代表曲「GO!!!」「DAYS」から、GRANRODEOとのコラボ曲「7-seven-」に新曲「AWAKE」までを収める、FLOWの究極アニソンベスト『FLOW ANIME BEST 極』が完成。これ一枚でFLOWとアニメのコラボの歴史が分かる!
取材:フジジュン
『FLOW ANIME BEST』に続く、アニメベスト『FLOW ANIME BEST極』が完成。訊きたいことはいろいろありますが、まずテーマソング「AWAKE」も収録された、FLOW原案のアニメ化プロジェクト『極!!!エクストリームV~世界征服に必要な5人の英雄と小悪魔とさえない私~』っていう、この面白そうなのは何ですか!?
TAKE
夏目真悟監督や脚本家の佐藤大さん、うえのきみこさんをはじめ、アニメファンにとってはたまらないドリームチームにご協力いただいた、大人の本気のお遊びです(笑)。
KEIGO
去年、アメリカのダラスで行なわれたアニメイベント『AnimeFest2014』に出させていただいた時、アニメ『スペース☆ダンディ』の制作チームの方々と出会って、“面白いことしたいね”って話になって実現した企画です。
TAKE
新しい提示ができれば、作品にも重みが出るんじゃないか?と思って、みんなで本気で設定資料を作りました。
で、このアニメはいつから放送されるんですか?
TAKE
いや、放送される予定は今のところないですよ(笑)。でも時間はかかるかもしれないけど、本当にアニメ化を実現したいなと思ってます!
KOHSHI
今俺たちができることはここまでで、あとは世界中のクリエイターがどう展開してくれるか!
ダハハハハ! そういう話だったんですか!(笑)
TAKE
そういう話です(笑)。設定資料やティザー映像を本物さながらに作り込んで、大人の本気の遊びに挑戦しました! コンテンツを立ち上げるところまではやったんで、あとはこの遊び場を自由に使って楽しんでもらうと。現代っぽい、新しい試みとして極まりました。
これは新しすぎますよ。すごいなぁ、FLOW! しかし、今作を聴かせてもらって思いましたけど、アニメベストと謳いながら、これはFLOWの歴史そのものですね。
KEIGO
それは間違いないですね。最初に『NARUTO』のOPテーマに「GO!!!」を使ってもらって、そこから一気に世界が広がったし、海外のライヴも含め、いろんな経験をさせてもらいましたからね。それは僕らにとって革命的なことだったし、その後もいろんな縁がつながっていって、アニメベストをリリースできるまでになったのは、僕らの歴史そのものですよね。
TAKE
11年前にOPテーマをやった『NARUTO』が去年完結して、そこにも歴史が生まれて。今作では『NARUTO』に敬意を払って、今期の『NARUTO』エンディングテーマを担当しているダイアナ(ガーネット)ちゃんと、いきものがかりの「ブルーバード」をカバーしたんですけど、アニソンをきっかけに世代や国籍も越えてつながれたのもいいですよね。
今やアニメは日本の誇るべき文化ですからね。
TAKE
今、日本のアニメは“SUPER 2D”と言われているんですよ。3Dでなく一枚の画を動かす技術が日本はすごすぎて、世界から“絶対に真似できない”と言われてるらしくて。ここまで成熟した、アニメという文化のすごさを理解できてないのは、日本人だけですよ! そんなアニメのオープニングなんて、音楽とアニメのクリエイター同士のかなり高度なコラボレーションだし。音楽から発想する映像の在り方もあるだろうし、その逆もあるだろうし、これは音楽と映像が作る、ひとつの究極芸術と言えると思うんです。
KOHSHI
一緒に作業をしていると、今のアニメを引っ張っているのが同世代だから、世代も近いことで共通言語も多いし、刺激を受けることがすごく多いですね。アニメフェスに出させてもらったり、GRANRODEOとコラボして、初めてアニメ誌の取材を受けたり。そういったFLOWの活動の全てが、今回の『極』に集約できたんじゃないかと思います。
