L→R Bunta(Dr&Cho)、Kuboty(Gu&Cho)、Jose (Vo&Gu)、Shun(Vo&Ba)

L→R Bunta(Dr&Cho)、Kuboty(Gu&Cho)、Jose (Vo&Gu)、Shun(Vo&Ba)

【TOTALFAT】さらなる前進の起爆剤と
なり得る 熱い息吹に満ちた初のベス
トアルバム

インディーズ時代の曲は全て新録し、新曲も収録された初のベストアルバム『THE BEST FAT COLLECTION』。TOTALFATの偉大な足跡を辿りつつ、未来への期待が大いにふくらむ一枚となった。
取材:田中 大

“ベストを尽くした”っていうほうのベ
ストアルバムじゃない?

初のベストアルバムですね。

Shun
そうです。俺らは毎年長いツアーを回っては作品を出し続けていて。曲は増えているんですけど、周りのバンド以上に昔の曲もライヴでやっているほうなんですよね。そういう昔の曲がリアルな現場で熱を帯びて響いているのを感じる中で、“いずれ録り直したいね”っていう話は、俺らの間で常日頃から出ていたんですよ。あと、“ベストアルバムをみんなで盛り上がって出せるタイミングってどこかにあるよね?”っていう話も前からしていて。それが今回のタイミングなのかなと。7月にミニアルバム(『SEVEN LIVES』)を出して、そのカウンターで20曲入りのベストアルバムを出すのっていいなと思ったんです。ふと気付いたら、“インディーズデビューしてから今年で10年だね”というのもあったし。でも、ただ編集盤を出すのは、何かが違うのかなと。“今でもこの曲たちをライヴでやっていて、ライヴが盛り上がって、TOTALFATは今こういうふうに活動しているんだ”っていうのは伝えたかった。そういうのもあって、昔の曲は録り直しました。
Jose
どの曲を収録するかいろいろ考えたんですけど、やっぱり今でもライヴでやっているものを選びました。まだまだ現役の曲ばかりです。もしワンマンライヴで今回のアルバムの曲順通りにやったら、俺らもヘトヘトになるんだろうなと(笑)。それくらい攻めている作品になっています。バンドとしての持ち味である元気の良さって、これを聴いてもらえれば絶対に分かると思います。聴いてスカっとしてほしいです。
Bunta
インディーズの曲が新録っていうのが、一番のトピックじゃないですかね。新録することによって、俺らの成熟した演奏感、ヴォーカル感で届けられるというのが嬉しいです。メジャーで出したものは新録じゃないですけど、それはこの3年間のサウンド。そういう曲が集まっているこのベストアルバムは、“今のTOTALFATが全力で作った”っていうものになっていると思います。“ライヴアルバム”とまでは言わないけど、それに近いような空気も入っているんじゃないですかね。このベストのための準備ってほとんどしていないんです。それくらいライヴでいつもやっている曲なので。いつものレコーディングの2倍、3倍のペースで進んだんですけど、クオリティーはいつもと変わらないものになっています。バンドとして培ったものが、そのまま出せていますね。
Kuboty
録り直しは楽しかったですよ。僕は中学生、高校生くらいの時に今の自分の技術の9割方が身に付いていたので、逆に今になって改めて昔の曲を弾いてみて、“おい! これ難しいじゃねえか!”みたいなのもありましたけど。改めて昔の自分が弾いたものをコピーして勉強になりました(笑)。あと、今回2曲ほどにギターソロを追加したりもして。僕は2004年加入なので、「Nothing But」は初めてレコーディングしました。今回の収録曲の中だと唯一レコーディングを体験していなかった曲なので、僕としては新曲みたいな感じです(笑)。新しい魂としてオリジナルにはなかった、かなりイケてるギターソロを入れました。
Shun
これはいいソロだよ。
Jose
すごくいい。
Kuboty
このアルバムでベストギターソロくらいの感じのものが弾けました。「Nothing But」は今回の中で一番古い曲なんですけど、最新のギターソロが入るという(笑)。なんだか不思議な感じもあります。他はほぼもともとと同じギターソロなんですけど、「Starting New Life」と「Nothing But」はまったく違うものにしたんです。

TOTALFATってKubotyさんのギターによってハードロック、ヘヴィメタル的な要素が加わっているのも、個性につながっているんですよね。

Shun
そうなんですよね。もともとはその要素ってなかったんですけど、Kubotyが2004年に正式加入したところで、サウンドがガラっと変わったんです。イノベートされていったというより、そこで初めて確立されたんだと思います。

そもそもTOTALFATの始まりって、1999年に高校の同級生だったShunさんとBuntaさんがオフスプリングのライヴを観に行った帰り道で“バンドをやろう”っていう話をしたことがきっかけですよね?

Shun
そうです。ライヴを楽しんで、クタクタで、瀕死の状態で、お互いに会話もできないくらいの感じだったんですけど。そこでボソっと出てきた言葉が“バンドやろう”(笑)。ほとんど会話がいらないくらいすごいライヴでした。僕はずっとバンドをやりたかったんですけど、間違いなくオフスプがスイッチを入れてくれましたね。
Bunta
ベスト出すまでやることになるとは、その時は考えてもいなかったけど(笑)。若い頃だったらベストを出すことに抵抗感があったかもしれないけど、こうやって作ってみて、改めて録ってみたりして感じるのは、“良かったなぁ”っていう気持ちです。感慨深い(笑)。もちろんここで満足しているわけじゃないし、もっと行くためのベストなんですけど、ベストを出せるまで続けられたっていうことは、バンドマンとして幸せだと感じています。
Jose
なんかこのベストって、一般的に言われるベストと違う感じもあるんだよね。
Shun
“ベストを尽くした”っていうほうのベストじゃない?
Jose
そうかも(笑)。
Bunta
そうだね。ここからもっと上に行くためのベスト。

この人たち、この先のことをすでにバリバリに考えているんだろうなっていうのが伝わってきますもん。新曲の「Teenage Dream」は、まさにそうだし。

Shun
まだ十代のことを引きずっているんですよ(笑)。
Jose
確かに(笑)。
Shun
そこから抜け出せない病気です(笑)。
Bunta
『SEVEN LIVES』のツアーファイナルも、高校の同級生や後輩のバンドと一緒にやるんですけど(対バンのBIGMAMA、グッドモーニングアメリカは同じ高校の出身)、生き残っているヤツらって、その当時の気持ちを今でも持っているんですよね。例えば、このベストを担当するレコード会社の営業のヤツは、俺らの高校の同級生だったりするし(笑)。
Jose
そいつと一緒に旅行に行ったりしていました(笑)。
Shun
一緒にスノボへ行ったり、女の子にフラれた時に俺の家に泊まりに来たり(笑)。俺らの周りのヤツらって、ちゃんと点と点を線でつないでここまでやってきたんです。みんな音楽を通して豊かな時間を過ごしてきたヤツら。だからこそ、今でもお互いにつながっているんですよね。そうやって過ごしてきた十数年間にはすごく自信があります。そういう気持ちもこのベストを作って改めて出てきたのかな。

OKMusic編集部

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