L→R 大田紳一郎(Vo&Gu)、吉本大樹(Vo)、徳永暁人(Vo&Ba)

L→R 大田紳一郎(Vo&Gu)、吉本大樹(Vo)、徳永暁人(Vo&Ba)

【doa】裏にネガティブも含めての“
大人のポジティブ”

両極ではなく、“表裏一体”ーポジティブとネガティブを織り交ぜて融合させながら描き出していく、その先の未来への希望。力強く奥行きのあるヴォーカル&コーラスワークが、聴く者の心を喚起させ、鼓舞する! そんなニューアルバム『FLY HIGH』について徳永暁人(Vo&Ba)に語ってもらった。
取材:竹内美保

10周年を経ての新たなステージ、さらなる飛躍への意思表明を感じるアルバムですね。タイトルが象徴するように。

昨年はみなさんが盛り上げてくれて、ベストアルバムも出させていただいて、10周年の実感が沸いてきたと同時に、“じゃ、次はどうしようか?”という気持ちに当然3人ともなったんです。そこで“もう1回、ビヨーンと飛び上がってみようよ”という話になりまして。3人でジャンプしているジャケット写真が象徴しているように、今からでもどこにでも行けるとか、今からでも何にでもなれるとか、そういう“大人のポジティブ”…裏にネガティブも含めての大人のポジティブなアルバムを作りたいというところから、“FLY HIGH”という言葉が出てきたんですよ。そこでまとまっていったようなアルバムです。

“大人のポジティブ”っていいですね。経験値があればあるほど、慎重になったりもしちゃいますからね。

まさに慎重になったり、臆病になったりしますし、単純に“ポジティブに!”って言われても、“そんなのできないよ”って思いますよね。でも、10センチでも、5センチでも、1センチでもいい、今自分のあるステージからちょっとジャンプしてみたら、ひょっとしたら次のステージに少しでも近づけるかもしれない。…とか、大人世代の人たちに思ってもらえたら嬉しいですし、“もう二十歳だから”とか言ってしまう若い人にも、“もう1回、ジャンプしてみる”っていうきっかけになったらいいなと思いますね。酸いも甘いも分かりながら(笑)、ポジティブでありたい、そういう僕ら3人の気持ちが表れたアルバムだと思います。

酸いも甘いも分かっているから説得力もありますよね。

説得するというよりは、分かち合いたいという感じです。自分たちのメッセージ…まではいかないけど、歌っていることを分かち合えて、ライヴで盛り上がったり、泣いたり、笑ったりできたらいいなって思っているので。

タイトル曲「FLY HIGH」の《自分流のアクロバット飛行で》というフレーズは、個人的にグッときました。

あー! 例えば仕事でも何でもいいんですけど、“若い人には負けるよな”って思うことって当然あるじゃないですか。でも、僕よりもさらに年上の人たちが、なりふり構わずアクロバット飛行するみたいなかたちで、“やればできるんだぞ”ってやっている姿を見ると、“うわー、カッコ良い!”と思うんですよね。本当にその人にしかないアクロバット飛行で物事に取り組んでいる姿に、僕は憧れているんです。それは年齢関係なしに。そういう思いと、自分もそういうふうに飛んでみたいな、doaもそういうバンドになりたいなっていう思いが、この一節には込められています。

ちなみに、アルバムの最初の取っ掛かりになった曲は?

2曲目に入っている「SMILE」ですね。この曲は昨年の夏のアコースティックツアーで演ったんですけど、“SMILE”っていう曲なのに泣きましたって言ってくださる方が結構いて。“スマイル”ってすごくポジティブな言葉ですけど、でもその裏には必ずネガティブな部分がある。大人のポジティブっていうのは裏にネガティブを抱えながらやっていくんだなと、そこで改めて感じたことで、「FLY HIGH」という曲のイメージが固まっていったんです。なので、「SMILE」が最初のきっかけですね。僕は通り一辺倒のポジティブなんか歌いたくないんです。だから、二面性を含んだような曲が多いですし、でもだからこそ暗いことを歌っていても、その中で何かを感じてもらえるんじゃないかって思っています。

「Goodbye Girl」なんか、まさにそうですよね。

サウンド的には明るくて晴れの青空が思い浮かぶような音なんですけど、その中で“Goodbye”っていうすごくネガティブな言葉をどれだけ明るく歌うか、という。顔で笑って心で泣いていることはあるし、逆に泣きながらすごく応援していることもあるし…そういう二面性を含んでいますね。卒業とか就職とか、旅立っていく人たちに聴いてもらえるような曲になっているんじゃないかな。

サビのコーラスワークの広がりもすごいですね。

そうですね。広大な大地に旅立っていく人を送り出すようなイメージのスケール感を出したかったんですよ。この歌はちょっとでも力んだら芝居臭くなるし、押し付けっぽくなるし、淡々と歌いすぎたら悲しすぎちゃうんですよね。悲しい歌にはしたくなかったし、スケール感も表現したかったので、歌い方はかなりこだわりました。

歌い方というところでは、女性の視点で詞を書かれている「満月の狼」も独特のムードを感じました。

これはデビューの頃からずっとやってきた、頭から3人でずっとハモるCS&N(クロスビー・スティルス&ナッシュ、60年代末から70年代初頭にかけて活躍したアメリカのロックグループ)スタイルなんですけど、いつも男臭いことを歌っていたので、もっと違うアプローチをしたいなと思って。それで女性一人称の歌詞を3人で歌ってみたら、俯瞰でずっと3人で歌っているのでリアルで冷たい印象になって、すごく面白いものになったんですよね。10年経って新たな表現方法のステージにいけたと思えた一曲です。

新たな表現方法はサウンド面にもありますよね。

「DRIVE AWAY」でスパニッシュギターをシャレで入れてみたりしましたね。あと、ペダルスチールを弾いた「Hello」は、あの音が入っているだけで遠い青空が見えるような…こういうのがフィーチャーできるのも今までとは違うかな。

「Hello」は嬉しいニュースなのに物悲しさがあるという。

そうそう。悲しいってどこでも言ってないし、曲もメジャーで明るいんだけど、悲しい歌ですよね。憂いというか。音色の持つ物語性ってあるじゃないですか。温度感とか、湿度感とか。そこはすごく大事にしてやっていますね、doaは。

そして、楽しみなのがツアーです。

ツアーではアルバムの曲を全曲演る予定です。このアルバムから僕らの音楽に触れた方にもものすごく楽しめるライヴになると思います。
『FLY HIGH』
    • 『FLY HIGH』
    • GZCA-5270
    • 2015.01.28
doa プロフィール

ドア:2004年7月にシングル「火ノ鳥のように」でメジャーデビュー以降、楽曲ごとにメインヴォーカルが変わるスタイルと三声のコーラスワーク、ウエストコーストロックに影響を受けたサウンドで、さわやかさと深さ、厚みを兼ね備えたミュージックスケープを展開している。doa オフィシャルHP

OKMusic編集部

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