L→R たなしん(Ba&Cho)、渡邊幸一(Gu&Cho)、金廣真悟(Vo&Gu)、ペギ(Dr&Cho)

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【グッドモーニングアメリカ】日常的
な感情を描いた新作『inトーキョーシ
ティ』

音楽性はさらに広がり、歌の強さも際立っている。シングル「イチ、ニッ、サンでジャンプ」「拝啓、ツラツストラ」を含む新作『inトーキョーシティ』によってグッドモーニングアメリカは、バンドとしてのスケールを大きくアップさせたようだ。同作について金廣真悟(Vo&Gu)に語ってもらった。
取材:森 朋之

メジャー2ndアルバム『inトーキョーシティ』、めっちゃ良いアルバムだと思います。

お! 自分でもそう思います、すごく。

ですよね(笑)。

何度でも聴けちゃうんですよね。今まではアルバムが完成した後、1週間くらいで聴かなくなることが多かったんですけど、今回は1カ月以上経っても聴いてるので。そんなふうになるのは初めてだし、きっと良いものができたんだろうなって。

日常の中で生まれる感情を描いた曲が中心になっているのも、このアルバムの魅力だと思います。

最初は前作『未来へのスパイラル』と同じで、“今までの自分たちよりも半歩か1歩、斜め前”みたいな感じで作り始めたんですよ。ちょっと期待を裏切りつつ、ちょっと新しいグッドモーニングアメリカをやりたいっていう。あとは、“どれがシングルになってもいい”と思える楽曲を作りたいというのもありました。結果的にコンセプトアルバムみたいな感じになったんですけどね、このタイトル(『inトーキョーシティ』)を付けることで。

1曲目にタイトル曲「inトーキョーシティ」が収録されていますが、まさに“東京で暮らす日々の中で感じること”がテーマになっていて。

この曲の歌詞は、一番最後にできたんですよ。仮歌で適当に歌ってる時に“inトーキョーシティ”“部外者”“加害者”“被害者”という言葉が出てきたんですけど、それが曲の世界観に合ってるなと思って。「inトーキョーシティ」で始まって「スクランブル交差点」で終わるということで、ひとつの筋ができたんですよね。普段の生活の中で感じたことを綴っているっていう。自分が住んでいる街が東京なのでこういうタイトルになっただけで、東京じゃなくても良かったんですけど。

リスナーはきっと自分が住んでいる街を思い浮かべるんでしょうね。いくつか楽曲のことも伺いたいのですが、まずは「STOP THE TIME」。メロコア直系のサウンドに“終電で帰っていく彼女が愛しい”というラブリーな歌詞が乗っていて、これはひとつの発明だと思いました。

発明っていいっすね(笑)。メロコアって社会的なことではなくて、恋愛のことを歌っていいものだと思ってるところあるんですよね、僕の世代的には。「STOP THE TIME」と「コールアップ」は青春リバイバルというか、甘酸っぱい歌詞を書こうって決めてたんですよ。そこはもう完全に振り切ってます(笑)。いいですよね、全然着飾ってなくて。

ピュアなラブソングですからね、完全に。そして「2014年6月25日我思ふ」も印象的でした。6月25日はサッカーワールドカップの日本対コロンビア戦が行なわれた日ですが、その時に思ったことを率直に歌ってますね。

一番衝撃を受けたのは、次の日の新聞なんですよ。前日まで褒め称えて“頑張れ!”って言ってたのに、いきなりボロクソに叩いていて。ちょっと怖いというか、何だこれ?!って思ったんですよね。“そういうもんだよな”って思ってる自分もいるんですけど。

バンドにも同じようなことがあるかもしれないですね、もしかしたら。

うん、そうだと思います。あんまり関わらないようにしたいですけど…(笑)。2ちゃんねるとか、Twitterとか、絶対に見ないですからね。悪口を書かれてたらと思うと凹むんで。

アルバムの最後に収録されている「スクランブル交差点」は寺岡呼人さんのプロデュースで。スケールの大きいバラードナンバーですね。

この曲は結構特殊で、グッドモーニングアメリカになる前、活動休止している時に原曲を作ったんです。“スクランブル交差点”という歌詞とメロディー、コードだけがあったんですけど、なかなかかたちにできなかったんですよね。いつか作りたいと思ってたんですが、今回、呼人さんと一緒にやるってことが決まった時、すぐに「スクランブル交差点」をやりたいと思って…“今だ!”っていう感じだったんですよね。

今なら表現できる、と。

そうかもしれないですね。歌詞から作ったんですけど、《当たり前の様に生きて 死んでくだけなの?》というところと、最後の《当たり前の様に生きて 生きてゆくだけ》だけは決めてあったんですよ。あとは、呼人さんと“どこの交差点?そこには何がある?”って話しながら歌詞を書いていきました。

“生きる”とか“死ぬ”という根源的なテーマを、日常の風景の中で表現するっていう…。

《死んでくだけなの?》っていうのは、何て言うか、崩せない決まり事、大きいルールだと思うんですね。希望でも絶望でもなくて。で、最後は“もっと意思を持って生きていく”ということを歌いたくて。

なるほど。『inトーキョーシティ』は音楽的にも大きな広がりを持ったアルバムですよね。もはやジャンルは関係ないと言えるところまで到達したのでは?

だいぶ(ジャンル)レスってますよね(笑)。半分くらいは意識的にやってるんですよね、そこは。原点回帰的な「STOP THE TIME」「コールアップ」もあるし、ほぼ打ち込みで作った「STAY WITH ME」もあるし、「スクランブル交差点」はフォークみたいな感じで作ったし。それがポピュラーミュージックなのかなとも思うし、自分たちとしても新しいところに進めた感覚がありますね。

12月から始まるアルバムツアーも楽しみです。

アルバムはほぼ全曲で同期モノを使ってるから、ライヴではまた違う表現になると思います。その前に“良いライブ”(11月に開催されるグッド−モーニングアメリカ企画フェス『あっ、良いライブここにあります。2014』)があるので、まだツアーのことは全然考えられていないんですけど(笑)。
『inトーキョーシティ』2014年10月22日発売日本コロムビア
    • 【初回盤(DVD付)】
    • COZP-972~3 3292円
    • 【通常盤】
    • COCP-38777 2880円
グッドモーニングアメリカ プロフィール

グッドモーニングアメリカ:ギターロック、メロコアなどを融合した音楽性、圧倒的なライヴパフォーマンスによって急激に注目度を高め、13年5月に発表したメジャーデビュー作でもある1stフルアルバム『未来へのスパイラル』がオリコンチャート11位を記録。15年11月には初の日本武道館公演を成功させ、18年はバンド結成10周年アニバーサリー企画『グッドモーニングアメリカからの10くらいの恩返し』を打ち立て、さまざまな企画にトライしている。グッドモーニングアメリカ オフィシャルHP

OKMusic編集部

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