【WAR-ED】僕ら4人と一緒に成長して
きた曲だと思います
関西を中心に活動してきた4ピースバンド、WAR-ED。メジャーデビュー曲「光を探して ~未来の君へ~」は“未来を夢見て前に進もう”と背中を押す曲。山下慎司(Vo&Gu)にこのデビューシングルとバンドについて語ってもらった。
取材:桂泉晴名
WAR-EDメンバー4人の特徴を教えてください。
僕が作詞作曲をして、他のメンバーが後を固めてくれます。一番年上の嶋津宗成(Dr&Cho)は雰囲気を盛り上げてバンドを引っ張ってくれる人。弟の嶋津義貴(Gu&Cho)はサウンド面で力を発揮してくれて、曲のアレンジについて最初に相談します。藤林慶之(Ba&Cho)は一番冷静な判断や発言をしてくれるタイプ。歌詞についても“ここはいい。ここはおかしい”と言って、深く追求してくれます。
デビュー曲「光を探して ~未来の君へ~」は、現メンバー体制になってから最初に作った曲だそうですね。
このメンバーになって初ライヴ(2012年3月20日)で披露したオリジナル曲です。ただ、この曲が出来上がったのはライヴ2日前(3月18日)。その日の夜にバーッとみんなに送り、メンバーがすぐ覚えてくれて、翌日にリハーサル、そして次の日が本番(笑)。
え! メンバーからクレームはなかったんですか?(笑)
少しの戸惑いは見え隠れしていたし、後々聞くと“あれはしんどかった”と言われましたけれど(苦笑)。でも、とてもいいライヴになったので、この曲をやって良かったです。1stライヴ以降、どのライヴでも100パーセントやっている曲だから思い入れがありますし、ライヴを重ねるごとに良くなっていって。僕ら4人と一緒に成長してきた曲だと思います。
WAR-EDとしてはどんな音楽を目指していますか?
僕らは“メッセージ性と歌”を大事にしようと思っています。バンド名は“戦争が終わった”という意味を持つ造語なんですが、これは“争いが終わって希望が持てる未来に良い音楽を届けたい”という願いを込めてつけました。根本にその考えを持ちつつ、日常の目線からメッセージを書いて曲として届けていきたい、というのが活動のコンセプトです。
山下さんはどのようにして曲作りをするのでしょうか?
ヴォイスレコーダーをいつも持ち歩いていて、アコギとメロディーだけで一発録り。そんな感じで曲を作っています。
最近パソコンで作る人が多いのに、珍しいですね。
慣れてしまっているので。あと、この方法だと“こんな感じで歌いたいんだ”とか“この感じで曲を仕上げたい”という自分の思いが示しやすくて。メンバーも曲の空気感を分かってくれて、そこからアレンジを膨らませてくれるんです。まぁ、“アナログすぎる”とは言われるんですけれど(笑)。
デビュー曲は予備校CMタイアップ曲にもなっていますね。
夢を追っている人の背中を押せる歌にしたいなと思って。今回シングルにするにあたっては少し歌詞とアレンジを変えて、よりメッセージ性を強くしました。
2曲目「もう一度考えよう」はストレートな楽曲ですね。
新しい曲でメッセージ性の強いものを作ろうと思ったんです。僕は普段メロディーから作りますが、「もう一度考えよう」は初めて歌詞から曲を書き始めました。書きたいことをバーッと書いていったんですけど、歌詞に負けないようにメロディーを作り出さなきゃと思ったので、メロディーは苦戦しましたね。歌詞では結構激しいことを言っているんですけれど、伝えたいメッセージが響くようなメロディーを意識して制作しました。
歌詞に“リア充”という今らしい言葉が入っているのが印象的でした。
はやり言葉は時代とともに消えていくかもしれないので、入れる時は悩みますね。でも、今しか使えない言葉だし、この後使えるかどうかも分からないので、そこは勇気を出して。これはメンバーと話していたことをヒントにもらって作った曲です。ある時、藤林くんが“世界なんて滅びてしまえばいい”と言っていたのがきっかけで。
その歌詞は藤林さんの言葉だったんですか!?
彼の言う“世界”は、“争いの絶えない世界”という意味なんですけど。それが何だか頭から抜けなくて、“とりあえず書こう”と思って。彼は武器になるような言葉をいつも発しているから、僕は藤林くんの言葉を聞き逃さないようにしています。本人は分かっていないかもしれないんですが(笑)。あと、この曲のサビ頭の《もう一度考えよう》という部分はみんなで歌えるようになっているので、レコーディングでは4人一斉にマイクを囲んでコーラスを入れたんです。わりとみんな高い声が出るので、結構バシッと決まりましたね。実はレコーディング日がライヴ当日で、リハーサル前の朝早くに集まって、コーラス入りをしてからライヴに向かった、なんてエピソードもあります(笑)。
あのコーラスにはそんな背景があったんですね。3曲目「生きたくても生きれない生命」はしっとりした曲ですね。
メンバーチェンジ前のWAR-EDでやっていた曲なんですが、新たにこのシングルに入れることになったので、WAR-EDという名前の由来に沿って改めて歌詞を書きたいと思って入れた曲です。アレンジについて以前はポップでさらっとしていたけれど、今回はまさにバンドでやっている感じのアレンジになりました。去年の年末に初めてワンマンライヴをした時にこの曲を初披露しましたが、僕も歌っていてとても感情が入ります。最後に《君となら》というフレーズがあって、そこは一行だけで終わるんですけれど、ライヴの時に感情が高ぶってしまって、何回も《君となら》をフェイクして繰り返していたんですよ。そうしたら“ライヴの歌い方が良かったから、レコーディングではそれでいこう”となって、最終的にライヴバージョンで歌いました。
そんな3曲を収めた本作でメジャーデビューを果たし、今後はどんな活動をしていきたいと考えていますか?
やっとスタートラインに立ったという思いですから、これからより多くの人に聴いてもらいたいですし、僕らも気合を入れていきます。今、新曲を作っていますが、今後もWAR-EDのコンセプトからズレずにいろいろな曲を出していきたいです。また3月22日に大阪でワンマンライヴも決まっていますので、僕たちに会いに来てください!
- 「光を探して~未来の君へ~」
- GZCA-4139
- 2014.03.19
- 1200円
ウォード:大阪で結成された4人組バンド。メンバーチェンジを経て2012年春に再結成。13年8月にインディーズレーベルより2枚目のミニアルバム『Essence of the Heart』をリリース。同年12月に行われた自身初のワンマンはソールドアウトを記録した。14年 3月、メンバーチェンジ後に初めて行なったライヴから大切に演奏し続けてきた「光を探して 〜未来の君へ〜」が大型 CM のタイアップに決定し、メジャーデビューを果たした。WAR-ED オフィシャルHP