【喜多村英梨】喜多村英梨としてひと
つのカテゴリーが完成した

8thシングルはTVアニメ『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞(ロンド)』エンディングテーマの「凛麗」。進化&深化し続けるキタエリサウンドが詰まった新曲についてメールインタビューを実施した。
取材:土内 昇

まずは先日行なわれた『喜多村英梨 Live 2014 ~GiVE×EViDENCE~』の感想をお願いします。

今まで実現できる環境を待ち続けて、温めていた喜多村のライヴ像を余すところなく全解放できました! 声帯酷使から改めて声優とアーティストの両立に対しての課題もありましたが、声優アーティストというカテゴリーの中で皆様の歴史に証を残せたのではないかなと実感しております。その後、ラジオやTwitterへのメッセージを大切に噛み締めながら読ませていただきました。本当にありがとうございます。

そのライヴでも、いち早く披露されていた今回の新曲たちですが、歌われてみてどうでしたか?

キタエリスト皆様に作っていただいた勝ち組空気の中で披露できたことが、何よりも感謝と喜びを感じております。

表題曲「凛麗」ですが、ドラマチックな曲調に合わせて1曲の中で歌の表情が変わる、声優アーティストだからこその楽曲だなと思いました。どんなテーマを持って制作に取りかかったのですか?

強く印象に残せるようなリフレインを大事にしたかったので、“サビはシンプルかつストレートな言葉(歌詞)を何度も繰り返すメロ運びに絶対したいです!”とお願いしました。そして、タイアップをいただけたことに感謝しつつも、2番以降のアレンジを劇的に喜多村サウンドにしてもらいたかったので、同じメロディーラインでも各セクションごとの印象を大きく変化させる…そんな予想を裏切り、期待に応える8枚目にしたいと、何度も打ち合わせをして、意見を貫かせてもらいました。

このハードロック的でドラマチックな展開というのは、キタエリサウンドのひとつの色だと思うのですが、それがさらに深くなった印象を受けました。

音に関しては重厚な楽曲制作にこだわったプロジェクトですが、音圧に頼らず、重たいフレーズにスッキリとした各楽器の音の抜け感と、それを歌が引っ張っていく聴こえになるように試行錯誤したアレンジに挑戦しました。それは喜多村サウンドプロジェクトのブラッシュアップでもあり、新たなる精密な挑戦にもつながっています。

“凛麗”というインパクトのあるタイトルが付けられた、この歌詞を最初に読んだ時の印象はどんなものでしたか?

クライアント様からは“凛と美しい女性的な歌をお願いします”とのことでしたので、まさにタイトルはそうだなと思いました。私は同作品にサリア役で役者として関わらせていただいていまして、シナリオなどを想い描くに相応しい歌詞だなと。

アニメ『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞(ロンド)』のエンディングということで、アニメの世界ともリンクしていると思うのですが、ヴォーカルアプローチにはどんなビジョンがあったのでしょうか?

クライアント様からの要望が“コブシやビブラートを”とのことでしたので、下手クソなりにやらせていただきました。しなやかさの表現につながっていたならば幸いです。歌詞のまま、言葉のまま、凛とした強さやハリは声に出しつつも、『クロスアンジュ』の世界観や女性らしさを演出できるような柔らかさもあるという。丁寧に仕上げる努力をしました。

サビの“どんなに”のリフレーンが印象的な曲なのですが、この曲の歌入れにはどんな気持ちで臨みましたか? 歌詞のせいもありますが、背中を押すとかではなく、聴き手に希望を信じさせる、そんな説得力のあるヴォーカルだと思いました。

歌唱はしていますが、あくまで精神的、感情的なニュアンスが台詞のように聴こえてほしいなと想い、レコーディングに臨みました。

カップリングの「incomplete」ですが、聴き手の背を押す歌詞が「凛麗」とリンクしているように思ったのですが。

これは『クロスアンジュ』のオープニングや主人公のアンジュのイメージソングを喜多村が歌うとしたら…をコンセプトにガッツリ二次創作愛で作り込ませていただきました。完璧ではないところに可能性を見出して前へ突き進むアンジュの姿を想いながら、喜多村節をミックスしました。キラメロV系的な息吹も感じてほしいなぁなんて(笑)。

