【南壽あさ子】悲しみを希望に変えて
突き進んで行く主人公を描いています

ピアノの弾き唄い、南壽あさ子のメジャー3枚目のシングル「みるいろの星」。TK(凛として時雨)をサウンドプロデューサーに迎えた、これまでの作品とは違う色を感じさせてくれる意欲作だ。
取材:田中隆信

3枚目のシングル「みるいろの星」が完成しましたが、この曲はまだライヴで歌っていない曲ですよね?

はい。ライヴで一度も歌ったことのない曲をレコーディングしてCDで出すというのは初めてですし、いろんなことに挑戦した作品でもあります。

サウンドプロデューサーに凛として時雨のTKさんを迎えたというのも新しい挑戦のひとつだと思いますが。

はい。これまでの作品はずっと湯浅(篤)さんと一緒に作ってきましたので、これも初めてのことです。最初にTKさんとお会いした時、湯浅さんとどういうふうにして作ってきたのかを細かく訊いてくださって、私が混乱しないように、その流れを引き継いでくれました。でも、TKさんとご一緒するからには、お互いの“らしさ”を出したいという想いがありましたから、そういうことも伝えたりしました。

バンドらしさが表れているサウンドは新鮮でしたよ。

私の作った曲の世界観に、“繊細さの中に傷もあるけど美しい”というTKさんの持ってる世界観が融合できたところがあります。方向性を変えたわけではなく、視野を広げるための挑戦だったので、新鮮に感じていただけたら嬉しいです。

この曲はどういうきっかけで生まれたものなのですか?

作ったのは去年の10月頃です。“輪廻転生”がテーマなんですけど、地球上でひとりが亡くなると、同じような時期にひとりが生まれる。そういうことを身近で体験して、不思議だなって思ったのがきっかけでした。人を失うと悲しくて後ろ向きになってしまいますけど、それを希望に変えて突き進んで行こうとする主人公を描いています。

タイトルの“みるいろ”って、普段あまり耳にしない言葉ですけど。

そうですね。私、色が好きなので、例えばカラーサンプルを見たり、辞書でいろんな色の意味を調べて想像したりして、気に入った色をよくメモしてるんです。その中に“みるいろ”がありました。漢字で書くと“海松色”で、海の底の深い緑や黒みがかった緑という意味があります。でも、物事を“見る”という意味や、数字の1000を表す“mille(ミル)”という意味も持たせたかったので、ひらがなにしました。

カップリング曲の「邂逅」はどういうテーマの曲ですか?

“虹”が出てくる曲を書きたくて作った曲です。映画やミュージカルの1シーンで、主人公がいろんなものにさいなまれて苦しくて逃げ出したくなるような時に、虹の色を思い出してハッ!となる。そういうシチュエーションで流れたらいいなという、私が勝手に想像したイメージの中で作りました(笑)。タイトルは曲を作ってから付けたんですけど、普段あまり使わない言葉で、偶然に巡り会うこととか、久しく会ってない人にひょんなことで再会するという意味があるので、忘れていた景色に出会ってハッ!とするところに掛けて、“邂逅”という言葉を使いました。

リリース後は、弾き唄いツアーが始まりますね。

はい。今回のツアーはアリオトという会場演出をしてくれる芸術チームとコラボして作っていくツアーです。普段は自分を中心に観てもらっていますが、会場全体の雰囲気も楽しんでもらいたいですね。各会場に合わせて少しずつ演出が違っていたりしますので。あと、最後に台湾での公演もあって、そこは未知なことが多いんですけど、それが最後に待っていると思うと気持ちが高揚してきます(笑)。
「みるいろの星」
    • 「みるいろの星」
    • TFCC-89505
    • 2014.06.25
    • 1000円
南壽あさ子 プロフィール

ナスアサコ:千葉県出身のシンガーソングライター。1989年3月6日生まれ。両親の影響で、幼少時より洋楽・邦楽問わず、幅広いジャンルの音楽に触れて育つ。東京女子大学在学時に軽音部に所属し、20歳頃からオリジナル曲制作とライヴ活動を始める。2012年、自主制作盤「回遊魚の原風景」を300枚限定で発売。タイトル曲はPS3『エスカ&ロジーのアトリエ~黄昏の空の錬金術士~』のワールドトラベルテーマに選ばれた。ほぼピアノのみで演奏されるシンプルながらも素朴な楽曲と、透明感のある歌声で話題を呼ぶ。同年6月、1stシングル「フランネル」でインディーズデビュー。表題曲はテレビ東京『海外行くならこーでね〜と!』、カップリングの「星のもぐる海」は音楽番組『音流』のタイアップソングに起用された。11月にミニアルバム『Landescape』をリリース。2013年1月にデジタルシングル「街路樹」を1週間限定で配信。同年10月23日発売のシングル「わたしのノスタルジア」で、<TOY’S FACTORY>からメジャーデビューを果たす。オフィシャルサイト

OKMusic編集部

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