢司
曲作り自体は前作のレコーディングが終わってからすぐ取りかかっていたんですけど、とにかく“黒い感じ”“重心の低い感じ”を強く意識しました。「その間隙で揺れている」とか“こんなバカな曲、誰もやってないっしょ”って思いながら(笑)。
要司
重さの中にもちゃんとポップネスを落とし込んで、メロディーも詞もしっかり届くように書けたと思います。

アルバムタイトルとリード曲「暗室」が呼応していますね。

秀作
「暗室」は他の人には出せないグルーブだったり、リフだったりをうまく出せた曲なんで、僕は一番気に入っていますね。黒さもエロさも表現できているし。ライヴで一緒に頭振りながら踊ってほしいなと思うし、ロック雑誌を読み始めたばかりの子が背伸びして聴くような曲になったとも思います。

ダーティだけど踊れるところが素晴らしいです。イヤフォンで聴いていてもとても楽しい。

要司
演奏する時も楽しいですよ。「暗室」の最初のコンセプトとしては、涼しくなった夏の夕方に子供たちが鬼ごっこしているような情景が浮かんだんですよ。でも、それだとあまりにも平和的で、俺たちのイメージじゃねぇよなぁって違和感があって(笑)、“今は何の鬼ごっこをしているんだ?”って着地して最終的に妖艶な歌詞に仕上げました。

10曲目の「I’m In Time」は歌詞の切り口が違いますね。

賢司
プロデューサーがどうしても入れたいって推したんですよ。“すごいいい曲だし、まだ流通していないし(2008年に制作された未流通アルバムに収録)、みんなに聴かせない手はない!”って。最初はためらったんですけど…。
要司
それこそ俺が歌い始めたばかりの頃、6年くらい前に作ったすごく古い曲なんで、今こんなストレートなのは歌えねぇって反対しましたね。でも、実際リハでやってみたり、他の曲と比べてみたりしたら根本的なところは何にも変わってないんだって気付けたんですよ。だから、パッと聴きは違う感じもするんですけど、1曲まるまるちゃんと聴くと、終着点として芯が通っていて、きちんとかたちになっている。
秀作
下北沢CLUB251でしかライヴをやってなくて、お客さんが0人で店長に怒られたりしていた頃からやっていた曲だから(笑)、叩いていてもいろいろ思い出す一曲ですね。今回収録されて嬉しかったです。

過去も現在も全て詰まった集大成である、と。

賢司
前作で足りないと思っていた“ぶっとくて渦巻いた感じ”が出し切れたし、ライヴでやるごとに自分たちも曲自体もパワーアップしていると思います。7月30日から始まるツアーももちろんですけど、11月のワンマンはずっと出演していた下北沢CLUB251が会場だし、ライヴハウスも20周年ということで、最高にカッコ良いものを観せるんで、ぜひ観てほしいですね。
『in the dark room』
    • 『in the dark room』
    • GRRC-40003
    • 2013.07.17
    • 2000円
Large House Satisfaction プロフィール

ラージ ハウス サティスファクション:2005年、高校の同級生だった小林賢司と田中秀作が組んでいたバンドに、賢司の弟である小林要司が加入し結成。70〜80年代のロックシーンから影響を受けた、荒々しく骨太な楽曲は正統派にして唯一無二の3ピースバンド。Large House Satisfaction オフィシャルHP

OKMusic編集部

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