FLOW原案のアニメ化プロジェクトのテーマソングでもある「AWAKE」を聴いても、これまでアニソンを作り続けてきた経験も踏まえながら、ロックバンドとしての遊びもふんだんに入れていますしね。
KOHSHI
歌詞も原案や物語を踏まえた上で書いていて、「AWAKE」って歌詞も“極符(カード)”を召喚させるというアニメの設定に基づいていたり、サビは強がっているけど闇を持ってるというヒロインの設定に合わせて書いていたりします。
曲だけですごく魅力的なヒロインに思えてきて、聴き終わる頃にはちょっと恋してますからね(笑)。
KOHSHI
そう思ってくれたら、こっちのもんです(笑)。
GOT’S
最初はヒロインひとりの予定だったんですけど、キャラクターデザイン案がふたつできて、どちらかを選ばなきゃいけない時、“ふたりにしちゃえばいいんじゃない?”って意見が出て、結果ふたりにしたし、曲中でヒロインふたりの英語と日本語のセリフを重ねてみたり。アニメと曲の両方に意見を出しながら作っていったんですが、それって他のアニメだったら絶対にあり得ないことなんですごい面白かったです。
これまでいろんなアニメ作品に関わって、テーマを与えられたからこそ新しい引き出しを開けたこともあったのでは?
TAKE
「DAYS」で初めて4つ打ちの曲に挑戦して、それが「COLORS」や「ブレイブルー」につながっていきましたね。
IWASAKI
「DAYS」で認知されなければ世界にも行っていなかったかもしれないし、その後の曲も生まれなかったと言えるし、いろんなタイミングがあって、いろんな出会いがあったんだなというのは、今回のアニメベストを聴いて思いましたね。
なるほど。しかし、今回のFLOWのやり方を見て、“この方法があったか!”と膝を打つ人もいると思いますよ。
TAKE
そこで、例えばレコード会社がアニメ制作をしてもいいし、逆にアニメ制作会社が音楽の制作をしてもいいと思うんですよ。大人の事情が交錯しないことで、より視聴者が楽しめる純度の高いものが作れる環境が生まれればいいなと思いますね。
KOHSHI
FLOWがただアニソンを歌うバンドじゃないことも証明できたと思うし、ひとつの提案になればいいですね。
TAKE
だから、俺たちがアニメの原案をきっかけに立ち上げますよ、音楽とアニメを融合させた“株式会社 極プロ”を!
わはは。本気で信じる人がいるから、やめてください!(笑)
・・・
『FLOW ANIME BEST 極』2015年02月25日発売Ki/oon Music
- 【初回生産限定盤(DVD付)】
- KSCL-2557 ~8 3810円
フロウ:KOHSHI(Vo)、KEIGO(Vo)、TAKE(Gu)、GOT’S(Ba)、IWASAKI(Dr)の5人組ミクスチャーロックバンド。2003年1月に発表した海援隊の「贈る言葉」のカバーで注目を集め、シングル「ブラスター」でメジャーデビュー。疾走感あふれるエネルギッシュなバンドサウンドと思わず身体が弾み出すようなメロディーを武器に、全国でイベント出演やライヴを繰り広げる。『NARUTO -ナルト-』『交響詩篇エウレカセブン』『コードギアス』をはじめ、多くのアニメにも楽曲を提供し、06年以来、海外での活動にも精力的に取り組み、アジア、北米、南米、ヨーロッパなど、これまでに19カ国59公演を超えるライヴ実績を持ち、ライヴバンドとして国境を越えて音楽を届けている。22年にデビュー20周年突入イヤーを迎え、11月にORANGE RANGEとのコラボ楽曲「デイドリーム ビリーヴァー」を含むシングルをリリースする。23年7月にはアニメ提供楽曲だけで行うワンマンライヴ『FLOW 20th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE 2023 ~アニメ縛りフェスティバル~』を幕張メッセ国際展⽰場で開催予定だ。FLOW オフィシャルHP