エフェクトのかかったヴォーカルが楽曲の世界観を彩っているなと。

Aメロはリリックを台詞回しみたいな表現にしたくて、自分でこの部分だけ歌詞を書かせてもらいました。ここをデスヴォイス、グロウル、またはスクリーモみたいにしようか迷いましたが、意外とミクスチャーロックな雰囲気に仕上がりそうだったので、このようなかたちになりました。喜多村の声優感を盛り込みたかったのです。

メッセージを伝えるような真っ直ぐなヴォーカルですが、歌入れの時はどんな気持ちで臨まれたのでしょうか?

未知数な現状に対して自分を推し進めていけるような曲発注をしていたので、自分に対しても、聴いてくださる誰かに対しても、応援歌になればとレコーディングに臨みました。

そして、通常盤にのみ収録の「残響//輪廻」は荘厳かつハードで、タイトルからして意味深という。

喜多村の代名詞楽曲を増やしたいと思って、自分の好きな世界観を音に歌詞に、極限まで落とし込みました。ゴシックでミサ感あふれるキタエリサウンドをお届けしたかったんです。

サウンドメイクで意識したことはどんなところですか? 警鐘やサイレンが鳴っている緊迫感のあるSE的なイントロや、残響を残さないアウトロ、そしてストリングスとバンドサウンドのスリリングな絡みが印象的でした。

さまざまなシーンをコラージュしたようなイントロ演出を活かしたゴスメタル楽曲にしたかったので、実は聴こえるか聴こえないかで、喜多村が3役くらいで台詞を重ねて演じてます。短期集中で朝方7時まで楽曲構成や楽曲選びで連絡を取り合って、自分の作りたい世界をお伝えしまくっていました。フレーズができてデータを送ってもらって、歌詞を即座に書いて、GarageBandを使って宅録で歌って、すぐデータを送り返して、電話して…みたいに作りました。

この曲では作詞を担当されていますが、どんな歌詞にしたいと?

私の作詞ストックの中にテーマとしてザックリありましたが、楽曲ができてから詰めていった感じです。これまでポップでカジュアルで分かりやすい作詞を求められる機会が多かったので、喜多村が好きな世界観を必要とされるタイミングがなかなかなかったのですが、8枚目にして改めて真剣な喜多村作詞を受け止めていただければと思います。“え? 需要? 何それ美味しいの\(^o^)/?”みたいな(笑)。

そんな同曲の歌入れの時は、どんなことを意識していましたか?

自分らしく、でしょうか。表現者として楽曲に華を添えれるように努めました。で、とことん表現したいように表現しました(笑)。

今作では、どんなことにチャレンジできましたか?

これまで白エリ(可愛い系?)黒エリ(カッコ良い系?)とか区別される評価も多かったのですが、着せ替え声優アーティストというよりは、喜多村英梨としてひとつのカテゴリーが完成したのかなと思いました。ついて来てくれる方、離れていかれる方、それぞれの琴線や価値観に喜多村の音が刺激になっているのであれば、ひとつ目標達成な気はします。挑戦は死ぬまで終わりませんけれどもm(__)m

では、どんな作品に仕上がった手応えがありますか?

2014年秋のキタエリサウンドは3曲とも繰り返し叫ぶ願いや意志…どれも同じ、強い意志がテーマですが、違った角度と表現で味わい尽くせる8枚目に仕上がったのではないかと思います! (lml′ω′)めたぴー
「凛麗」2014年10月29日発売STARCHILD/KING RECORDS
    • 【初回限定盤(DVD付)】
    • KICM-91552 1944円
    • 【アニメ盤】
    • KICM-1553 1296円
    • 【通常盤】
    • KICM-1554 1404円
喜多村英梨 プロフィール

クールな女性から少年まで幅広い演技をこなす声優である一方で、2011年8月にシングル「Be Starters!」で“声優アーティスト”としてデビュー。力強く透明感のある歌唱力を惹きに活動の幅を広げ、12年7月に1stアルバム『RE;STORY』を、14年4月に2ndアルバム『証×明 -SHOMEI-』を発売。喜多村英梨 オフィシャルHP

OKMusic編集部

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