【かなでももこ】7曲7色という豪華な
アルバム!

さまざまな課題が与えられた独自企画『かなでチャレンジ!』を見事クリアーし、完成させた1stミニアルバム『KANADE』。7つの色をテーマに掲げる本作について語ってもらった。
取材:土内 昇

1stミニアルバム『KANADE』は7色のコンセプトカラーがあって、その色に基づいた楽曲とビジュアルがあるわけですが、本作にそういうテーマを持たせた理由というのは?

このアルバムは『かなでチャレンジ』というチャレンジを達成して制作が決定したのですが、制作決定と同時に7曲7色というコンセプトをプロデューサーから発表されました。発表された時は驚きましたが、実はチャレンジに“7”という数字が関わっていたり、定例イベントで私が“虹のようなコンセプトで楽曲を作りたい”なんて話していたことなどが叶ったようで、スペシャルなアルバムが完成しました。

赤、オレンジ、黄、緑、青、紫、白と7色あるのですが、そこにどんな意味を持たせたのでしょうか?

情熱、決意、祈り、戦い、郷愁、妖艶、正義といった裏テーマがあります。それぞれのカラーとテーマをもとに、プロデューサー様に楽曲を制作していただきました。

宮下浩司氏、俊龍氏、米倉千尋氏、霜月はるか氏、摩天楼オペラ、サイキックラバーのYOFFY氏が楽曲プロデュースをした7曲が収録されていますが、このプロデューサー陣の名前を聞いた時、どのように思いました?

とても驚きました! レーベルの垣根を越えてのプロデュースということにも、ジャンルの幅広さにも。ここからがチャレンジだ!と恐縮してしまいました。

7つの世界観を持った楽曲が揃っているということで、歌も7つの表情を出さないといけないわけですが、それが今作におけるチャレンジだったのでしょうか?

そうかもしれません。『かなでチャレンジ』の集大成と言いますか、私のこれまでの経験やこれからのチャレンジの可能性を試されているような…。

でも、これまでライヴでいろいろなアニソンをカバーをしてきたので、それが活かされたのでは?

そうですね。もともと歌うことが好きだったり、アニソンカバー楽曲もステージでの披露のためにただ歌うのではなく、本気で取り組んできたので。そういう経験はレコーディングにあたっての自信につながりました。アニソンもJ-POPも分け隔てなく好きだということも、今回幅広い楽曲を歌わせていただく上で私の武器になりました。

かなでさん自身、一番挑戦だった楽曲は?

やはり1曲目「魂WAVE」のラップでしょうか。なかなかカッコ良いラップにならなくて苦戦しました。そして、霜月さんプロデュース楽曲の「fragment」ではブルガリアンヴォイスという技法にも挑戦させていただき、とても楽しいレコーディングになりました!

ここからは楽曲単位で伺っていきたいと思います。1曲目「魂WAVE」は疾走感のある元気な楽曲ですが、この曲を最初に聴いた時の印象は?

タイトル通り、魂揺さぶる楽曲だと思いました。スピードを落とすことなく、ラップから《最高潮!!!!》と歌っていくのがとても気持ち良くて爽快です!

そのラップも含め、どんな気持ちで歌入れに臨みましたか?

殻を破って新たなかなでを出すぞ!と。前へ向かっていく気持ちで歌いました。特に“歌いたい”という気持ちを集中させて、魂をぶつけるイメージで歌いました。

2曲目「Ocean of Lights」ですが、《燃えるメロディー 届けたい》と歌う、この歌詞を最初に読んだ時の感想はどんなものでしたか?

真っ直ぐな言葉だな、と思いました。1番の《光のシャワーに 飛び込むよ》はお客さんの待つステージへと舞台袖から上がっていくようなイメージがあり、2番ではこのステージで“燃えるようなメロディーを届けるんだ!”って。まさにステージに立つかなでの心模様をそのまま、俊龍さんが歌詞にしてくださったような歌なんですよね。うんうんと共感するところがたくさんある楽曲です。なので、今までの活動やステージのことを想いながら、決意を込めて歌いました。パッと聴くと夏っぽくて明るい楽曲に聴こえるかと思いますが、悲しみや不安もこもっている切ない部分が表現できていたら嬉しいです。

3曲目「未来への前奏曲(プレリュード)」はかなでさんの伸びやかな歌声が栄える壮大なバラードですが、これは歌っていても気持ち良かったのでは?

どうでしょう? まだまだプロデュースをしてくださった米倉さんのようなオーラは私には出せないと思いまして…。気持ち良く歌うというよりは、真っ直ぐに気持ちを伝えることを意識しました。気持ち良く歌うともっとロングトーンが伸びたり、ビブラートがたくさん付いたりしてしまうんですけど、あえておかずを付けないというか。米倉さんの素直な歌詞に想いを乗せることに集中して、レコーディングをさせていただきました。

そんな歌詞ですが、これは自身を投影できたのでは?

とても重なりました。米倉さんもかなでのことをすごくすごく自分のことのように考えてくださっていて…。歌手としてデビューできた感謝の気持ちも込めて、未来へと続く前奏曲となるよう歌わせていただきました。

4曲目「Can you save my heart?~for KANADE~」はデビューシングル「赤いメモリーズをあなたに」のカップリング曲ですが、この曲は後から“緑”という色を付けたことになるのですか?

