L→R HAYATO(Piano)、HIRO(Cajon)

L→R HAYATO(Piano)、HIRO(Cajon)

【→Pia-no-jaC←】大胆に料理された
クラシックの名曲たち

誰もが聴いたことあるクラシックの名曲を→Pia-no-jaC←流にアレンジする大人気シリーズ第五弾『EAT A CLASSIC 5』。収録されている6曲についてHAYATO(Piano)とHIRO(Cajon)が語る。
取材:田中 大

『EAT A CLASSIC』のシリーズも、ついに5作目。ジャケット写真のハンバーガーもちゃんと5層ですね。

HAYATO
ジャケット写真は、これからもずっとハンバーガーやと思いますよ。作るのが大変そうですけど(笑)。
HIRO
いつもヴィレッジヴァンガードダイナーで撮影しているんです。今回もしっかりジャケットの5段バーガー完食してきました。

シリーズがここまで続いていることへの感慨は?

HAYATO
正直ここまでシリーズ化するとは思ってなかったです。5作目までこれたのは、ほんまにみんなのリクエストがあったから。まぁ、リクエストの中には無茶ブリもあるけど(笑)。でも、そのおかげでまた新たな曲と向き合えたし、普段クラシックを聴かない人でも絶対に知っている曲がまだいっぱいあるんだなと、クラシックの偉大さを改めて感じています。

例えば1曲目の「モーツァルト/アイネクライネ」は、誰もが聴いたことがあるはずです。

HAYATO
そうでしょうね。毎回新しいジャンルやグルーブにチャレンジをしてるんやけど、この曲は→Pia-no-jaC←初のスウィングジャズ。ピアノとカホンのふたりの演奏やけど、ビッグバンドのホーンセクションをイメージしたので、その音たちを楽しんでもらいたいです。ちなみにピアノを弾きながらの指パッチン、めっちゃムズいっす(笑)。
HIRO
スウィングジャズということで、やってみたかったのがフロアタムでのビートです。腹の奥にズンズン突き刺さる低音の連打がウリですね。そして、“俺やHAYATOに合わせてお客さんと一緒に指パッチンしたら楽しいやろうな”って考えながらアレンジしました。
HAYATO
お前の指パッチンあんまり鳴ってへんけどな(笑)。

(笑)。どの曲も→Pia-no-jaC←流の思い切ったアレンジになっていますよね。

HAYATO
いい意味でみんなの期待を裏切っていきたいと毎回思っています。そのためにもスタジオで大爆笑しながら、そして自分たちが楽しみながらアレンジしています。それが→Pia-no-jaC←流やと思うんで。
HIRO
まぁ、きれいなものほど壊したかったりする思いは当然ありますからね 。

「バッハ/G線上のアリア」も→Pia-no-jaC←流を感じますよ。HIROさんがいろんな鳴り物を駆使しているさまが目に浮かびます。ライヴでどのように表現されるのか、みんな注目すると思います。

HIRO
期待には応えましょうとも! ただし、みんなが思っているかたちとは違うかもやけど。真面目な話、小物はダビングで上に重ねて収録してるからそのままのかたちでやろうとすると、手が5~6本ないといけなくなっちゃうので(笑)。でも、あのアレンジの愉快なテイストをステージ上で表現する算段は当然あるから、お楽しみに!
HAYATO
去年のアメリカでの道中、ナッシュビルのストリートでバンジョーの音を聴いたんです。父親がバンジョーをよく弾いてくれていたのをその時に思い出して、俺のルーツってブルーグラスなんやと気付いたんです。だから、「G線上のアリア」を自分のルーツであるブルーグラスにしてみたんですけど、実はそんなに簡単じゃなくて。めっちゃ腕パンパンになりました。

大胆なアレンジというと、「モーツァルト/トルコ行進曲」にびっくりしましたよ。これ演歌アレンジ?

HAYATO
その通り! “演歌にしてみたら面白いんじゃない?”ってことでアレンジしたら、ピッタリはまりました。
HIRO
トルコやのに日本っていうのも面白いでしょ? なので、とことん日本にこだわろうと思って、実際に神社で使われている鐘を神具店で買ってきて演奏したんやけど、それもまたピッタリやった。

曲の国籍を変えちゃうアレンジって、「イングランド民謡/グリーンスリーブス」もそうですね。これはチャイニーズ風味になっていますから。

HAYATO
この曲のテーマは“緑を青に変えると…?”だったんですよ。

グリーンをブルーに?

HIRO
そういうことです(笑)。

(笑)。「ミルドレット・ヒル, パティ・ヒル/ハッピーバースデー」も、楽しい仕上がりですね。

HAYATO
毎日、地球上の誰かの誕生日。みんなのテーマになるような曲ができました。
HIRO
だから、俺たちはこの曲を最高に盛り上がるパーティーミュージックにしたくて。ライヴで盛り上がること間違いなしのアレンジにしたいと思っていました。

「ヨハン・シュトラウス1世/ラデツキー行進曲」は、今作の中で一番スタイリッシュな仕上がりですね。

HAYATO
この曲、俺はボサノヴァのイメージでした。
HIRO
俺はドラムンベースのイメージ。お互いまったく違うベクトルのものをひとつの曲にしたんです。そして、ドラムンベースのビートをカホンで再現することにもチャレンジしてみました。ひとつのカホンで多彩な音色も出しているから、ある意味カホンの見本市的な作品にもなったと思います。

このアルバムをリリースした後は、来年の1月から始まる全国ツアーが楽しみですね。どんな意気込みですか?

HAYATO
ツアータイトルは“Swing Pacchin Tour 2015”。その名の通り“みんなで一緒にパッチンしまくろうぜ!”と思っています(笑)。
HIRO
“海外ツアーの経験を積んでパワーアップした俺たちを観せたるから、みんな俺のアツさに火傷すんなよ!”という意気込みでいます(笑)。
『EAT A CLASSIC 5』2014年11月19日発売PEACEFUL RECORDS
    • 【初回限定盤(DVD付)】
    • XQIJ-91008 2400円
    • 【ヴィレッジヴァンガード限定盤(DVD付)】
    • XQIJ-91009 2300円
    • 【通常盤】
    • XQIJ-1010 1900円
→Pia-no-jaC← プロフィール

ピアノジャック:ピアノ担当のHAYATOとカホン担当のHIROによるインストゥルメンタルユニット。グループ名はふたりがそれぞれ担当する楽器、ピアノとカホンを組み合わせたもの。2005年に結成し、08年9月に1stアルバム『First Contact』をリリース。ピアノと打楽器というシンプルな構成ながら、ジャズとクラシックを融合させた音楽性、重厚な力強さと跳ねるような繊細さを併せ持った楽曲で注目を集めている。→Pia-no-jaC← オフィシャルHP

OKMusic編集部

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