L→R HAYATO(Piano)、HIRO(Cajon)

L→R HAYATO(Piano)、HIRO(Cajon)

【→Pia-no-jaC←】世界にあふれる多
彩な旋律とリズムを吸収。唯一無二の
サウンドを奏でる最新アルバム

さまざまな音楽のエッセンスを採り入れた最新オリジナルアルバム『Re:EARTH』。 絶妙なグルーブと華麗なメロディーを躍動させつつ、清々しい空間を作り上げる一枚だ。 今作についてHAYATO(Piano)が語ってくれた。
取材:田中 大

オーガニックなサウンドから都会的なサウンドまで、すごく多彩な風味を味わえる一枚ですね。

いろんな国を旅しているようなアルバムにしたかったんです。だから、和風だったり、アフリカンだったり、ボサノバだったり、いろんなところの音楽を採り入れて作りました。

そのコンセプトはどういう経緯で出てきたのですか?

僕たちはオリジナルとカバーの作品を交互に出しているんですけど、去年出したオリジナルアルバムの『暁(アカツキ)』は、震災のあとに思ったことや、“夜明けは必ずくるんだよ”っていう気持ちを込めたんです。それを引っ提げて全国ツアーをした時に、音によってみんなに元気になってもらえるものになったという印象があったんですよね。だから、その次の一歩として、国境とか人種とかを越えて、地球全体の人にメッセージを発信したいと思ったんです。

→Pia-no-jaC←って、もともといろんなサウンドの要素が入ったミクスチャー的なところがありますよね。

そうなんですよね。毎回新しいことを採り入れたいと思っていますし。でも、今回は特にワールドミュージックをいろいろ吸収しました。それは新しいトライでしたね。今回の制作のためにいろいろな音楽を聴きました。“どういう音使いなのか?”とか考えながら。例えば、アフリカンなものを意識した「Savanna」もまさにそうですよ。その結果、ピアノとカホンで会話し合うような感じになりました。“あっちに象がいるぞ!”ってふたりで音で会話して、狩りをするようなイメージとかが入っていたり(笑)。いろいろな会話をしている曲ですね。自由に想像して聴いていただければと思います。

水が流れるような音が入っていたり、いろいろな味付けが施されているのも面白いです。

それはHIROですね。“こういう音が欲しいな”って言って、それに対してHIROが“こんなのはどう?”っていろいろやってみてくれるんです。

面白い音が出るものをよく探しているみたいですね。

ゼンマイを巻く音が出したくて、オモチャ屋さんで探したりしていたこともありましたからね。100円ショップもよく行っていますよ。100均とかで売っているタンバリンでしか出せない音とかがあったりするみたいなので(笑)。

(笑)。では、他の曲の話に移りますが、1曲目の「METRO POLIS」は、すごく都会的なサウンドですよね。

プログレ的な要素も入りつつ、頭と真ん中と最後のキメのフレーズは、モールス信号的なイメージ。世界各国へ向けてメッセージを発信するかのような。言葉ではなく音という、世界中の人にとって共通のチャンネルを通して発信しているような感じですね。もともとはテクノをイメージして作っていたんですけど、どんどんこういうかたちになっていきました。

「“Destruction”a moll Op.1, No.38」は、ピアノのソロ曲ですね。新鮮でした。

初のピアノソロ曲です。僕が一度挫折したクラシックみたいな曲を作りたいなと。でも、なかなかできなかったんです。だから、お休みをいただいた時にクラシックの本場のプラハとウィーンに行きました。丁度、音楽祭が行なわれていました。そこで吸収して、帰ってきてから一気に作ったのがこの曲です。タイトルの中に入っている“38”という番号は、プロデューサーとやり取りをした回数(笑)。

(笑)。「Flor do Sol」は、オシャレなテイストですね。

ボサノバみたいな温かいやさしい感じにしたいなと思っていました。これはぜひみなさんにコピーしていただきたい(笑)。きっと、しやすい曲だと思うんです。弾いていても楽しいですし、やさしい気持ちになれます。

「Triad」は、躍動感がすごいです。

来年の春に公開される『サンブンノイチ』という映画のテーマ曲を僕らがやっていまして。そのテーマ曲がこれです。台本を読んでイメージを膨らませて作りました。実は映画にも少し出ているんです。演奏シーンですけど。ぜひ観てください(笑)。テンポもグルーブも変化していくので、HIROとアイコンタクトを交わさないと演奏できない曲です。

「風雅」は和テイストですね。

もっとも僕らが得意とする感じを前面に出しています。意識しなくてもそういうところは出るんですけど、これはもろに意識しています。みんなの背中を後押しできるようなものにしたくて、突っ走ったものになりました。応援歌ですね。HIROのビートは祭り太鼓を意識したものになっています。

そして、作品全体を締め括るのは「Evergreen」。

今までになかった大バラードを作りたいと思っていました。何があっても力強い豊かな緑のような、ワールドピースを願うようなものをイメージしていました。葉加瀬太郎さんとのコラボでいろいろ勉強させていただいたことを全部出したような感じにもなっています。葉加瀬さんに教えていただいたことのひとつは“間を楽しむ”。今まではいろいろ詰め込んで、音数で面白くする感じだったんですけど、“音抜いてみたら?”っておっしゃったんです。最初は音を抜くのが怖かったんですけど、その意味がどんどん分かってきて、楽しめるようになってから作ることができたのがこの曲です。

このアルバムが出たあとは、全国ツアー?

はい。37カ所を回ります。『Re:EARTH』を引っ提げてのツアーなので、その世界観を全カ所で伝えられればいいなと思っています。僕たちも曲にちゃんと向き合って、しっかり伝えていけるツアーにしたいです。

大晦日はカウントダウンライヴですね。

地元の大阪です。初めてのカウントダウンなので、ちゃんとできるのかドキドキしています。“いつの間にか年が明けてた!”なんていうことがないように(笑)。

『Re:EARTH』2013年11月20日発売PEACEFUL RECORDS
    • 【通常盤】
    • XQIJ-1009 2000円
    • 【ヴィレッジヴァンガード限定盤(DVD付)】
    • XQIJ-91007 2500円
    • 【初回限定盤(DVD付)】
    • XQIJ-91006 2500円
→Pia-no-jaC← プロフィール

ピアノジャック:ピアノ担当のHAYATOとカホン担当のHIROによるインストゥルメンタルユニット。グループ名はふたりがそれぞれ担当する楽器、ピアノとカホンを組み合わせたもの。2005年に結成し、08年9月に1stアルバム『First Contact』をリリース。ピアノと打楽器というシンプルな構成ながら、ジャズとクラシックを融合させた音楽性、重厚な力強さと跳ねるような繊細さを併せ持った楽曲で注目を集めている。→Pia-no-jaC← オフィシャルHP

OKMusic編集部

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