最初「Can you save my heart?」にはイメージカラーがなかったのですが、この楽曲はTVアニメ『革命機ヴァルヴレイヴ』挿入歌として歌わせていただいておりまして、その挿入歌が流れたシーンが、サキという人物が初めてヴァルヴレイヴに乗るシーンだったんですね、その機体のカラーが緑なんです! なので、本作に収録するにあたって『革命機ヴァルヴレイヴ』という作品へのリスペクトの念も込めてイメージカラーを緑にさせていただきました。

ちなみに、本作用にリメイクしたりは?

大きく変えたところはないのですが、100回以上ステージで歌っている楽曲なので、その経験を込めて歌わせていただきました。もともと「Can you save my heart?」は『革命機ヴァルヴレイヴ』という作品に寄り添って歌わせていただいていたんですけど、今回は思いっ切りかなでの生き様として、ライヴを重ねてきた日々を胸に歌いました。最後のフェイクはライヴの時に気持ちが盛り上がってたまたま出たフェイクをレコーディングでもやっちゃいました! 生のかなでももこの歌声が聴ける、ライヴ音源のような一曲に仕上がってます。

5曲目「fragment」はどこか牧歌的で独特の世界観を持った楽曲ですが、この曲を最初に聴いた時の印象はどんなものでしたか?

とにかくいろんな音がして、最初は主旋律とハモりラインが区別できないほど音が重なって聴こえて、びっくりしましたね。自分に歌えるのかなと…。でも、楽曲制作にあたって、楽器録りにも参加させていただいたりして、ゆっくりひとつひとつの音が感じられるようになって。奥の深い歌だなぁと。

コーラスも含め、この曲はどんな意識を持って歌入れに臨みました?

あまり現実的に歌わないといいますか…ふわふわと夢の中の空間で歌っているような意識をしました。「fragment」の世界に入り込んで歌いましたね。

そして、6曲目の「嘘のない私で」。摩天楼オペラとのコラボという本作の中でも特に目を引くナンバーですが、原曲を聴いた時の印象は?

とにかくカッコ良い! 私に歌いこなせるかな…と焦りました (笑)。でも、実はハードなナンバーやV-ROCKが大好きなので、一番楽しんで歌わせていただいた楽曲です。サビの3拍子は“うわぁ、摩天楼オペラさんらしい!”とテンションが上がりました。難しい楽曲ですが、ライヴでもこの3拍子を感じてもらえるような、摩天楼オペラさん節を大切に歌いたいと思っています。

ハードなバンドサウンドをバックに歌うわけですが、どんな気持ちで歌に挑みました?

ロックな気持ちで! 私は強い!という感じで歌いました (笑)。普段バンドで歌う機会がないので、畳み掛けるような激しいサウンドに負けてしまわないよう、その一員になれるよう、という強い気持ちで挑みましたね。そして、作詞作曲をしてくださった苑さんが込めてくれた“妖艶”というイメージも意識して、強さだけではなくて女性らしいしなやかさも込められるよう意識して歌いました。

最後の「Dream on Dreamer」はポジティブなメッセージを持った楽曲ですね。

YOFFYさんにいただいた応援歌です! 初めて聴いた時に泣いてしまった曲でもあります。ストレートな言葉にとても励まされました。

この歌詞に対しても今の自分を投影できたのでは? 《I sing for you》とあるし、まさにライヴでファンに向けて歌っている姿が想像できました。

そうですね。メロディーに乗せてストレートに想いを伝えられる歌といいますか。ライヴでもファンの方ひとりひとりの目を見て、同じ気持ちで歌いたいです!

元気に弾けたヴォーカルも印象的でした。

私、YOFFYさんって本当に日曜日の朝に現れるヒーローなんじゃないかって思うんですよ!(笑) こんなに明るい楽曲なのに涙が出るのは、心がきれいな人の紡ぐ歌詞だからなんだろうなぁと。だから、私もこの気持ちで歌手として歌い続けたいという想いを込めてレコーディングに挑みました。

そんなカラフルな7曲を収録した本作ですが、どんな作品が作れたという手応えがありますか?

7曲7色という豪華なアルバム! プロデューサーの方々に私のいろいろな面を引き出していただけて、今の“かなでももこ”が全部詰まっていると言えます。

そして、本作のタイトルが“KANADE”なのですが、このタイトルというのは?

タイトルはプロデューサーさんが決めてくださったのですが、まさに名刺代わりの一枚で、“どうも『KANADE』です”といったタイトルだと思います。この“KANADE”というタイトルに恥じないよう、ずっと大切に奏でていけるよう頑張ります!
『KANADE』
    • 『KANADE』
    • KICS-3119
    • 2014.10.15
    • 3024円
かなでももこ プロフィール

カナデモモコ:2013年12月、シングル「赤いメモリーズをあなたに」デビュー。しなやかで芯のある歌声と幅広い声域を武器に数多くのライヴをこなし、同年11月23日に100回目のステージに立った。14年4月より、ニコ生公式チャンネルにてスターチャイルドレコード情報番組『ワシスタ~意外とおもしろい番組~』にレギュラー出演中。かなでももこ オフィシャルHP

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着