L→R  UTA(Gu)、未架(Dr)、匠(Gu&Piano)、京(Vo)、YUCHI(Ba)

L→R  UTA(Gu)、未架(Dr)、匠(Gu&Piano)、京(Vo)、YUCHI(Ba)

【sukekiyo】正体不明の新バンドが遂
にヴェールを脱ぐ!

怒りよりも 人間味のある音楽性

実際の曲作りはどんな感じで?

匠と曲を作るんですけど、口ギターで作ります(笑)。

口ギターなんですか?

うん、細かくね。“そこはもっとギュイーンと!”みたいな(笑)。僕はコードとか一切分からないので、“そこはこのメロディーが乗るコードで”とか。

匠さんがそれを汲み取って?(笑)

あいつはめちゃくちゃカチカチしてるんで、気持ち良いです。DIR EN GREYのマニピュレーターをやってる時も、リハの時に何時からこの曲を合わせてって黒板に書いて、その時間通りにやってくれるんですよ(笑)。

(笑)。では、話を戻しますが、鼻歌や自然に出てきたメロディーを大事にして?

DIR EN GREYやsukekiyoもそうですけど、初めて楽曲を流すと同時に軽く歌を録るんですよ。その時に出てきたメロディーを大事にしてるから、自然な流れですね。その時にシャウトが出てこなかったら、シャウトじゃないんだなって。あえてハズしてシャウトを入れることもあるし、楽曲が呼ぶメロディーを意識している点はDIR EN GREYと一緒です。アルバムを通したストーリー性はないけど、1曲目の「elisabeth addict」はラストのイメージで作っていて、2曲目の「destrudo」はSEなんですよ。だから、エンディング始まりみたいな。で、最後の「in all weathers」では1曲目のピアノのメロディーを弾いてるので、そういう意味で映画っぽい流れはありますけどね。

なぜ「elisabeth addict」を最初に持ってこようと?

大体1曲目はSEだったり、激しい曲で始まることが多いじゃないですか。個人的に映画がすごく好きなので、映画っぽい世界観を音に入れられたらなと。1曲目からエンドロールが流れて、最初にオチが分かって、なぜこのオチに行き着いたのかって。そこからアルバムの世界に入ってくれたらいいなと。

オチから見せるというのは反則技な感じもしますが、それも誰もやらなそうなことだから?

sukekiyo自体の楽曲もそうだけど、宣伝やライヴも含めて、何をするか分からない予測不可能なバンドでいたい。それもバンド名に含まれてるから、大事にしたいんですよ。後輩のバンドをプロデュースする時に“sukekiyo”という名前を使ってるんですけど、sukekiyoって『犬神家の一族』のイメージが最初に出てくると思うんですよ。犬神佐清(いぬがみすけきよ)は白いマスクを被ってるし、謎じゃないですか。このバンドも激しいのか暗いのかまったく分からないし、どんなジャンルか不明だから。それと、バンド名がダサい!(笑) そこがすごく気に入ってます。

(笑)。バンド名はすぐに覚えられますけど、サウンドや歌詞はすぐに理解できないものに惹かれる?

こういうバンドがいたら面白いというものをかたちにしたいし、自分でもワクワクできるバンドを作りたかった。シングル、アルバムを何枚出すとかそういう決まりもなく、“あぁ、sukekiyoっぽい”と感じてもらえるバンドにしたい。

その考えはどこからきてるのですか?

特にないんですよね。楽しいことじゃないと力が出ない人間だから(笑)。

サウンド面の特徴としては民族楽器を導入したり、水の音も効果的に使われてますね。

バンドサウンドも好きだけど、民族楽器自体が好きで。DIR EN GREYでもアンプラグドをやってるし、好きなんですよ。ああいう空気感をうまくバンドサウンドに混ぜて、いろんな楽器で表現できたら面白いんじゃないかと。匠と最初に曲を作ってる時は、もっとマニアックでしたよ。ほんと民族楽器だけで作ったりして、すごく聴きにくいものでした(笑)。基本そういうものが好きですね。水の音もいろんなところに入れてるけど、それも楽曲が呼んでいたからで。

水は人間には不可欠なもので、生命に関わるものですけど、そういうイメージもどこかに?

それはテーマじゃないけど、sukekiyoの曲に関してはイメージが出やすかった。昔は太陽、風とか自然のものを取り上げてたけど、それがより色濃く出てるかもしれない。どちらかと言えば、怒りはあまりないですね。DIR EN GREYはそっちの要素もあるけど、sukekiyoはより人間っぽいというか。人間が生まれて死ぬまでの間の憎悪じゃない部分…やさしさが出てるかもしれない。細かい話になるけど、DIR EN GREYではメロディーに沿ったフレーズとか誰も入れないんですよ。でもsukekiyoに関しては、同じメロディーを弾いてくるんで、“おっ、歌に被せてきたよ”って(笑)。DIR EN GREYはガツガツぶつかり合う感じだけど、sukekiyoはフワーッと空気のように曲ができる。

アコギもたくさん入ってますし、スケール感のある曲調ばかりですね。

音の壁とかじゃなく、空間を広く使いたくて、そこは大事にしてます。あまり詰め込みすぎず、歌ももっと入れようと思ったらできたけど、抜く作業のほうが多かった。

紙資料に“理想と現実、愛と性。”というキャッチコピーが付いてますが、音や歌詞もどこかウェットな質感もありますね。

そうですね。DIR EN GREYはクセがあるけど、sukekiyoではそれを考えずに歌ったから、そういうテイストが出てるかもしれない。

それと、初回特典盤CDはリミックスを含む豪華コラボレーション作で、Devilslug名義でKORNのJonathan(Vo)も参加しているのにも気になりました。

KORNっぽい感じではないけど、面白いと思います。他にキリトくん(Angelo)と一緒に歌った曲もあるし、リミックスに関しては楽曲を投げて、好きに遊んでくださいと。みなさん快くOKしていただいて、個々の色がすごく出てるんじゃないかな。sukekiyoに興味ない人でも、リミックスだけで十分に楽しめるかなと。
『IMMORTALIS』2014年04月30日発売FIREWALL DIV.
    • 【初回生産限定盤】(2CD)
    • SFCD-0133~4 3800円
    • 【通常盤】(CD)
    • SFCD-0135 3200円
    • 【初回仕様限定盤】
    • PZSK-0002~4 10000円
    • (2CD+Blu-ray+Special Booklet +T-shirt)
    • 【初回生産限定盤】
    • PZSK-0002~4 7500円
    • (2CD+Blu-ray+Special Booklet)
sukekiyo プロフィール

スケキヨ:DIR EN GREYの京(Vo)が、詩集、写真集、絵、イラストに続く新たなプロジェクトとして結成。他のメンバーは匠(Gu&Piano)、UTA(Gu)、YUCHI(Ba)、未架(Dr)。13年年末のシークレットライヴ2本を経て、14年元日、世界111カ国のiTunes Storeにて「aftermath」のミュージックビデオを配信し、本格始動を開始。sukekiyo オフィシャルHP

DIR EN GREY プロフィール

ディル・アン・グレイ:カテゴライズ不能かつ不要なロックバンド。1997年の結成当時から全米デビューを果たした現在に至るまでの間、音楽的にも視覚的にも変化を重ねてきた一方で、徹底的に自分たちのロックを追求しようとする姿勢は変わっていない。いくつものトレンドが生まれては消え、消費されるだけの音楽が存在理由を失っていく中、彼らの創造するものがジャンルや国境の壁を超えながら共鳴を集めている理由は、まさにそこにある。DIR EN GREY オフィシャルHP

OKMusic編集部

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